九話
邪龍がな、そこらに転がってた遺体を投げつけたんだ。
その中のひとつに、ギルドの少年のがあってな。
仲間だったんだろう。
一人は我慢できず、受けとめにいっちまった。
そのスキに壁に叩きつけられ……
もう…
最期を悟る。
邪龍の爪がよ……
一人を挟んで壁まで食い込んでたよ……
人間ナメんなよ…
クソヤロウ…
そしてソイツは…
邪龍の手と、自分の体を……
ダークサイスで…
壁まで貫いた。
邪龍を身動き取れずにするのが奴の……
今、死にかけの自分に出来る最期の仕事だった。
ギュアアアアア…
あまりの激痛に、無理に引き離そうとしたんだろう。
邪龍は腕を一本……
犠牲にした……
朱の鮮血を背に…
邪龍の腕をぶら下げ…
悠然と立つ…
一人の最期だった……
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