第77話 中央東城は綺麗な城だった

再び飛び立ち、眼下を観察しながら城を目指す。

「荒れた地と、雑木林ばかりじゃな」

「他国の侵略を防ぎ、他国の侵略に励む、生産的な努力は軍事面に片寄って居るのです」

「一年住んで、思う所があるようじゃな?六郎」

「私では力不足、母上様のような大王が平定し、導かねばこの地は100年同じ事を繰り返すだけです」

「そう、思うか?」


中央東城が見えて来た。

「·····潰すには惜しい城じゃな、破壊せず中だけ空にするか、ちょっと面倒じゃ」

「過去に戦国武将でも転移したのでしょう、姫路城を小さくした感じ綺麗ですね」

「奈緒、出番が無くて退屈じゃろう?チャイ達が得意として居るが、本家闇神術使って盂羅達と制覇してみるか?」

「はい!!!殺ります!!!!!」


「マンバ様のご指名頂いた!!盂羅!!鬼属共!!!やっと出番だ!!気張って行くぞ!!!」

「「「「「おぅーーーーーっ!!!」」」」」

(奈緒、殺りますって、マジ魔王っぽくなったのぅ!!)


「宝物に罪は無い!城内の貴重品を破壊するな!!!!!」

「姐さん、承知してる!!!者共!!宝物金貨残さず架空袋回収だ!!!」

「「「「「おぅーーーーっ!!!!!」」」」」

「城の制覇が優先だぞ!!!」

「分かってるって、姐さん!!」

(任せて、大丈夫かよ?)


城下に降り立った。

軍勢が突然現れて、住民は右往左往して居る。

盂羅に鬼属、全員揃いの黒革鎧胸に魔の文字が入って居る、確かに恐ろしい鬼の外見、異様な軍勢じゃな。


「者共!!行くぞ!!!」

「「「「「魔王様に続けぇ!!!!!」」」」」

(奈緒王だよ·····)


魔王軍精鋭が城を目指した。

残りの過剰な軍勢が城下を制圧、殆ど抵抗が無く、瞬時の占領じゃった。



「マンバ様城の全制圧終了です!!城内一人として残って居りません!!!」

「もう済んだのか?早かったのぅ!!」

「闇からの攻撃です、見えない相手に、敵全員何が起こって居るか、分からなかったでしょう、城主にのみ姿を見せて「マンバ神様に仇なす輩、地獄に落ちろ!!」と言って、首を千切ってやりました」

「わしの踏破は知らんと思うぞ、ゼンドだったか、あの無能王を攻める気で居ったのではないか?」

「そう?かも知れませんが、滅んだ王は悪!勝った私が絶体の正義です」

ふんすっと鼻息の荒い奈緒ちゃん、なんか魔王っぽい発言だね。


「奈緒、哲の事じゃが、大丈夫か?心此処に非ずって感じで、戦闘もチャイ達に任せっぱなしだった」

「あはっ!哲の奴心配なんでしょう!!」

「何か心配事が有るのか?」

「お姉ちゃんからすると、ちょっとって感じだけど·····おめでたなの」

「おめでた?」

「チャミにチャシが居ないでしょ?」

「まさか!!」

「そう!哲がやらかした」

「マジ?」

「マジ!二人揃って、もうすぐ出産!」

「なぁ~~っ!!テツのくせにぃ!!!あのマセガキィ!!!」


呆れた。

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