第38話 ナオちゃん大暴れ

ナオの組とテツの組が、ケトシ族の集落に向け飛び立った。

カズマは、飛行鎌鼬が特に優れたチャシを連れて飛び立った、目指すは大森林湖の北、小数雑多民族の集落。

ケトシ達は、5人一組の9組に分け、建国予定地をくま無く調べて回る。

チイトは、神術が上手く使えないチョモ達3人に、精霊魔法を仕込んでみるそう。


わしと背の目は、城に出向き被害を調査。


宝石類、宝剣など、目ぼしい宝物は収納したが、金貨等のケトシ族に直ぐ役立つ物はそのまま残して置いた。

その金貨が殆んど無くなっておる!!

「やられた!!組織だった計画的な犯行じゃ!」

金貨はショボンヌに腐る程ある、奴隷商業で溜め込んだ千両箱の一部100個程収納しておる。

腐る程持って居るのが禍になったか、ぞんざいな扱い失敗じゃ!!


チイトの報告を受け、城に出向くまで5分位しか経っておらなんだはずじゃ、闇妖術か時空間妖術でも使わんかぎり、痕跡残す事無く、消えてしまうはずが無いぞ!!

わしら以外に神術を使う集団が近くに居ると言うことか?



森林の東側、テツとチシャチェリは一番近くの集落に降り立った。

空を飛ぶ訪問者の噂は届いていたようで、混乱無く村に受け入れられた。

いつでも旧ナイチ聖国に移住可能と告げ、次の村に向かう。

東側はケトシ族の集落が多く、チシャとチェリが同行しているためか、順調に進む。



東側でも少し奥まった位置にある、集落を目指したナオ達は、着陸体制に入った所を、矢による攻撃を受けた。

幸い当たる事は無かったが、突然の攻撃に温厚なナオでも怒りを覚えた。

急降下して、弓を構える数人を、殴り跳ばし蹴散らす!!

ナオの攻撃にひるむ事無く、200人程の男達が剣や槍で向かって来る。


「私はマンバ神の眷族三重奈緒!問答無用で殺そうとした賊共、殺されても文句を言うな!!!」


と言う間にも迫る男達。

「鎌鼬、竜巻!!」

100人程が、風に舞う木葉の如く吹き散った。

空かさず、瞬間移動に近いスピードで男達を殴り進む。

相手の剣を奪い切り進み、槍を奪って突き進む。

建物の陰から矢を射って来る者共は、体当たりし建物ごと吹き飛ばす。


返り血に紅く染まって鬼神の如く突き進むナオ。


チャイとチャミを襲おうとして居る、男達5人、一人を掴み、こん棒替わりに振り回し男達を叩き潰す。

見回して動いて居る者は、頭を蹴り飛ばして留目を差して行く。


「お嬢さん強いな!」

新な敵登場と、ナオは身構えた。

「問答無用で殺そうとした相手に、同じように相手しただけよ!」

「儂は盂羅、配下の敵討ち、お相手致す!!」


「ウラ?ウラ、ウラ、盂羅!!」

「どうにも止まらない、ような連呼するな!!」

「盂羅!山姥大王様の配下の盂羅か?」

「大王様を知って居るのか?」

「馬鹿か!!バカなの?私はその大王様の眷族だよ、名乗ったでしょ三重奈緒って」

「何ぃ!!!」

「背の目さんと大多羅さんは合流してる」

「背の目の旦那と大多羅が?」


「山姥大王様はこの地では、マンバ神と名乗られてる」

「マンバ神様?」

「貴方でしょ!昨夜マンバ神様の金貨くすねた賊は!!!」

「昨夜ナイチ聖国の宝物庫から金貨を強奪したが·····」

「ナイチ聖国はマンバ様が滅ぼされた!!今は跡地に精霊族が気兼ね無く暮らせる王国を造って居るよ!!」

「えぇーー何じゃとぉ!!!」


「マンバ様が言ってた、盂羅は強いが考えが足らん所があるって、バカなの!!!マンバ様の配下のくせに、マンバ様の邪魔をして!!!」

「め、面目無い!!マンバ様に謝りたい、執り成しを願えないか?ナオ姐さん!!」


「貴方飛べる?」

「いや、飛べん」

「100年何してたの?背の目さんも大多羅さんも飛行出来るよ!!」

「う、うっ面目無い!!」

「鎌鼬で竜巻起こせる?」

「おうっ出来るぞ!」

「自由自在に操れる?」

「おうっ出来いでか!!」

「ん?出来るの!!」

「はい」

「じゃ、飛び方教える!」

「アザっす姐さん!」

「竜巻を纏い、纏った竜巻を操る、見てて真似して」

「スッゲエこんな簡単に!飛べた!!姐さんすげぇよ!!!」


盂羅は、完全に切れたナオの、言いなり従順な舎弟になった。

正気に戻ったナオは、こんな恐ろしい顔をした盂羅を、良くも叱り衝ける事が出来たものと脚の震えが止まらなかった。

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