第50話 ベラリカ亜大陸
女神ベラ王女の島が、セノメでは具合が悪い、背の目は快く改名に応じてくれた。
改名、ベラ大島じゃ。
ベラは大喜びした。
奴隷にされ無茶苦茶にされそうな所を救われて、眷族になれただけでも幸せなのに、女王になり島に自分の名が付いた。「夢を観ているようです!!」
べらの正直な気持ちじゃろう。
巨大な火山「1の神」に皆で向かっておる。
森林は上空からでは、地上を見渡せん、見えるのは緑の葉っぱばっかじゃ。
所々気が向くと降りて、探索する。
1度2メートルの熊、かな?角があるが、熊じゃ。
に、遭遇したが、臆病な奴で、わしらを見ると一目散に逃げて行った。
この島の最大脅威は、チビ犬どものようじゃ。
100~150センチで、個体により角が生えとるが、チビ犬じゃ。
出会う度に、ベラ達に使役の練習をさせる。
「良いか?押さえ浸けるような、威圧を込めて「お座り!!」」
「こうすれば、一瞬で使役出来る、確認の為「伏せ!服従!!」」
「寝転んで、腹を見せたら、使役完了じゃ」
ベラは、相変わらず、教えると即出来る、教え概が有るのか無いのか。
次に出来たのが、ピクシーのリカじゃった、可愛い極小コンビが、簡単に狂暴な野犬を使役する、なんか不思議な光景じゃ。
ベラとリカが、使役した野犬に乗って行くと言い出した。
6~70センチしかない二人じゃ、チビ犬も負担では無いじゃろう。
飛んだ方が楽なのに、ベラは犬に「カケル」と名付け、リカは「チョビン」と名付け、颯爽と騎乗し駆けて行った。
オロチにチトセにクミも、使役に成功したが、自分より小さい犬に乗る事が出来ず、残念そうじゃ。
上空からでは、全く見えなんだ、ベラとリカの気紛れが無かったら、素通りしておった。
熊か野犬に襲われたようじゃが、100センチ有る無しのイノシシの群が、暴走しておるのを、リカが見つけた。
群は20頭程じゃ。
この島の生物は、全てが小型じゃな。
暴走の行く先、木々に隠れた、小さな草の家が数軒みえる。
家のサイズは、カケルに私が乗った位の高さ。
「小さな家が潰される!!」
リカとベラは飛び降り、「「暴走を止めろ!!」」
カケルとチョビンに命令した。
二匹は暴走の先頭に襲いかかった。
イノシシは何匹か食い殺されると、暴走は向きを変えて走り去って行った。
3匹、はぐれたイノシシが、集落に向かって突進して来た。
鎌鼬で首を切り落とされたイノシシは、それでも勢いのまま首無しで進み、家の手前で転がった。
笑顔でハイタッチの二人。
「ベラちゃん、お疲れ!!」
「楽勝だったね、リカちゃん」
家の中で一部始終を見ていた村人が、恐る恐る出てきて、リカとベラに平伏した。
神術のインパクトは、ここでも絶大だった。
「「「有り難う御座います!!!」」」「「村が全滅する所でした!!」」
小さな老人が、平伏から頭を上げて「貴女様方は何方ですじゃ??」
ハープ族とピクシー族の、少女に見える二人に、不思議そうに言った。
「私はハープ族の女神女王ベラ」「私はマンバ神様の眷族ピクシー族のリカ」
マンバ神様が言ってた、名乗りのインパクトは大切だと、だから大業に言ちゃった。
「「「「御使い、ピクシーの女神様!!!」」」」
「リカ様、村を、ピクシー族をお救い下さり、有り難う御座います!!」
(うんうん、私もベラちゃんとお揃い、女神様だって、えへへっ)
カケルとチョビンが帰って来て、二人の横でお座りした。
「「良くやった!!」」頭をなぜて労う。
ピクシー達は、野犬に驚き、逃げ出そうとしたが、リカに甘える姿を見て、更に頭を地面にこすりつけた。
マンバ神様達が降りて来た。
空から巨人が降りて来た!!今度こそピクシー達は逃げ出した。
「皆!怖れる事は無い!!!マンバ神様と私と同じ眷族達です!!」
リカの声で、ピクシー達が恐る恐る帰って来た。
イノシシ、(ピクシー達はウリボウと呼んでる)の肉はご馳走と聞き、宴が繰り広げられた。
塩とニンニクを、刷り込んだだけの肉じゃが、焼けて旨そうな匂いが充満して居る。
数年に1度、食べれるかどうかのご馳走を、腹一杯ご馳走してもらい、狂暴な野犬を使役し、奇跡の神術を駆使するリカを、ピクシー達は敬い、導いて欲しいと訴えた。
「御使いリカ様、女王になって我らを、お導き下さい!!!」
マンバ神様とベラの、話を聞いていたリカは。
「村長、貴方の名は?」「神の使徒リカ様、私めはゼムです」
「ゼムさんを、代官に任命します」「はい!!!」
「私が女王として、指示を与え、代官のゼムさんが直接指導するよう命じます」
「はっ!逢瀬のままに!!!」
「代官ゼム、村の全員子供も、皆この広場に集合させて」
ゼムは、近くに居る村人に命令した。
「全員呼んで来い!!」
20人が駆けて行った。
ガヤガヤ話ながら、50人程の老若男女のピクシーが集まって来た。
「私は、皆の希望により、女王になった、マンバ神様の眷族のリカです。
ピクシーの私は皆と同じ、弱く無力な存在だった、私は、けっして特別な存在では無い」
「皆に問う!!小人のピクシーは無力か?ハープ族のような翼が無いピクシーは空を飛べ無い?それは誰が決めた!!」
「皆見ていろ!!」
私は、転がっていた丸太、直径が私の身長、長さ2メートルを持ち上げ上空に、放り投げた。
「「「「「おぅーーー!!!」」」」」
空かさず、鎌鼬連射で切り刻む、丸太が粉々になり降ってくる。
更に、空に飛び立った。
「「「「「あっあーーー!!!」」」」」
「皆!!ピクシーは強くなれる!!空も飛べる!!!」
皆の目がキラキラしてる。
子供達は、希望に満ち溢れる笑顔だ。
「皆も、マンバ神様の加護と指導を受けると、神術が使える!!」
「強く有能なピクシーになれ!!!」
リカの演説は続く、凄い指導者の素質じゃ。
島の名をまた変えねば、「ベラリカ亜大陸」と改名する。
リカがピクシー達に指示を与えて居る内に、わし達は村を取り巻く、頑丈な防壁を造ってやった。
村の家の軒先全てに、塩水に浸した、ウリボウの肉が吊るされた。
干し肉作りじゃ。
簡単に、丸太を組んだだけじゃが、村の奥に、リカの居城を建ててやった。
リカが、ピクシーの子供達と、希望者を連れて来た。
「マンバ神様、皆に加護と指導を、お願いします」
資質を見る、ピクシーは風か。
「今、風が吹いて居る、ちょっときつ目の風じゃ、感じるじゃろう?」
「·····そうじゃな、皆深呼吸して見ろ、吸って~吐いて~」
「今、皆が呼吸したのが空気じゃ、空気は何処にでもある、風は動いて居る空気じゃ」
「皆の回りの空気を動かす、訓練を始める!!」
わしの説明に合わせ、リカが鎌鼬を実演して見せた、リカの前にある丸太が真っ二つに切れた。
子供達の数人が、前に置いた丸太にキズを付けた。
「偉いぞ!!君らは、それを繰り返し練習すると風の刃、鎌鼬になる」
半信半疑の大人の中にも、丸太にキズを付ける者が出て来た。
しばらく、繰り返し練習する内、子供達は全員、大人も何人か鎌鼬が射てるようになった。
「後は訓練在るのみじゃ、ここの全員、風を自由に扱えるようになる」
「勿論空を飛ぶ事も出来るぞ!!!」
「「「「「マンバ神様、有り難う御座いました!!!」」」」」
精霊種は、本当に神術習得優秀じゃ。
ピクシーの王国が建国された。
噂を聞き付け、小集団で隠れ住むピクシー族が、王国に集まって来た。
「安全平穏に暮らせる、ピクシーによるピクシーの為の王国にして行こう!!」
リカが演説の最後を締め括った言葉である。
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