第100話 もう一人の凶暴幼女
それでも暫く大人しく様子を伺って居た。
「よし!!我の世になった!!!」
配下の化け狐に命令した。
「山姥大王の後を次ぐ、玉藻様に従えと、妖怪どもに伝えて回れ!!!」
日本中に散らばった、配下の化け狐が続々帰還して来た。
「玉藻様、妖怪が見当たりません!!」
「一人も妖怪が居ませんでした!」
「もっと良く探せ!!!隠れて居るだけじゃ!!!」
「背の目様は、玉藻様に従う事を拒否されました!!」
「背の目は山姥の息子、配下にするのは無理じゃな」
「盂羅様にも拒否されました!!」
「盂羅は怒らせるな、山姥に忠実な奴じゃ!!」
「猫又ヒミコ様は、鼻で笑われました!!」
「ヒミコ様は絶対怒らせるな!!我より遥に強い奴じゃ!!!」
「大多羅様は、「意味が解らんぞな」と仰られて居られました!!」
「大多羅は放って置け!!!」
何で我より強い、強者しか居らん?
配下にする妖怪を探す日々、そんな我の前に突然天照大神様が降臨された。
我は神圧に
「妖怪玉藻!お前を面白い世界に送ってやる!!!」
「あ、天照大神様!!配下の化け狐ども·も·も·い、一緒ですか?」
(ヤバイ!!舌がまわらん、喉がカラカラじゃ)
「お前の廻りに居る、
「あ、あ、有り難う御座います!!あ、天照大神様!!!」
流石天照大神様じゃ、転移は一瞬じゃった。
転移と同時に、気力が抜けた、暫く動けん。
チビらんかった我を自分で誉めてやった。
座り込んで、辺りを見回す。
転移された所は森の中、配下の化け狐50匹も近くに居った。
腑抜けて居っても、しょうが無いぞ!!
取り合えず、人化の変化!!!
「ありゃ?何時もと感じが違う?·····おい!コンキチ!!我の姿はどうじゃ?」
「玉藻様?お姿は何時もの妖艶美女で無く、幼女のお姿で有ります!!」
「幼女じゃと?·····まっ、人に変化出来て居るなら、良いか?」
「玉藻様!!角の生えたウサギが襲って来ます!!」
「角ウサギ?そんな妖怪、居ったかのぅ?」
「来ます!!」
「おい!角ウサギ!!我は玉藻様じゃ!!」
我の話し掛けを無視して襲って来る、サッと避けて首ったまを掴んでやった。
「おい!!我の話を聴け!!!」
「ぶぅ~ぷぅ~」
「·····ダメじゃ!!こいつは獣じゃ!」
美味しく頂いた。
「おい!お前達も腹が減ったら、ウサギ狩りして食え!!」
「玉藻様、熊が居ます!!!」
「ゲップゥ~、ウサギ3匹食った、熊?これ以上食えん!!」
「大熊で有ります!!仲間10匹跳ね飛ばされたで有ります!!!」
「おっ?デッカイ熊?じゃな!!」
配下の手前、ビビった姿は見せられん、足は·····少し振るえて居るが。
真っ白な一本角の、熊と言われると熊の様な、全長十五尺か十六尺(5メートル弱)はある化物が低く威嚇音を発して居る。
「[[[お座り!!伏せ!!!服従!!!!!]]]」
我は威圧を目一杯込めて叫んだ。
巨大白熊は、お座りから伏せをし、今は寝転び腹を見せて居る。
腹を恐る恐るなぜてやった。
「山姥の奴の真似じゃが、上手く行った!!」
「流石!玉藻様!!」
「そうだな!!巨大な化物を服従させた!!」
配下がボソボソ何か言って居る。
巨大な化物と言って居るのは、聞こえた。
我はビビっては居らんぞ!!無謀かも知れんが、豪快に熊に跨がった。
「♪く~ぅまに、ま~たがりぃお馬の稽古ぉ~♪、楽チンじゃ!!」
見たか?配下ども!!我の勇姿を!!!
冷や汗をかきながら、白熊に跨がり、森を抜けた。
我は少し、いや!かなり戸惑って居る。
「我の狐火?こんなに強力じゃったか?」
森を出て、直ぐに見付けた、人里と言うか防壁に囲まれた、砦の様な大きな集落に着いた。
ふざけた事に、門番が横柄な態度を取りやがった。
「白熊に乗って、偉くなった積もりか?嬢ちゃん!!中に入りたかったら、銀貨1枚出せ!!!」
脅しながら槍を突き着けてきおった。
我は少しキレた。
脅すつもりで、狐火を門番に投げた所、門番は燃え上がり、灰になって消えてしもうた。
他の門番が、衛兵に報せたのか、30人程の兵隊に囲まれた。
「怪しい子供!!大人しくせよ!!!」
隊長で有ろう男が、威嚇して居る。
「狐火業火!!!」
名前は格好良いが、目眩ましの火の壁が発生した。
目眩ましのはずが、狐火業火は兵達を焼き尽くてしもうた。
周りの野次馬どもが「魔人だ!!逃げろ!!!」と騒いで居る。
聞き間違った玉藻は(魔神?良いかも!!!)
「我は魔神タマモ、この世の支配者である!!!」
襲って来る兵達を、焼き殺しながら進む、他より大きく立派な建物にたどり着いた。
「我は魔神タマモ!!焼き尽くされたく無くば、我の配下になれ!!!」
返事が無い。
熊から降りて、ズカズカ入って行った。
抵抗無く、最上階に上がった。
領主らしき男が、爺どもと振るえて居る。
「貴様が領主か?我は魔神タマモ!!配下になるなら、命は取らん!!」
何を勘違いしたのか、近衛兵10人が抜刀して襲い掛かって来た。
「·····[[止まれ!!!]]」
(そうか!幼女の姿を見て
転移で、衛兵どもを一人ずつ首根っこ掴んで、窓から放り棄てた。
我の速度に着いて来れず、10回の悲鳴と鈍いドシンの音を残し、衛兵が消えた。
「抵抗したので、お前達皆殺しじゃ!!!」
領主と5人の爺を窓から棄てた。
大陸制覇の拠点が手に入った。
我はふと思った、こんなに剛腕じゃったか?
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