第三章 ベラリカ亜大陸

第48話 南半球に向けて

妖怪の大王として、日本中の妖怪、物の化を配下に置き、君臨していた山姥。

妖術妖力は、神に近付く強力な物で、配下と強力すれば、天界すら滅ぼせる勢いに、脅威を感じた天照大神達神々が、山姥を密かに天界に拉致し、500年の浄化の刑に処した。


孫の小助との約束「どんな事をしてでも生き抜く」を守り、三途の川の鬼達との会話を続け知識を得、執念で霊的意識を手放さないで500年過ごした。


呆れた神々は、山姥が何をしようと影響の無い、最低辺の無神世界に転生させた。

霊的最上階で、神に近付く能力だった山姥は、最低辺の無神世界で、自覚は無いが神として転生した。


人では無い自覚のある山姥は、便宜上邪神のような者と、家族になった人々に説明する。

マンバ神と名乗りながら、神の自覚の無いマンバが、無神世界を好き放題に変えて行く。

マンバは、この世界の神が、故意にやって居ると勘違いしているが、無神の世界は時々綻びが出来、自然に綻びは消えるが、希に運悪く落ちて来る者がいる。

出会った転移者達と神の大陸統一を謀る。


神の大陸全土を征覇したマンバは、転移者の子孫高田和真と、転移者の三重姉弟をお供に精霊大陸に飛ぶ。

精霊大陸には、マンバを追いかけて来た、異界渡り能力者大多羅と、マンバの養子背の目、鬼の盂羅達、かつての配下が待っていた。


人類至上主義者達に、奴隷にされていた、精霊族に神術や精霊魔法を修得させながら、皆の強力でマンバは、精霊大陸も制覇した。

事後処理も殆んど終わり最後の一人、行方不明の猫又を探しに、南半球大陸に行く決意を固める。



背の目の怒りを買い、見放された旧セノメ国王は、国民の殆んどが精霊王国に移住した、国を維持できなくなり、一月持たず消滅した。

セノメ国王は、主要な建物を巨大大多羅サイズに合わせており、跡地利用として鉱石採掘の為、住居に適さなくなったドラゴン山脈から、ドラゴン族を移住させた。

国王はオロチの弟フラウが即位、ハクやスバル達が未熟な王を助け、建国となった。

インドゾウ並にデカイ、クロ達の犬小屋も、勿論ここにある。


戦犯審議で、王族高官軍関係者を全て処刑、チョロマカシは統治者不在となった。

進駐していた、奈緒を女王に即位させ、盂羅と魔王軍による精霊大陸の警察国家、魔王国を建国させた。

「奈王国·····だよ」女王一人が別名で呼ぶ国になった。


何処までも、同行すると言う和真を説得、精霊大陸の実態を神の大陸、マンバ神王国の人達に報告任務を与え帰国させた。


統治能力の無い、グレイ王は自ら退位し代わりに、200人の0番隊を引き連れた哲が王に即位した。

王になっても、変わらずチャミ達と、いちゃつく哲ではあったが、其なりに善政しておる。



そろそろ頃合いじゃ、猫又を探しに行くぞ。

南半球行きを、皆に話すと、お供志願が続出した。


精霊大陸の安全と発展を考慮し、主要メンバーは同行員から外した。

同行者は、飛べる事、自らの身を守れ攻防に優れた者、厳選した結果、唯一大人に見える、我が子背の目にドラゴン族のオロチ、ピクシー族のリカにケトシ族のチトセ、ハーピー族のベラを選んだ。

それに血を吐く努力の末、手を繋げば飛べるようになった、わしより巧みな治癒をするクーシ族のクミも同行させる。

クミは飛べるとは言え、何処に飛んで行くか分からん程、全く飛行制御が出来ん、手を繋ぎ誘導が必要じゃ。




こっそり付いて来る者が出そうじゃ、準備は調った、気付かれぬ内に、取り合えず南に向けて飛び立った。

島は幾つかあり、休憩には事欠かん。

じゃが、困った大陸が見えん、完全に迷うたようじゃ。

四国位の大島に降り、対策を練る。

西に傾く太陽を、右に来るよう飛んだ、微妙にズレたか?

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