第130話 最終話永遠のマンバ

デカイ兔人族にしては、集落の家はこじんまりとした木造建築、日本人向きの兎小屋じゃ、後の移住者が助かる。

壊さんように兔人を狩って行く。


兔人族を滅ぼして行きながら、ふと思った。思い立ったら即実行!

兔人族の死骸を収納「部分取り出し!!」

思った通り、毛皮だけ取り出せた。


「皆!どうしようも無い兔人族じゃが、毛皮となって役に立ってくれるぞ!!」

「マンバ様?どうやったの?」

「収納して、毛皮だけ取り出すイメージで、部分取り出しやったのじゃ」


簡単な説明じゃが、同行しておる皆は、わしとほぼ同じ実力を持っておる、簡単に毛皮取り出してみせた。





兔人族は全て滅ぼした、何と毛皮1億枚以上出来上がった。

討ち漏らしは無いか、気配を探る·····「ヒミコ?何か感じんか?」

「マンバ様?別に何も感じませんが」「私も別に?」


「マンバ神!覚えの有る、これは···桜ちゃんでは?」

「タマモ?そうじゃ!!桜達に違い無い!!近いぞ」



マンバ達が降り立ったのは南国の熱帯、そこから北上してこの辺りは亜熱帯、日本で言えば4~5月の季候、桜の妖怪には天国じゃ。


桜色の着物を着た、老婆や少女多数が集まって見上げておる。

「サクラ達じゃ!降りるぞ」


「玉藻ちゃん?」

「桜ちゃん!!良く無事に生き延びてたね!!嬉しい!!!」

タマモとサクラは抱き合って、お互いの無事を喜んでおる。




「八重族長!吉野も息災か」

八重桜の老女妖怪に染井吉野の美人妖怪が驚いた顔をして

「「山姥大王様?」」

「おぅ!この世界に転生し、マンバ神を名乗っておる」


「「「大王様ぁ!!」」」

桜ん坊の幼女妖怪がしがみ着いてきた。

頭を撫ぜてやりながら

「おっ?ランボ達も元気そうじゃな」


八重に聞くと、コロボックル達と同時期に、天照大神様が転移させてくれたそうじゃ、転移して一年程と言う事は、わしと同時に着いたようじゃ。


再会を喜んでおると。

「「「大王様ぁ!!!」」」

「おっ?牡丹に楓、柳!!良く頑張って待っていてくれた!!」


(もう限界のようじゃ)

「皆!!会って間も無いが、わしは天界に行く!!後の事はわしの妹魔神タマモとヒミコに任せて居る、しばしサラバじゃ!!!」



「「「「「「「「「「大王様ぁ!!!消えた?」」」」」」」」」」




◎◎◎





「真っ白で何も無い?」


突然天照大神様が、目の前に現れた。


「マンバ神!!世界の全ての信仰が条件の、神界初の偉業達成見事であった!!私が見込んだだけは有る!!」

「天照様?」

「何じゃ!テンテルと呼ばんか!!あのニックネーム気に入っておるのに···」

「大神様、ご冗談を」

「冗談では無いのじゃが·····そうじゃ!!御主『テンテル神マンバ』と以後名乗れ!!天照大神の名に置いて命名する!!!」


瞬間マンバの身体は、上級神の神圧を放ち、辺りを輝きで埋めた。


「何万年ぶりか、上級神の誕生!!神々に紹介して回らねば···最初に近くの神、猫又ヒミコが世話になった、オーキョウ神を紹介してやるか」


天照大神様が、マンバの手を握り、神々に紹介引っ張り回された。

オーキョウ神は優しそうな女神、お茶と茶菓子でもてなされヒミコとライ兄じいちゃんの話を詳しく話してくれた。


わしが引っ張り上げれば、ヒミコをオーキョウ神の所に連れて行く事が出来るそうで、落ち着いたらヒミコと訪問する事を約束し、次に行くことになった。


次も異世界神で3柱の神、ワト神、カメ神、ミメ神、に紹介された。

この3柱の神達は、現実世界に降臨し仲良く人々を導いて居るとか、ワト神カメ神の子供ナギ神とナミ神にも会えた。

(羨ましい、わしも子供が欲しいぞ!!)


その後、数柱の異世界神に紹介され、地球神オーディン、ゼウス等上級、最上級神にも紹介され、三途の川の鬼達にも再会できた。

500年の付き合いじゃ、鬼達の歓び様は凄かった。






◎◎◎






「マンバ様が平和な世界にして下さって、する事が無いね」

「世界中、ブラブラ見て回るのも、ちょっと飽きたかな」


驚異になる様な、魔物の話しもトンと聞かん。


我は、寂しがって居った、白熊のイッカクに乗って、世界中問題無いか見て回っておる。

もう3回目になるか。


ヒミコ姐様は、イッカクよりデカイ、フェンリルのクロに乗っておる。

保志姉様は、ヒミコ姐様の頭の上に乗っておる。


何処に行っても、マンバ神の話しか出てこん。

マンバ姉様の存在は偉大じゃった、我も一生懸命頑張って居るが、マンバ神の代わりは程遠い、まだまだ頑張りが足らん。



ここは、都心金閣城の広場。

春の穏やかな日射し、初めての桜一族の訪問、接待中。


ナオ、テツ姉弟、主だった妖怪幹部、中の3大王に熊さん大王、暑さをものともせず雪女王に冷姫達も集まった。


「マンバ様、神界で頑張られているかな?」

「あれから2年マンバ神の事じゃ、退屈でウズウズして居るじゃろう」

「マンバ様、今にも現実世界に降臨しそうな予感が」




辺り一面、目を開けて居れない位輝いた。



「帰って来たぞ!!」

「「「えぇ~~っマンバ神!!」」」


皆が涙の笑顔で集まって来て、マンバ神揉みくちゃだ。マンバ神も珍しく、心からの満面の笑顔をしていた。






◎◎◎◎◎


「その幼女凶暴にて」終わり

長期に渡り御愛読、大変有り難う御座いました。

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その幼女凶暴にて 犬時保志 @ysxyz

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