十話

後はもう、やられ放題だったの…



気配とかなりの場数の経験で……何とか…


もってたのかな…




でもね。


彼…

私をチラッと見たの。



眼も耳も使えないはずなのにさ……


ニコッとしてね。







ううおおおぉぉおおあああああああ!!







そのすぐ後…


突進をあの細い体で受けとめたのよ。



あの黒角竜がさ…

動けないんだよ?



壁に刺さった時のようにさあ…


彼に受けとめられ、必死にもがいてんのよ…




あの子は串刺しのまま…


両手を高く上げ…



また眼を赤く染めてね………


蒼剣を奴の頭に刺し込んだ。





まるで…


人形が子供に振り回されるかのようにね…


彼は飛ばされて…




もう…虫の息だったけど私は…


たまらずに走ってたわ…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る