第104話 魔神南極大陸制覇3

ナンザは飛び回り、更に20の大小の国を配下に、合計55の国を我の配下に降してくれた。

褒美に打出の小槌を教えてやった。

ハム達が懇切丁寧に指導、半日程で使える様になっておった。


ナンザの話では、後30程国が有り更に、大陸中央永久凍土地帯と周辺寒冷地帯にも、蛮族の国が有るとの事じゃが、詳しくは知らんそうじゃ。

我は30の内最も強固に拒否して居る、ミラス皇国に出向いた。

「我は魔神タマモ!!此よりミラス皇国とやらを滅ぼす!!」

「眷属の皆!氷雨凍結、始め!!!」


皇帝の城が、一瞬で凍結した。

「狐ども、城内の掃除に出向け!!凍り付いた遺体を城外に棄てて来い!!」

「待て!!お宝を剥ぎ取ってから処分せよ!!!」

「「「当然!!分かってますって!!!」」」


次は民衆の処理。

「魔神タマモが領民に告げる!!敵対する者は殺す!!我の役にたつ者は使役してやる!!」


警備兵が攻撃して来た。

10人程剣で斬りかかって来る。

先頭の兵を狐火で焼き殺した。

ハムとハミも狐火を放った。

兵達全員一斉に火柱となり、消滅して居った。

剣鎧も蒸発してしまう威力の炎じゃった。

「他に魔神に手向かう者は要るか?我が面倒に思うと、絶滅させて終るぞ!!!」


両手を挙げて駆け寄った男が、土下座して言った。

「お許し下さい!!区長代表のセンタと申します!!」

「商工生産協同組合会長のシブルと申します!!住民代表で魔神様への服従を誓います!!」


「商工生産協同組合?何じゃそれは?」

「農業漁業畜産狩猟に商工全生産者の互助会です!!」

「ほう!面白い組織じゃが、職種が多岐に渡り過ぎて纏まらんじゃろうに、個別に組合作った方が良いと思うが」


シブル会長の説明によると、過剰生産、過剰狩猟の無いよう、又、必要な物を必要なだけ生産する全体調整に、収穫しっぱなしで無く、植林、養殖の促進実行等、各職種に指示を出し上手く機能しておるそうじゃ。


乳幼児、リタイアした老人以外、住民全員が何れかの職種タグを持ち、身分証になって居るそうじゃ。

「ミラス皇帝の指示か?」

「とんでも無いです!!皇帝の過酷な徴収に対しての、対応策として発足致しました」

「ほう!!シブル!お主の発案か?」

「皆の助けがあったればこそ、やって来れた事です」


「面白い!!シブル神術を授けてやる!!何が欲しい?」

「はっ?はい!!飛びたいです!!」


発想が豊かで、柔軟な行動力、優れた能力のシブルは容易く鎌鼬を習得し、数十分で浮遊旋風に乗って飛行出来る様になった。


「シブル!国王に任命する!!これからも住民を豊かにし、国の発展を心掛けよ」

「はっ、国王?に、荷が勝ちます!!お許しを!!」

「国王になっても、やる事は組合会長の仕事じゃぞ!!」

「なるほど、分かりました!!お引き受け致します」

「城に有る財宝は、組合資金にして良いぞ」

「あっ!有り難う御座います!!周りの国が羨むような、良い国にして行きます!!」

「今より、シブル王国と名乗れ!!!」



ミラス皇国の顛末てんまつは、魔神対策に頭を悩ませて居た、残りの29国を動揺させた。

無謀な独裁者の王国住民は、こぞってシブル王国に夜逃げして来た。

国民が夜逃げした20の国は、国王に協力者を全て殺っ処分した。

残った住民には、シブルに指導させ、協同組合を模倣させた。

シブルに、飛行を習得させたのは正解じゃった、精力的に飛び回って指導して居る。


残りの9国は、配下に降る方針をとった。

南極大陸制覇出来たぞ!!!

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