第55話 いっすん豆コロ村

「大王様ぁ!!!会いたかったよぅ」

「豆助息災であったか?」

「山姥大王様、お久し振りであります!!背の目の旦那、相変わらず大王様にべったりですな!!」

「ホウシか、元気そうで良かった!!誰も居らんようになって、絶滅したと思って居った」

「「山姥大王様!!見慣れないお供を引き連れてお出でだ!!」」

「そうじゃ!!紹介しよう、新しく眷属になった、この子達は、ドラゴン属のオロチ、ケトシ属のチトセ、クーシ属のクミ、それに向の世界では女の敵でクズ、ピクシー属に化けて居るが、スライムのスラッピじゃ」

「マンバ様?僕だけ紹介酷くない?」


「変なのも居るようですが、強さがビンビン伝わって来る!!良いお仲間が出来たようで、安心しました」

「その通り!!母様はこの世界僅か1年で、2大陸1亜大陸の大王様になられた!!!」

「「「「おうっ!!流石山姥大王様だ!!!」」」」

無条件で崇め称える者達、くすぐったくも有り、「わしに対してなら当然」とも思う、一寸ちょっと傲慢ごうまんなマンバでした。



「引き隠るな!!外で暮らせ!!」

わしの提案で、3種族一緒の村に住む事になった。

「3種族で助け合えば、慣れない世界でも安心であろう」

「山姥大王様?改めて見ると、ずいぶん容姿が変わられました?」

「「本当だ!!本質が変わってないので、気付かんかった」」

「今はマンバと名乗って居る」


3種族の違いは、一目瞭然いちもくりょうぜんじゃが·····ポンチコミックじゃ無いから見えんか。

コロボックルは身長5~10センチ男女共にコロコロ太って居る、男は殆どの者が口髭くちひげ顎髭あごひげをはやしておる。

豆小僧は、身長は同じ位で、男女共に頭髪が無いツルツル。

頭でっかちマッチの棒体型じゃ。

一寸法師じゃが、凄く小さいと言う意味の名前で、一寸3センチでは無い、3種族では最大の15センチ位の身長じゃ、寸で言うと5寸じゃな。

男女共に、長髪を後頭部で纏めた、ちょん髷にして居る·····そうじゃ!「ぽにいてえる」と言ったかのう。

普通の人を1/10に縮小した、見目の良い種族で、明治政府文部省が童話にでっち上げた位、男女共に綺麗じゃな。


余談じゃが、明治文部省のでっち上げ童話と言うと、もっとも酷いのが桃太郎じゃ!!

文部省でっち上げ以前に、伝わって居ったのは。

{{天界の桃の木、千年に1度ヤタガラスがつつき、落ちて流れた桃を洗濯して居った、婆さんが拾う、爺さん婆さん美味しく桃を頂き、天界の桃の効果で若返った二人、ズッコンバッコン頑張って、桃太郎が産まれた}}

と言うのが、正しいお話じゃ。

大きな桃については、桃太郎が入って居る事を想定した、辻褄合わせかのう。


「え~と、マンバ様?」

「お主は?ホシちゃんか?」

「はい!!大王様は凄く変わられましたが、私は変わらずホシです」

「ホシちゃんは、変わらず綺麗じゃな!!」

「大王様、冗談は兎も角、「町並みも全て転移して貰え」と、天照様がおっしゃって居られました」

「建物ごと転移か?」

「天照様が、「山姥なら出来る」と」

「·····」

(無理ぃ!!出来ん!じゃが·····出来んでは、大王の沽券に関わる·····精霊王国で助っ人を募るか·····)


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