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 気が付きゃ銃を四つも向けられて、しかもこっちは全くの丸腰になっていた。二十五年もののホルスターも、下着の一着すらない。手を挙げたって今状況じゃ迷わず撃ち殺されるだろう。そこで俺は、至って、冷静に、何があったかを説明した。銃口と体の距離が一段と近くなり、流石に背中が冷えてきた。またもあわやという時、救いの手が自動ドアの向こうからやってきた。


「そこまで」


 鶴の一声は素晴らしい。本物の鶴よりも低いし、あまり威厳のない声だが、俄然安心感がある。銃口が下がり、俺とフォーミラレンジャーの首は自動ドアの先に釘付けになった。


「銃を下げたまえ。君達は本艦の首脳を撃ち抜きたいのか? それともそのレーザーで船体に穴を開け、漂う自由が欲しいのか? であれば、そのまま彼を撃つといい。私ならそんなことは……」


「「「「司令官!」」」」



 四人がセリフを言い切る前に口を挟み、彼の表情は幾許か暗くなる。誰を隠そうこのお方は「ヨシキリ」の艦長、平井 一豊だ。



続く

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