三話

わしの親父は、腕のいい狩人だったよ。


子供だったわしには、多くは語らんが…


お袋が死んだ時も…








泣きたいか?



嫌って程泣いたら、男はな。

腹の足しにその涙を飲め。








自分も目に涙ためながら言ってたのう。



わしが七歳になる頃か…



狩りで大怪我してなあ。

もう親父の体が動く事はなかった。



そうなりゃのう。


堕ちて行くのは本当にすぐだ…



貯えなんか、すぐに消えちまう。



狩人も因果な仕事じゃな。

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