第52話 スライムのスラッピ
目が覚めたはずが、辺りは真っ暗だった。
「ボクハ·····エ~~ト ア ト ミ ヤ ハ ル キ·····
モウ少シデ、駅前デ、見カケタ、美少女ノ、ブラト、パンツガ、ツカメル」
その後の事が、思い出せない·····植木に登って、干してる素敵な洗濯物無理に手を伸ばして·····枝がバキって·····転落死したのか。
「ボクハ、死ンダノカ?ソレデ暗イノカ?」
意識が消滅しそうな瞬間、僕の体に何かが飛び込んで来た。
凄く美味しく感じた「辺りが見える!!!」
スライムに転生し、餓死寸前に50センチの、化けバッタを補食、転生者晴輝の能力発動、化けバッタに変身出来た瞬間である。
冒険心溢れる悪がき達が、1の神三合目のダンジョンを見つけて、入って行った。
草原のバッタを取り込み、バッタに変身出来るようになった晴輝(転生スライム)は、初めて見た人間に、興奮して話しかけた。
「ニンゲンサン、ココハ、アブナイヨ!!!」
話すバッタに驚き、子供は逃げて行った、スライムの巣に向かって。
「ソッチハキケン!!!」
折角会えた人達が、スライムに呑み込まれて行く、嬉しさに不用意に話し掛けた自分を悔やんだ。
片腕を食べられ、ショック死した男の子、原形を留めた死骸は一体のみだった。
晴輝は迷った末に、死骸を呑み込んだ。
スライム晴輝は、ピクシーに変身出来るようになった。
最下層に転生させられたクズでも、地球にいた霊、スライムになっても、この世界では規格外だ。
スライム晴輝は思い出した、必ず仲間になれる呪文「ボク、ワルイスライムジャ、ナイヨ」を。
今度人に会えたならば、失敗しないぞ!!!
「後宮晴輝だぁ、ならわしはマチコか?無駄に格好良い名前!!お前なんかスラッピで良い!!」
マンバの一言で、スライム晴輝は、スラッピと命名された。
スラッピ、前世ではクズでも、この世界では悪事を働いて居ない、もっともスライムのダンジョンでは何も出来なかったのが当然ではある。
今後もマンバの言い付けを守る事を前提に、同行を許された。
変身するのが大変なだけで、ピクシーの姿を維持するのに何ら問題は無いそう、少年の姿でスラッピはついて来ておる。
この迷宮で生きていたスラッピ、案内役には持ってこいだ。
草原の分かり難い所に、他の階層に行く入り口があり、スラッピの案内で難無く入る事が出来た。
軽い眩暈が起こり、目の前には石壁の広い通路が続く。
石壁全体が、淡い光を発光しいて、意外と明るい通路じゃ。
「やっと迷宮らしくなったのう!!」
「母様、ダンジョンと言うのが理解出来て居りませんが、この後何が起きるのですか?」
「スラッピ!この階層は何が現れる??」
「初めて来たので、分かりません」
「使えん奴じゃな」
「背の目とわしが先頭、クミとスラッピが中、オロチとチトセは後ろを注意して!!」
「行くぞ!!!」「「「「「はい!!!」」」」」
少し開けた場所に出た。
天井も高いが、床も発光していて、薄暗い感じはない。
何かフラフラ飛んで居る、コウモリか?
「氷雨の矢!!」
コウモリは消えて、銀の塊を残した。
「皆、コウモリは銀を残すぞ!!」
「「「「「おーーー!!!」」」」」
コウモリが可哀想なくらい、現れると即瞬殺されておる。
落とすのは、親指の爪位の銀と銅の塊が半々だ。
吸血コウモリは、其なりに恐ろしいモンスターじゃが、相手が悪い、今まで攻撃が出来ずウズウズしておったクミが、人間ミサイルのごとく飛び、叩き落としておる。
スラッピは、ピクシーの形態でもバッタの跳躍でコウモリを喰っておる、その内跳躍が面倒になったようで、コウモリに変身して飛びながら、コウモリを食い散らかして行く。
飛び回るクミとスラッピが邪魔で、わしらは攻撃出来んようになって、眺めるだけになった。
スラッピは飛び回りながらコウモリを喰い、銀と銅の塊をボテボテ落としておる。
まるでウンチのようじゃが、そう思うのは、わしだけじゃ無いようじゃ、オロチやチトセ、背の目まで銀塊を拾わん。
··········退屈じゃ。
「背の目、二人の護衛をしてくれ、わしはこの先の様子を見て来る」
「母様、気を付けて!!」
スライム草原と同じ、このダンジョンはコウモリしか出んのか!!
と思っておると、出た出た!緑の小鬼、ゴブリンじゃな!!!
これこれ!ダンジョンと言えば、スライムにゴブリン、定番じゃ!!
念のため、一体倒して見た「金塊じゃ!!」
ゴブリンは金塊を残し消滅した。
「皆、この先に金塊を落とす、緑の小鬼が居るぞ!!!」
「ゴブリンって殺って良いの?」
「ダンジョン内のモンスターは、ポップして来るから、気兼ね無く殺戮して良いぞ!!」
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