第15話 大陸に激震
ショボンヌ製の奴隷、最大の輸入国であったワルダクミ帝国、今は御前会議中。
居並ぶ腹心将軍達に、髯モジャで熊の様な巨体の、皇帝アクダが鋭い眼光で睨みながら言った。
「最近マンバ王国とか、新興国の噂を聞くが、詳しく情報を掴んで居る者は居るか?」
「マンバは大陸最南端、小さな半島に位置する弱小クロノ家の姫だそうです」
「驚く事にマンバ姫は若干7歳の幼女だとか」
「7歳の幼女だと?」
「弱小家7歳の姫に建国が出来るか?」
「凶暴な魔物シルバーウルフを使役して、カスメ家、ヤラシア家、ショボンヌ家を滅ぼし統合、マンバ王国を名乗って居るようです」
「聞く程に怪しい情報じゃ!」
「魔物を使役する幼女?··········有力な協力者でも居るのか?どちらにしても帝国に仇なす存在になる前に、早急に滅ぼさねば」
(新興国、精鋭は2000、かき集めても1万の兵が精々であろう·····よし!!)
「5万の兵で滅ぼせ!!」
「飛び地になるが南の温暖な領地も良い!!」
ワルダクミ帝国は、大陸の最北端に位置し、領土は大陸1/4を占める大帝国で有る。
5万の兵を維持する兵糧物資をかき集め、進軍するまで一月が掛かった。
進軍が開始された。
「マンバ姫は殺さず、捕らえて来い!!興味が湧いた会ってみたい」
しかしマンバ王国に、5万の軍勢がたどり着くのには、更に最低100日は掛かる。
各国、各家の諜報員が、慌ただしく動いた!
大帝国の異変を知った、大陸全土を震撼させた。
マンバ王国討伐と知った、東西に位置する各国各家は安堵して、成り行きを静観する事にした。
一方南下する進路場の各国各家は、対策に頭を抱え込んだ。
無策で右往左往する各国の中、ロク帝国にデナ家、シタチ王国は同盟を組み、大帝国に取り入る為、マンバ王国討伐を名乗り出た。
大帝国には逆らえないが、新興国マンバ王国討伐は容易いとの思惑である。
同盟軍の宣戦布告で慌てたのが、シタチ王国とマンバ王国の間に位置する、ヒトマ共和国とカセダ家である。
協議を重ね、意を決してマンバ王国に使者を送った。
「国を纏めて献上します、代わりに護ってください!」との事
両国は旧ショボンヌに隣接する位置だけに、マンバ王国の異常な強さを見聞きしていた。
領地が増えるのは有り難いが、王国に共和国が入るか面倒くせぇ!
にしても他人任せの、虫の良い要求じゃのう·····領地献上か·····徳川に対しての前田みたいじゃの?しかぁし、加賀100万石は遣らんぞ!!
裏切る気など起こさぬよう、ヒトマ共和国代表者10名と軍関係者100名、カセダ家当主等5名と軍関係者50名を集合させた。
其にマンバ王国各領地から軍関係者、その他見学希望者が見守る中、ロク、デナ、シタチ連合軍1万5千が、ヒトマ共和国領境に現れた。
進軍を一時中断、再整列して進軍が始まった。
並び方の違いか、実数以上2万より多く見える。
今回はガラスにすると面倒なので、普通の鬼火をぶち当ててやる。
「鬼火!!」
押し寄せる軍勢を、巨大な焔が包んだ。
「御覧!ナオ、テツ、タカダさん!人がゴミ屑のようじゃ!!」
焔に包まれた連合軍が、見渡す限り苦しみながら、転げ回って火焔の舞を披露していた。
総勢1万5千、感覚的には2万以上の出演者の火炎の舞、二度と見られない迫力のパノラマじゃ!
何故か皆わしから、距離を取って居るようじゃ、火焔の舞を観ずに、わしを観ておる?
鬼火チョロチョロは不人気じゃったか。
ショボンヌ城の大掃除、死ぬか奴隷に堕ちるか聞いて進み、多くの奴隷が手に入り汚れ仕事全て押し付ける。
焼け跡から、骨になった死体装備の鎧や剣等の金属回収業務、確りやらせた。
鬼火の温度下げた成果、金貨銀貨銅貨も回収できた。
後は、旧ショボンヌ領やヤラシア領の荒れ地のように、コロ達一斉に此処掘れワンワン!!掘り返し、焼き骨粉も混ぜ混んで、広大な農地の完成!!!
敵対した奴等に情けはかけん!!
一部始終を観ていた、ヒトマとカセダの人々は、この凶暴な幼女には、絶対逆らうまいと心から思うのだった。
ヒトマとカセダの処理はテレスとセバに丸投げ。
要望として、共和制は廃止の方向で指示しておいた。
「タカダさんヤンに乗って、ナオちゃんはニン、テツはお決まりのトンに乗って!」
タカダさんが驚いた顔で「私も参加させて貰えるのか?」
「宝物庫漁りに信用出来る人手が欲しい」
(宝物庫荒らし?一応自分大将軍なのに、もっと凄い仕事させて欲しいかな?)
「ロク、デナ、シタチ確固占領に出発!!!」
ワルダクミ帝国軍勢が攻めて来るまで、まだまだ余裕が有る。
確りとマンバ王国の地盤硬めないと。
大陸制覇も近いかな!!
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