第102話 魔神南極大陸制覇1

森に返せば帰って来んと思うたが、白熊の奴、我が門から出るのを待って居った。

我を見付けて伏せの状態になる、我に乗って貰いたい様子じゃ。

ちょっと可愛ゆく感じたぞ!!

「名付けて居らんかったのぅ、お前の名は「イッカク」じゃ!!」

「くぅ!!」「おっ!気に入ったか」

我はイッカクに跨がって進む。


拠点にした、タマモ街(玉藻命名)は、様子見の為随分手心をくわえた。

「皆の者!逆らう者は皆殺しじゃ!!行くぞ!!!」

次の町の情報など不要、魔神タマモの軍勢に、対抗出来る者など居らん!!


異変に気付き、閉ざされた門を狐火最大で焼き払う。

「おっ!!最大はやり過ぎたか?」

門どころか、小さな町は防壁ごと、消えて居った。


「失敗じゃ!!次の町まで不休で行かねば日が暮れる」

「·····待てよ!狐ども、焼け跡のお宝漁って来い!!!」

「「「了解でっす!!玉藻様」」」

「おい!!これからは魔神様と呼べ!!!」

「「はい!魔神様!!」」

「お宝はいくら在っても良い物じゃ」


イッカクが、居なくなったと気付き辺りを探して居ると、巨大な猪を口にくわえ帰って来た。

「偉いぞイッカク!!晩飯を獲って来てくれたのか!!」

「ウッオ」

「そうか、有り難う!!」


狐ども、結構お宝回収して帰って来た。

お宝は、全て我が収納して置く。


巨大猪の肉を切り取り、皆に配給50匹が一斉に食らって居る。

我も食らい付いた。


ハム達ケトシが「えっ?」っと言って戸惑って居る。

「何じゃ?食わんのか?」

「「「生肉·····だよ·····」」」

と言いながら、配った肉を一口サイズに小さく切り分け、枝に刺して焚き火で焼いて居る。

「何じゃ?お前達面倒な事をやって!!·····じゃが、良い匂いじゃな·····一つくれんか?」

「はい、どうぞ!」

トミが一切れ、焼いた肉をくれた。

「おっ!!美味い!!何じゃ?面倒じゃが、焼くと美味くなるのか!!!」

(今まで、どんな生活して来たの?魔神様)

焼いた肉を食いながら、不思議に思うケトシ達だった。



適当な場所で、銘々ごろ寝した。

夜が明け、起きて朝飯!!見ると、ハム達が残った肉を全て焼いてくれて居った。


「焼いた肉は美味いのぅ!!」

配下の、化け狐どもも気に入った様で、晩飯より大量に食って居る。

「残った肉は収納して置け!!」

ハム達が全て収納した。


「皆の者!!次の町を攻めるぞ!!」

全員一斉に飛び立った。

イッカクが追い付き抜いて行く。

飛ぶより、イッカクに乗った方が速そうじゃ。

我はイッカクに跨がった。



イッカクの速度に、着いて来れたのはケトシ達だけじゃった。

巨大都市が見えて来た。

防御壁見張り台から、男が問い掛けて来た。

「白熊に乗った魔神とは、お主の事か?」

「如何にも!魔神タマモ様じゃ!!貴殿は?」

「儂はナンザ-ボナン!!ナンザ王国、国王で有る」

「ナンザ王、話が出来て嬉しく思うぞ!!我が魔神なら何とする?」

「降伏します!!!」

「良い心掛けじゃ」

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