第19話 大陸中央の大王達

「邪神マンバじゃと?秘密では無いが、なぜそう呼ぶ??遠く離れた国の王が何故知っておる???」

「国を纏める者として、必要な情報をいち速く得るのは必須です」

「「「中央を維持する我らは、マンバ様をカスメ攻めの時から監視して居りました」」」

「随分前からじゃな!」

「カスメの卑劣な侵略、あの時降臨成されたのでしょう!!」

「其までのクロノ家のマンバ姫は利発ではあるが普通の人と報告が有りました」

「ふむ、情報通じゃな、その通りじゃ!!貴賓室に移動して、ゆっくり話そうぞ」

7歳の幼女にしか見えないマンバに、へり下るイケメン達、観ようによるとシュールじゃな!!



豪華な作りにも眉すら動かさず、無表情な3王は流石大物、強者の風格がある。

貴賓室には、金を張り付けた巨大な円卓を設置しておる。

身分の上下の扱いを、考える必要の無いようにとの配慮である。

じゃが、一応ドアから一番奥にわしが座る、右側にタカダ左側にナオ、テツが座り、ジン達近衛はわしの後ろに控える。


わしに対する位置に中原の王が座り両隣に他の王が座っておる。

そして彼らの従者がその後ろに控えておる。


わしから声を掛けるべきじゃな。

「自己紹介じゃが、ご存じの通り邪神マンバじゃ、こちらが大将軍タカダ、此方は腹心ナオとテツ」

「いずれも、わしが居った世界から来た者達じゃ」

「紹介痛み入る、私は中原の王セイン-セント」

右側を向き「此方は東国の王バル-イース」

紹介された王が「マンバ様お見知り置きを!」頷いて応える。

左側を向き「此方が西国の王サンゾ-ウエス」

同じく紹介された王が「マンバ様お見知り置きを!」同様に頷いて応える。


「マンバ様、同じ世界から来られたとは、そちらの方々も神で在らせられるのか?」

「ウエス王、彼等は神族では無い」

「あっマンバ様、サンゾで結構です!」

「では、サンゾ殿と呼ぶ事にする」

「私もバルとお呼び下さいマンバ様。それで、神族で無い同世界の人とは?」

東国王イースが聞いて来た。


「バル殿、王か王族以外この世界は名のみじゃから省略したが」

「タカダ-カズマ、ナオ-ミエ、テツ-ミエそれに」

近衛隊長を紹介「此方が、ジン-カズマ」

「わしの居た世界の人間は、身体の造りが頑強で、この世界の人くらい、素手で引き裂く事が出来る、詳しく理由は解らんが、霊の格が上位じゃからかのぅ」

初めて3王が、驚きを顔に表した。


「王に家臣が従う、これは王が権力を持って居るからで、裸になって殴り合うと、王より強い家臣は相当数居るであろう」

「それは確かに居るでしょう·····」

「しかしそれは心身を鍛練し、常に鍛えて居るから強いのじゃ」

「··········」

「そこのテツ、子供に見えるが」「ガキンチョに言われたくねぇ!!」

「テツ、公の場じゃ、少しは控えてくれ」

マンバをガキンチョ呼びするテツに、王達の表情が又動いた。

「同郷のテツじゃが、これも心身の出来、質がこの世界の人とは全く違う」

「気は心と言うが、頑強な霊は体にも影響を及ぼす」

「この世界の兵士が100人、完全装備で敵対しても、テツは楽々全滅させられる」

「ガキンチョ、100人の兵士はきついぞ!!」

「テツ、負けるか?」「楽々じゃ無いが勝てるぞ」


中原の王がおもむろに口を開いた。

「まず、マンバ様、私もセインとお呼び下さい」

「では、セイン殿とお呼びする」

「サンゾ王とバル王が質問したのは、マンバ様の側近の方々も異常にお強い、我々は勝手にマンバ様の眷族の神か、邪神マンバ様の加護を授けられた者達と思って居りました」

バル王が補足した。

「マンバ様と親しくなり、常に行動を共にすれば、超人に成れるとも思って居りました」

「バル殿、それについてのみ、肯定する。この世界の人でも、わしの側近を長時間勤めると霊の格が上がっておる、それに伴い身体的向上が観られた」

「ガキンチョ難しくて解り辛い!」

「そこのジン、それにテレス、セバの変化じゃ!」

タカダが驚いたように言った。

「マンバ様ジンがどうしました?」

「気付いて居らんか?今のジンは、タカダさんと同じ位の強さになって居る」

「えーーーーーっ」ジン自信も驚きの声をあげた。

「··········タカダの資質が無かった自分が·····」


3王が、声を揃え言った。

「「「マンバ様!!私セイン私バル私サンゾを家臣にお迎え下さい!!」」」

マンバ王国の傘下に入る為の訪問で在ったが、今一決断の出来ない3王でした。

どう転んでも邪神様には敵わない!!

家臣になるのは現状避けられ無いが、出来うるなら、英雄超人にして貰いたい!!どう言った方法なのか不明なのが躊躇ちゅうちょの理由だった。

話の経過から、望みが叶う可能性が有ると知り、即決の3王であった。

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