第125話 茨城の怒り

ベトベト二人は互いに最後の一人と思っていた。

同族に出合う事が出来、この機会に種族を残さないと、と、必死の思いで子作りを実施したようだ。


ベトベトは人の形体を便宜上とって居るが、実態はスライムに近い身体をしている。

従って一体でも分列は出来る、それは分身であって子供ではない。

今回誕生したベトベト二人は、紛れの無いベトベトの子供であった。



「ベトベト!目出度いな」

「「はい!マンバ神様!!200年ぶりの子供です」」


「お目出たに水を差すようじゃが、茨城どうする積もりじゃ?」


茨城は無言、深く何か考えておる。



「マンバ神様!闘技場までご足労願えますか?」

「構わんが」

「バカ者どもに、マンバ神様の圧倒的強さを見せてやって下さい!」

「死者が出るぞ?」

「大勢の観客の前で、一瞬で消して下さってかまいません!!」


茨城め、余程腹に据えかねておるようじゃ。






市民で満席の闘技場、1万人が観戦出来るそうじゃから、殆どの住民が集まって居るようじゃ。


わしに対するは、元署員達100人余り。


茨城が演説を始めた。

「お前達バカ者どもが、全員で襲い掛かり、もしマンバ神様に傷を付ける事が出来たなら、お前達の望み通りにしてやる!!」


「「「「「「「「「「「「「「「おぅーーーっ!!!」」」」」」」」」」」」」」」



「マンバ神様!初めて良いですか?」

「いつでも始めてくれ」



「では、始め!!!」



茨城王の、恩情と勘違いした元署員達は、勢い良く突進して来た。


「氷雨凍結!!」

100人全員が、一瞬で凍り付いた。


1万人の観客から、驚きの声があがった。

わしは観客に向かい話した。


「茨城は、この者どもを見限った、しかしこの者達は茨城に対する忠誠心に変わりは無い!バカ者では有るが殺すのは偲びん」


わしはパフォーマンス、一人ずつ解凍していった。

「復活せよ!!」

と声を掛けながら。


「「「「「「「「「「おーーーっ!!!」」」」」」」」」」

一人復活する度に、観客の歓声じゃ。

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