第107話 雪女王達を救出

ホシは隊員と一番大きなドームに向かった。

ドームには突き出た入り口が有り、ホシ達はそこに降り立った。

入り口は、分厚い獣の革で塞がれた高さ7尺程で、十尺程の兔人は屈んででは無いと通れない。

しかし5寸弱の一寸族ホシ達には、見上げる巨大な門にみえた。

垂れ下がった革は3重で、外気をほぼ遮断して居る。


ホシが先頭で、入って行った。


外気を、遮断して居るはずの室内は、なぜか吹雪いてる。


着物を剥ぎ取られ、全裸の雪女王と二人の雪女を、十三尺の巨大な兔人が押さえ込んで居る。

雪女王と一人の雪女はグッタリと意識が無いようで、怒りをあらわにした雪女が一人吹雪を吐いていた。


「おうっ!2回戦で汗が出た所に、冷んやりと気持ちが良いぞ」

女王からズルリと抜き出した、兔人の陰茎は三尺程の気持ち悪く狂暴な物だった。

「涼ませてくれたお前も、可愛がってやろう!!」


性経験の無いホシでも、流石にこの状況は理解出来た。

「サヨ、イヨ!再生治癒を!!」

言い残し、首領と思われる兔人を掴み、遥上空に転移した。

「ん?何事だ?」

「死ね!!」

上空に兔人を放置して、ホシはドーム内に転移した。


「ピィ~~ッ」と言う悲鳴にズドンと鈍い地響きが、辺りに響き渡った。



マンバは一寸族ステルス隊員2名を引き連れ、堂々と氷ドームに入って行った。


ヒミコから、兔人族の習性、バカでは無いが、喰う事と繁殖行為以外興味を示さず、他種族に対しては残虐行為を行う、滅ぼす気持ちで対応しないと、温情を僅かでも掛けると侮って、しつこくコソコソ反撃を繰り返すどうしようも無い種族と聞かされた。


マンバが目にしたものは、死んだ様に見える雪女を押し潰すが如く勢いで、腰をぶつけて居る巨大なヌイグルミでした。


「キサマ!!何をしておる!!!」

怒りにヌイグルミの尻を掴み、醜い陰径を引き抜き、更に上空高く掴んだヌイグルミと共に転移、「ブッ~ッ」と間抜けに鳴くヌイグルミを残し、ドーム内に転移した。

「お前達!再生治療!!」



方々から「ピッーーッ」とか「ブッピーーッ」やらの悲鳴が聞こえ「「「「「「「ズッドーン」」」」」」」と地響きが起こっていた。


ステルス隊員も、兔人族に対しての処理は同じだったようだ。



マンバは、待機していたキヨ中隊隊員10名を引き連れ、ドームを順に覗いて行った。


殆どのドームは、制圧されて居たが、二つのドームに女子供の兔人族が多数残って居た。


瞬間処理に迷ったマンバだったが、ヒミコから「子供と言えど成長すれば、何故かテロリストゲリラに変貌する」と聞いた。


迷ったのは一瞬、入り口から「鬼火大!!」「ジュッ!!!!」

2度の鬼火大で二つのドームは、蒸気となり内部共に消滅した。




ホシとホシの側近サヨとイヨが飛翔、報告にやって来た。

「マンバ様!雪女王以下25名の雪女、無事回復!ステルス隊員が保護、転移で雪女王の集落に跳びました!!」

「「我々も帰還しましょう!!」」


「ホシ!ドームをどうする?」

「兔人族ホイホイに使いませんか?」

「ふっふ!凄い発想!!ホシ!お主も悪よのぅ」

「マンバ様には、負けて居ります」


笑ったホシの顔にはかげりが見えた。

生娘きむすめのホシには、衝撃的な出来事だったようだ。

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