第18話 ロク帝国占領

デナ家討伐が呆気なく終り、シタチ領でやれる事も粗方終わったので、ロク帝国占領に向かう事にした。

ロク帝国は、銀鉱石等各種鉱石が採掘される、鉱山に囲まれた山以外は何もない国である。

しかしロク帝国は、採掘された鉱石を製錬し、優秀な武器に頑強な防具が生産され、其を装備した屈強な軍隊に護られた国である。


国は滅ぼしても、製錬施設に武器職人防具職人等、職人は保護しないと勿体ない!!

定例となった見学希望者、今回は人数制限され100人程が同行して来た。

初めの頃は、何か不測の事態に備え緊張していた見学希望者達も、完全に観光気分で付いて来ている。


更地になったデナ家跡地を通過、誰も気付かんので説明した。

「ここいら辺がデナ家が在った所じゃ!」

「「「「「「「えっーーーーー??」」」」」」」

「凍らせて焼却、消滅させて更地にした」

「「「「「··········」」」」」

「此れから滅ぼす、ロク帝国の住民用に食料生産地にする予定じゃ」

和やかに話をして居る内に林を通過、辺りは赤茶けた小石や岩だらけの、開けた場所に出た。


一つの集団が5~6人から10人の兵が、広範囲に散らばりゲリラ戦を仕掛けて来た。

「考えたのぅ」

「纏まって居れば一纏めに焼き滅ぼされると思い、小集団で散開岩陰に隠れ迎え討つか?」

と言いながら、大岩に隠れた、一番手前の10人の兵に襲いかかった!

コロ達も、やっと出番と、嬉しそうに銘々敵の集団に襲い掛かって居った。

この地は汚れても問題無い、存分に戦える!


架空袋から、小助刀を取り出し10人の喉を一瞬で切り裂いた。

(架空袋とは、河原の鬼達が話してくれた、青色タヌキの四次元ポケットじゃ。)

わしが、次の敵の集団に襲い掛かった頃に、喉から血を吹き出しながら、倒れて居った。

次の6人も一瞬で切り裂いた。

見物客はわしの動きが見えて居らん、今回は派手さも無く、詰まらん見学になったようじゃな。

一兵も残さず、蹴散らすコロ達は食い殺したり、踏み潰したりグロい光景じゃし、わしの方は突然兵達が血を吹き出し倒れる、次は何処を見たら良いか分からない内に、何処かの集団が倒れて居る。大岩に隠れて居るから余計見えにくいようじゃ。

見せ場が無かったかのぅ。


ロクの城攻めも個別撃破で行くので、城内で何が起こって居るか分からず、見物客もっと詰まらんかも。

何か、あっと驚く見せ場を作らんと··········。

あれっ?考え事してたらいつの間にか終ってた。

国境からロクの城下町まで、一面血の海と兵達の残骸で埋って居る。

金属回収奴隷が此処でも大活躍、金貨等も残らず回収させた。


死骸の衣服で小助刀の血を丁寧に拭う。

刃こぼれも無く、綺麗な状態じゃ!!満足して架空袋に仕舞う。

仕上げは鬼火で焼却消滅、骨も粉々焼き骨粉終了。



流石に住民を巻き込むような、愚策は取らんようで、わしは、城下町を悠然と進む。

しかぁし!ゲリラ戦を仕組むなら、此処で仕掛けんか!!!

住民は、予め避難させんといかんが。

この世界の軍師(居るか解らん)戦術が成っとらん!

豆腐で出来たような、ひ弱な身体の兵士達人々、だからこそ戦略を練らんか!!

「責任者出て来い!!!」いかん!遥か昔のボヤキ漫才になっておった。

ロク帝国の城に着いた。


おぅ!!金色にキラキラ輝く派手で下品な城じゃ!!

「難攻不落の城のつもり?意図が解らん·····何じゃ?あの出っ張りに突起は」

「材質は何じゃろ??黄金じゃ無い金鉱石?何の素材で築いて居るのか??」

邪魔な門番を血祭りにあげ、城壁に目を凝らす。

「何じゃ黄銅鉱か!!」

「派手好きの割に、黄金城で無い所がセコイのぅ」


今回の城攻めはタカダさん、ナオ、テツにも手伝って貰い、分散して個別撃破して行く。

降伏を勧め、敵対する者を殺し、再度降伏を勧める。

屈強な兵士と聞いて居ったが、タカダさん達で充分対応出来ておる。


タカダさんは素早く動き、敵兵の首を掴みバキッ、頭を掴みグシャッ投げ捨て踏みつけボキッ、流石分かってる!剣で戦うと3人程で斬れなくなる、技量が有るなら肉弾戦!!

ナオもテツも、一人で10人以上の兵士を相手して、余裕で倒しとる!

右往左往逃げ惑う、メイドや下働きの男女は見逃し、頂上に進む。

兵達は隊長格を倒すと、意外に即降伏する。


わしは、殺人鬼じゃ無いぞ!進んで降伏する者は見逃して行く。

たまに降伏した振りをして、背後から斬りかかる者が居ったが、可愛ゆいのぅ良い戦術じゃが、相手が悪い背中に目が有る妖怪山姥様じゃぞわしは。

背中の目は比喩じゃが、本当に目があると化け物じゃ。

日本に居た頃の配下には実際居ったが、「背の目」元気にしとるかのぅ。


頂上城主の間に到着!

取り合えず城主は問答無用で殺した。

「降伏しますか?」

「返事が無い」

「降伏する者は、這いつくばって手を首の後ろで組め!!!」

「這いつくばって居ない奴は殺す!!!」

皆さん一斉に、伏せてくれた、終了。


その後個別面談、不穏な者多数、反抗的な皇子と皇后等を殺処分して、完全制圧じゃ。



製錬には大量の木炭が必要なはずじゃが、禿げ山になって居らん、山々には木が茂って居る?

なんと!石炭まで産出されるそうじゃ、炭坑までここには在った。

良い所が手に入ったもんじゃ!!


カスメ、ヤラシア、ショボンヌ、ヒトマ、カセダ、シタチ、デナ、ロク全て統合、あっと言う間にマンバ王国は大王国になって居た。

規模的には、大陸の約1/4、ワルダクミ帝国と同じ位の大国に成っておった。

わしは、大王様じゃぞ!!



キンキラ城の外見を上品になるよう、改装工場を始めさせた。

簡単な外形図を見せながら指示を出す。

突貫工事で、余分な出っ張りを取り外し、飾りの金の日指を屋根瓦風に取り付け、頂上は天守閣風に設えた。

ロクの職人達、超優秀!!!

下品だったキンキラ城が、僅か15日の工事で、大中小金閣寺の3段重ね風、美しく高貴な城に大変身した。

報償金を確りはずまねば!!

金を与えてお仕舞いじゃダメ!リップサービスは必須だよ!!

「無理な注文に希望以上に応えてくれた!感謝する」

礼の言葉に職人達感激しておった。

「誉めて遣らねば人は動かじ」

満足して城を眺めながら、デナ跡地の農園開発の指示と、製錬の合理化、新な鉱山開発の指示を出していた。

そんなある日、突然3国からの面会打診使者が訪れた。


ロク鉱山の北、山を越えた位置に広大な中の王国がある。

ロク、デナの東に東王国が有り、西に西王国が有る。

中の王国と東王国に西王国の3王国からの使者が揃ってやって来た訳である。


同盟程度の提案なら却下してやる積もりで、10日後の会合を通達使者を帰す。

更に改装工事を進め、内装は純金を叩いて伸ばし、伸ばした金を鞣し革に挟み更に叩き伸ばす、金箔程薄くは無いが、紙位には仕上がった。

金の壁紙で、謁見の間は黄金に輝く豪華な部屋になり、貴賓室も黄金張りの部屋になった。

謁見して、貴賓室に移動、会合をと言った流れにする。


東西の街道と北の街道を、急遽コロ達を動員、鉄錆び混じりの赤い岩、小石を踏み潰させ均して整地させる、見違えるような、東西南北に伸びる赤い街道が完成した。

中規模とは言え、マンバ王国を建国宣言をした当事より、遥に大国が3国同時にやって来る、礼儀として体裁は整えるべきであろう。


正装して待ち構えた当日、ジン達近衛兵が案内してきた、3人の王が謁見の間に通された。

王自ら出向いて来たと報告は受けておる、しかし若い3人共良い男じゃぞ!!!

大事な事なのでもう一度!!

3人の王達は、何れも美形王じゃ、ジュル!!(いかん涎が·····)

7歳幼女の身体が恨めしい!元の山姥じゃったら餌食にしておるぞ!!!


余計な妄想で声を掛けるのが遅れた、無言で値踏みしておるように思われたかのぅ。

わしが声を掛ける前に中央に立った王、中の国の王らしき超イケメンの第一声。

「始めまして邪神マンバ様、お会い出来て光栄です!!!」

「!!!!!!!!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る