第121話 カエデ領の凄まじい発展

「ヒミコ、カエル亀にオカッパ幼女、青白い女で何を思い浮かべる?」

「マンバ様、カッパに小豆洗は想像出来ますが、青白い女は分かりません」

「タマモは?」

「マンバ神、もしかして、べとべと?」


「分かったか、二人の想像通りじゃと思うぞ、あやつら、わしのこと待ち焦がれて居るじゃろう、早く見付けてやらねば」



カエデ領は、6万人の住民がカエデシロップ生産作業をしておる、大規模農業地帯だ。


カエデの森に隣接して、大工業地帯になっておった。

6万人の住居に、カエデシロップ生産工場が建ち並ぶ、圧巻の工業都市である。


スサンダの、奴隷階級だったとは全く思えない程、住民の顔は明るかった。

6万人の住民は、全てサイス族で、ジョルさんが市長生産工場長として、住民から絶対の信頼を受けておるそうじゃ。


「マンバ神様!ようこそお出で下さいました···あれ?マンバ神様がお二人いらっしゃる?」

「ジョル!凄い繁栄の褒美、神術を授けよう!何が良い?」

「マンバ神様!飛びたいです!!」

「鎌鼬と飛行を授けよう、頭を下げてくれるか」

「はっ!」


ジョルの頭に手を置き、念じた。

ジョルの身体が淡く輝いた。


「これで飛べる、まず風をこんな感じで出してみよ」

ジョルが真似をして、鎌鼬を発射した。

「おぅ!!有り難う御座います!!!」

「次は旋風をこう身体に纏い、旋風を上に吹き上げる」


ジョルは軽々と飛び立って、感激に泣きながら降りてきた。

「こんな嬉しい褒美は有りません!!有り難う御座いました!!!」


「私はマンバ神の妹邪神タマモ、私からも褒美、鬼火を授けよう、火打石で火を点けた事を思い出せ!」


「はっ、はい!」

「目を閉じて集中!ガチッ!!」

「出来たな!目を開けて手を見てみよ」

「?···おぅ!!有り難う御座います!!!タマモ神様!!」



「では、わし達は報告を受けた、化け物探索に出かける」

「お気をつけて、宜しくお願いします!!」


ジョルは深々と頭を下げて、見送ってくれた。

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