第45話 ダーク王国

小柄な者が多く、其ほど多く見えないが、全員で100人超えておるようじゃ。

ケトシ族が圧倒的に多い5~60人居る、ホビット族も多いが30人程じゃのぅ、ピクシー族が12人、獣人クーシ族が5人か、首に鱗の謎種族一人と、髪も身体も真っ白の少女一人、瞳は綺麗な緑色じゃから、アルビノじゃ無いだろう、二人に種族名聞いても他の人も、誰も知らんとは。


酷い性的暴行を受けたケトシ少女は、わしより同族に預けた方が、気が休まるじゃろう、身体は治せても心のケアは、わしには出来ん。

気遣ってやると健気に

「マンバ様が、あの男をヤッツケテ下さって、少し気が晴れました」

と言ってくれた、名はチトセと言っておった、和風の黒目黒髪は初見じゃ。


これで全員か、ナイチで53人じゃから、多い位か、待てよ奴隷商ってどこじゃ?

「誰か、奴隷商どこにあるか、案内してくれぬか」

「マンバ様こっち」「リカ知ってるのか?」

「最近まで奴隷商に居たの」


これは分かり難い、ここまで奥まった店は、普通では商売に向かん立地じゃ。

ここに来るまで、ケトシ族3人を解放出来た。

「他の人はここで待機してて」

わしはリカと奴隷商に入った。


奴隷商の親父がジロリにらむ。

「おい!店主ここに奴隷は何人おる?」

「大人になってから来い!」

「愛想の良い奴隷商も気持ちが悪いが、無愛想にも程があるのぅ!!」


「勝手に見て回る、邪魔はするな、リカどっちだ?」

と、言ったのに、回り込んで邪魔をしよる。

気持ち悪い親父に、触りたく無いので氷雨で凍結させ、先を進む。


「高く売れそうな奴隷は上の部屋で、安い奴隷は地下の牢に入れられてる」


「奴隷になるか、嬢ちゃん」

奥から用心棒の、ゴロツキが5人あらわれた。

高速瞬殺、通り過ぎて、しばらくして5人が崩れ落ちた。

流血で汚さんよう、軽く喉を突き、喉仏と頚骨を砕いてやった。

「もう邪魔は居らんか?」

「マンバ様、部屋に一人ずつ監視人居るよ」


二階に5部屋、最初の部屋は空、次の部屋も空、高額奴隷は手に入りにくいって事かのぅ。

「ここに私が入ってた」

3部屋目も空、無造作に4部屋目を開ける、居眠り熊が居た、むさ苦しい髭のデブ、見た瞬間首を落とす。

「キャー誰?」

純白に緑の瞳の少女が悲鳴をあげた。

「怪しいと思うけど、助けに来た」

「マンバ様は良い人よ!」リカのフォローで、警戒を解いたよう。

「付いて来て」


最後の部屋を開ける、空かと思ったが、奥のベッドのシーツが膨らんでる。

「コビトさん大丈夫、マンバ様が助けに来てくれたよ!」

シーツから可愛い顔が覗いてる。

リカよりもっと小さいピクシーが出てきた。

「付いて来て、3階に居る奴隷を助けに行く」

3階に上がる。

5部屋順に開けて行く、3部屋目にのみ監視人と奴隷が居た。

奴隷は全裸で拘束され調教?中のようだ、無我夢中の監視人はわし達に全く気付かん、後ろから首に腕を回し、ボキィ!拘束されて居た奴隷は、幸い事の前のようで何とか無事。

「天使?」呟いたわしに、白い翼が背中に生えた金髪の小さな美少女が「天使違うハーピー族」


3階特別待遇の奴隷は、天使と見紛う見たことの無いレア種族だった。

あの監視人、ハーピーは可愛いが、こんなチビッ子に欲情するか?

拘束を解き「地下の奴隷を助けに行く、付いて来て!」

「あ、あのぅ、はい」「ん?何か気になる?」

「貴女は?」

「わるい、わしはマンバ神この子はピクシー族のリカ、後の二人は2階で助けた子」

「マンバ神様?」「そう!わしは、神様じゃ」

信じられない、と言った顔をしておるが、リカの後を付いて来て居る。

身長はリカより少し低い60センチ位か、真っ白の子が一番長身150センチ位。


それにしても解せん、あの監視人、ハーピーとサイズが違い過ぎる、どんなに粗チンでも入らんじゃろうにのう、そうか!入らんもんでモタモタしとって、お陰間に合うたってか?


地下には鉄格子の部屋に5人ケトシ族、次の鉄格子の部屋は3人のホビット族が入れられてる。

鉄格子を鬼火で消して救出。

監視人も居らん、無用心と思うたが、鉄格子付いておるから普通は逃げられないか。


11人か、以外と少なかったな。

「11人いる」って昔聞いた題名じゃな。

全員で外に出る。


何か賑やか、見ると数人の男が、待たせていた奴隷達を、追い回し捕まえようとしておる。

主人の居ない亜人は、見つけた者の物になるそうじゃ。

氷の針を跳ばし、4人の男を殺す。

「みんなごめん、怖い思いをさせたね!もう大丈夫」


大通りに出て、ダーク城に向け一直線。


これだけ騒ぎを起こせば、当然軍が動く、奴隷の反乱と勘違いしておる。

「反乱奴隷ども、皆殺しにしてやる」

50人程の兵が現れた。

「氷雨、凍結!!」

一瞬で凍結した兵を見て

「凄い!!神様凄い!!!」

広場の啖呵「神罰を降しに来た!」の時居た奴隷か?


「私うわさ聞いた、神様加護を与え、神術授ける」

「おぅ、それはマンバ神、わしの事じゃ」

リカとチトセが「「マンバ神様私に加護を!!」」

「二人には既に加護を与えた!骨折も裂けた傷も加護で治ったであろう」

「「あっ!·····神術は?」」

「授けて欲しいか?」「「是非!!!」」


前方に今度は100人程の兵が現れた、砂煙を上げながら走っておる。

「皆よ~く見ておれ、鬼火!!」

100人の兵が一斉に燃え上がった。

「「「「「凄い!!!」」」」」

「鬼火の初歩、皆目を瞑って思い画いて、火打石で··········」


リカとチトセは1度で出来た「鬼火出来てる、目を開けて」

拳から立ち上る炎を見て二人は大喜びじゃ。

素直な性格なんじゃな、ハーピー族の幼女も鬼火を出して居る。


繰り返す内に、何人か鬼火を出した。

「鬼火が出来た者は、繰り返せば威力が上がる、今出来ん者も落ち着いた場所で練習すると、出来るようになる」

(クーシ族は出来んかも知れんが)

じゃが、ここの5人のクーシは、奴隷にされたからじゃろうかギラギラして居らん、去勢でもされたか?


「練習は後からやって、城に行くぞ!」


大型蒸気バスを出して皆を乗せる、チッチャイ子が多いので、2人用シートに3~4人座れる為、全員乗ってもまだ余裕がある、釜に水を入れ火入れ、よし発車出来る。

初めて見るバスに、皆驚いて騒いでおる。


「精霊王国などで、普通に走らせておる乗り物じゃ、動かすぞ」

バスを走らせると歓声が起こった、振り返って見ると、皆子供のように喜んではしゃいでおる。


城壁前で停車「バスは頑丈じゃから、中に居れば安全じゃ、わしは城を空にしてくる」

「マンバ神様、空にするって?」

「ん?神罰降して、悪者を消して来る」

「「付いて行っちゃダメ?」」

リカとチトセが言っておる、鬼火の次の氷雨修得させるのに、都合が良いか?危険は無いじゃろう。

「付いて来るなら、わしの後から出ん事、隠れるように付いて来て!」

「「「はい!!」」」

あれ?声が多いぞ?振り替えるとハーピーも付いて来て居る、ま、良いか!


城門を蹴り砕いて進む、驚き固まる門番二人を殴る、二人の頭が弾け飛散した。

「今のは神術を体内に巡らせた、身体強化じゃ」


「3人鬼火が使え出した、次は氷雨を修得してくれ」

無用心みたいじゃが、歩きながら説明「雨が降るのは··········」

3人供素直な性格で水の蒸発、水蒸気が天に昇って冷えて水滴になり、雨が降るって考え、すんなり受け入れ、水を出す事も出来た。

「おっと、氷雨凍結!」

衛兵が10人飛び出して来た、瞬時に凍結、ガチャガチャ砕いた。


氷雨の初歩、水を出すのは皆出来たな、水をどんどん冷やして行くと氷になる。

「「「はい!」」」

「おぅ氷は解るか!」

「「「冬寒い日池の水が氷った」」」


「おっと、氷雨凍結」

また衛兵が邪魔をしよる、凍結して砕く。


「池の氷を思い出して、手の水を氷に変える!!」

ハーピーちゃん一人が出来た。

リカとチトセはてこずっておる。


「おっと凍結!!」

30人程の衛兵が凍り付いた、手前の凍った兵を力一杯ほうり投げる、ボーリングの要領30人の凍り付いた衛兵が一瞬で砕け散った。


「皆見てて、面倒だから一気にやる、氷雨凍結の強力なの」

「「「はい!!」」」

上に向けて。

「氷雨凍結強!!!」

上が全て凍結した。


「ハーピーちゃん、名前を聞いて無かった」

「えっ?あ、私、ベラ」

「早く人間になりたい?」「え?えぇ?」


順調に邪魔者を砕いて最上階、国王ダークと思われる、おっさん発見!!

この部屋の人間は、全員窓から投げ落として、制圧終了!!

3人の訓練に夢中で、殆んど無意識の内に終っておった。

ベラは勿論、リカとチトセも無事氷雨凍結まで出来るようになった。


これだけ、集中個人レッスンすれば、誰だって神術使え出す。

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