第46話 新大陸制覇

チョロマカシ帝国まで、バス旅行させる訳にも行かず、ルーマ王国に連れて行く事にする。

この速度で行けば、一日で到着する。

ルーマには、チャイやチャミ達0番隊とカズマがおる、この子達を任せても大丈夫じゃ。

ちょっとしたバス旅行に、皆喜んでおる。


途中昼食休憩じゃ、名は知らんが、ニンニクとわしが決めた物を刷り込み、塩焼きにした角猪の肉、架空袋から取り出し、切り分けて葉野菜で巻いて、皆に配ってやった。

旨そうに皆食うて居るので、大丈夫じゃろう、肉が喰えん者は居らんようじゃ。

蒸したイモも配ろうと思うたが、チビッ子ばかりじゃから、もう食えんそうじゃ。

120人程居るが、食料は少量で足りた。


腹ごなしに、神術の指導を少し。

鬼火がまだできん者、氷雨を修得しようとする者を軽く指導、リカとチトセ、ベラには鎌鼬をしっかり指導した。

チャイやチャミを彷彿とする、優秀な3人は難無く鎌鼬を修得し、更につむじ風、竜巻までも放てるようになった。

ここまで優秀なら、わしも欲が出た。

ベラは自前の翼で飛べる、リカとチトセに飛行を指導、ふらふらしながらも、飛行まで出来だした。

「わしを見つめて飛んでみろ!!」

わしの後を一直線に追って来る、ふらつきは一切無い、後ろ向きに飛びながら指導。

「慣れない内は、飛行中に見た方にふらつき飛んで行く、慣れるまで飛ぶ方向から目を逸らさない事じゃ!!」

ゆっくり旋回、皆の所に誘導し、ゆっくり着地して見せる、3人も同じように危なげ無く着地した。


眺めて居た皆が、リカとチトセに群がって行った「「「「どうやって飛ぶの??」」」」

飛行は魅力的じゃろう。


クーシ族5人以外は鬼火が使え出した、殆どの者はその上氷雨も。

可哀想じゃが、種族が違う、ただこの5人感じの良い優しい子じゃ、ギラギラクーシとは思えん、何とかして遣りたい。


5人の中に一人だけ女の子が居る、この子に集中指導してみた。

理由は知らんが、男より女の方が、神術をおぼえるのが何故か早い。

両手を繋ぎ、神力で無く、気を右から左に送ってみる、(魔力かも知れんが、気じゃ!!)これは上手く行ったようで、気をしっかり意識出来たようじゃ。

女の子ちゃんに、気を体内に巡らせたり、一点に放出させたり、色々やらせた。

男の子君4人も見て真似て、感じは掴んで居るよう。

ここまで出来たら、しめたもの。

精霊魔法の風刃ように、過程は違うが結果は鎌鼬と同じ気の刃じゃ。

男の子君は、威力の弱い気の遠当てが出来て居る。


女の子ちゃん、白い垂れ耳が可愛い、名前はクミ、気を纏う身体強化も覚えた。

元は6人居て、奴隷商に捕まる時、噛みついたり、必死で皆を守ろうとして殺された、お姉さんが居たそう。


何を試しても、全く出来なかったクーシが、やっと出来た術、5人が泣きながらお礼を言っておった。

5人の方が、わしよりデカイ、抱き締めてやる事は出来んが、頭や背中をなぜてやった。

少し落ち着いて話をすると、

「私達マンバ様の真似をずっとしてて、草をもみもみグチャグチャして、傷を治すの、あれは出来たけど、戦う術が何にも出来ず、悔しかった」

「何ですとぉ!!!治癒の光神術が出来るって?」

「うん·····」

「それを早く言わんか!お前達凄いぞ!!治癒は誰も修得出来て居らん」

「でも、戦えない·····」

「戦えんでも、傷ついた誰かを助けられる、威張って良い!!お前達は凄いぞ!!!」

5人の、心からの笑顔がみられた。


心残り無く、皆をルーマ王国に送り届ける事が出来た。

「カズマ、この子達は全員神術か気を使える、0番隊の訓練に参加させてやって」

「クミ達クーシ族は治癒の光神術が使える、医療隊を新設出来るぞ!!」

わしの言葉に、5人は更に嬉しそうに、笑顔がこぼれる。

(白い子やピクシー族なら分かるが、クーシが光神術を使えるとは意外じゃった)


「チャイに頼んでみます、マンバ様、この後の予定は?」

「チョロマカシを滅ぼしに行って来る」

「マンバ様、たまには私もお供させて下さい」

「アッカの跡地やグレイは大丈夫か?」

「軍隊の仕事は有りません!」

「じゃ、行くか」「はい!!!お供します」


無意識に、出来る限り一人で行動し、誰も危険な目に逢わないようにしていたようじゃ。

ヤンを、死なせてしもうた事が、いまだに尾を引いておる。


「マンバ神様、僕達も、お供しちゃダメ?」

チャイ達が、仲間になりたそうに見ておる。

「ダメじゃ無いが·····大勢は連れて行かんぞ、精霊族自ら権利を勝ち取るのは、良い事じゃが」

「「「はい!!」」」

ありゃ?また3人の声、リカとチトセそれにベラか。

「しょうの無い子達じゃ、飛びながら何か攻撃が出来たなら、連れて行く」

チャイも同行する事じゃ、実地訓練にちょうど良いか。


翼で飛べるベラ以外、飛行中攻撃は出来なんだ、鬼火で攻撃しようとすると、飛行が出来なくなり墜落しそうになる。

2つ以上神術を同時に使うのは、地道な訓練が必要じゃ、たとえ超天才でもすぐには出来んはず。

今まで考えた事も無かった、不思議な事が出来だして、有頂天になっておる子達、自分の未熟さに気付いてもらう為の無理課題、出来んからと同行を拒むつもりはない。



良い息抜きが出来た、さて不毛な作業に向かうとするか。

同行者は、カズマ、チャイ、チャミ、チイトそれにリカとチトセ、ベラ、飛べんので迷うたが、従軍医療隊の今後を考え、クミも連れて行く。

クミは大勢の中から、わしに直接選ばれた喜びを隠そうともせず、ピョンピョン跳ねておる、偏見も消え去るクーシも可愛いのう。


クミの身長は160程、180のカズマが背負って飛ぶ事になった。

南に向けて、一斉に飛び立った。


新大陸最南端に、チョロマカシ帝国は位置する。

勝手に宣言して居るだけじゃが、ここいら辺からチョロマカシだそうじゃ。


国境を守る砦が見えた、高度50まで降下、警備兵の準備が整ったようで、一斉に射掛けて来た。

わしは、鬼火防壁を貼る。

薄い鬼火の防壁じゃが、一本の矢も通過出来ず、燃えて消滅した。

「各自出来る攻撃、始め!!」

わしは攻撃せず、皆の攻撃を見る。

肉弾戦法だけで無く、矢のような細い攻撃をするカズマの鬼火、落ちると爆散しておる。

チャイ、チャミ、チイトの3人は効果的な、風で薙ぎ払っておる。

ベラは氷の塊を落としてる、50メートル上空から数キロの塊を落とす、楽で効果的な攻撃じゃ。

クミの攻撃も届いておる、ポスンポスンと一人ずつじゃが、確実に倒して行く。

「攻撃止め!!」

全滅させたか?

仕上げは派手に!「鬼火大!!」完全焼却終了!


集落村落は無視して良い、権力に対し服従するよう飼い慣らされておる。

統治者が、わしに代わっても、よほど悪政せん限り服従するじゃろう。


チョロマカシ城が見えて来た。

ここまで5ヶ所の砦を消滅させた。

早馬が脱け出したのは、見逃してやった。

城に情報は届いて居るじゃろう。


上空から、風に乗せてメッセージを送る、わしの声が城下町全体に響き渡った。

「わしは、マンバ神、この精霊大陸を統一させる者」

「チョロマカシ皇帝に告げる!!神罰で消滅するか、無条件降伏するか、どちらか選べ!!!」「降伏であれば黄色い旗を揚げよ!!!」


暫く待つと、黄色い旗が揚がった、風にパタパタなびいて居る。

城門内に着地「武装解除せよ!!」「武装しておる者は敵対行為と見なし消滅させる!!!」

2~3人見せ締めで焼却すると、我先に武器を投げ出した。

皇帝の間に、妨害無く到着。

皇帝一族30名、大臣高官50名、将軍3名と指揮官20名、計103名を戦犯審議まで投獄、チャイに全員飛行出来る軍隊、ナオと魔王軍を呼びに行かせた。


事後処理は山程有って面倒じゃが、これでほぼ統一終了!


猫又、背の目の話では、行く先は南半球の大陸じゃ。

「100年間待たせてスマン猫又、心細い思いをしておるじゃろう、必ず見つけてやる待ってろ!!」

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