第42話 ルーマ開放

防衛軍0番隊は、有事に編成される特種部隊で、第0小隊とは神術精霊魔法の超天才のみで構成された、特別編成小隊である。


メンバーは、指揮官チャイ大隊長、副官チャミ第1中隊長、副官チイト第2中隊長、チシャ第1小隊長、チェリ第2小隊長、チャシ第3小隊長、チイカ第4小隊長、チラン第5小隊長、チョモ第6小隊長、チョム第7小隊長。

普通編成では、全員指揮官である。

全員が同じ繋ぎの戦闘服に、ベルト左側に短剣を装備している。

短剣の柄の部分に0の刻印、0番隊の隊員の証しで、武器としては使用しない。

隊員が増える事を想定し、私服の隠密行動時、互いを認識する身分証として用意した。



盾奴隷にされていた子供達は、全員入隊を希望だが、ケトシ族と言うだけでは、入隊は許可されなかった。

あの、転移による瞬間救出に、強く憧れる子供達は必用に食い下がった。

仕方なく、今は見習い隊員として訓練を受けさせている。

チャイやチャミ達、優秀な教官が指導しても、予想通り神術が使え出す者は現れ無かった。

が、リチルとリチラのみが、小さな鬼火を発動して眷族の可能性をみせた。


チャイとチャミは、他の多くのケトシ族と、リチルとリチラの違いを真剣に討議した。

結論は単純だった、自分達も強烈に身に覚えがある、マンバ神様とのふれ合いの如何による現象だ。

原因は判明したが、かと言ってマンバ神様に、ケトシ族や他の聖霊種の面倒を見てとは言えない。


ルーマ開放作戦の為、問題は据え置きされた。


アーム将軍率いる開放軍が、チスナ帝国に向けて進軍後、一日遅れで第0小隊が飛び立った。

時差調節ドンピシャ、開放軍がチスナ帝国防壁到着と同時に合流した。

開放軍は、正門から、第0小隊は上空をチスナ皇帝の城に向かう。


アーム将軍が中央広場に到着、隊員が住民を召集「これから重大発表がある!!!」アーム将軍の演説が始まった。

その頃、第0小隊はナオとテツの得意技、影に溶け込む闇の神術を実行し、チスナ城制圧を開始した。

チイトとチラン、チョモにチョムは闇精霊魔法、現象は同じだが、課程が違うのでそう呼んでいる。

飛びながら、城に到着しても、ギリギリまでチシャとチェリと、いちゃついて居たテツはナオに頭を叩かれ、渋々最上階に向かった。



チスナ皇帝は、以外に若かった。

「世界平和の為、貴方は退場して貰う」

ナオの宣言に初めて存在を認識した、チスナ皇帝は狼狽えて、上ずった声で叫んだ。

「な、何者だ!!ふ、不審者!!衛兵!!!!」

と、叫んで、首が転がって行った。

ナオとテツは、その場を動いていない、無差別連続鎌鼬でその場の全員、胴と首が別れて転がった。

鎮圧終了の合図、チスナ帝国旗を下げ、旧ルーマ王国の国旗を翻した。


チャイ達は影からの、無音の攻撃で衛兵のみを攻撃、制覇して最上階でナオとテツに合流した。

チャイ達ケトシ族の初陣は、大人が赤ちゃんを、くびり殺すような一方的な戦闘だった。


城の旗を見上げた、アーム将軍は演説を始めた。

「諸君!!本日唯今を持って、この国はルーマ王国と成った!!」

「人類至上主義者のゴミムシどもは、粛正された!!!!!」

「私アーム-ストロング-ルーマが、新制ルーマ王国初代国王に即位する!!!」

信望のある、アーム将軍の演説に、群衆は歓喜に沸き立った。

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