☆司書資格のつかいみち


 司書資格の取得に必要な単位は全て履修済みで、あとは卒業するのみです。そして、今後司書として働く可能性があります。あるんです。びっくり。あるんだ。そっか……。

 もし、司書として図書館あるいは図書室に勤務することになったときに何をしたいのか、現時点での考えを書き留めておこうと思います。



☆ 学校の図書室に勤めたい ☆


 何をしたいのか書き留めると書いておきながらいきなり希望勤務地を書くという。

 図書室って学校の中の避暑地のイメージがあります。保健室と肩を並べるくらい、ふっと息を抜ける場所、息を抜いていい場所だと思っています。

 子どもたちに、読書は楽しいものだ、ということを知ってほしいんです。娯楽かもしれないし、暇潰しかもしれない。それでもいいんです。本を手にとり読むことへの抵抗が生じないようにしたい。いつか、不意に出会った本の或るひとこと、或る文章に救われるかもしれないから。救いの可能性は、多いにこしたことはありません。漫画もオッケーです。

 また、少しでも格差をなくしたい気持ちがあります。保護者の余裕によって教育に格差が生まれるという考えは結構浸透したように思いますが、これは読書経験にも言えることだと思います。経済や時間面に余裕があれば、本を買うこと、本屋に連れていくこと、図書館に連れていくことができる。でも全ての家庭や環境でそれが可能なわけではない。読書経験におけるこの差を少しでも埋めるために、学校の図書室は動くべきだと思うし、私は動きたい。



☆ 図書館とどこかを繋ぎたい ☆


 アウトリーチサービスといいます。このサービスの名称自体は図書館サービスに固有のものではないので、耳にしたこともあるかと思います。医療分野とかでも聞くことが多い気がしますね。

 図書館の場合だと、地域の学校、社会教育施設、病院、福祉施設、刑務所、などなどとの繋がりを強めたいです。本をどさぁと持って行って、本がどさぁとある中から自由に選べるくらいが楽しいですよね。沢山の選択肢から自分が好むものを選びとることができる、という体験は精神衛生上重要だと感じます。週1は難しくとも、月1のイベントくらいになるといいな。それくらい求められる催しになるといいな。

 学校の図書室の場合だと、様々な理由で登校できない子たちに読みたい本や関心のある本を届ける、とか。もうやってるかもしれませんけど。在籍している以上、図書を利用する権利は存分に行使してほしいです。そして、楽しいと感じることがひとつでも多く、楽しいと感じた経験がひとつでも多くなるように。



☆ 本を手に取る機会を増やしたい ☆


 兎にも角にもまずはやっぱりこれですよね。まず、というよりも、こりゃあここまでの要約だな。私がやりたいことをひとことで表せば、これ。

 自分が読みたいもの、気になるもの、引っかかるもの、惹かれるものを、自分で選んで、実際に手にとる。ぱらぱらっとめくってみる。ちょこちょこっと読んでみる。気が付いたらじっくり読んでいた。そういう機会を増やしたい。

 私個人の勝手な希望としては、できれば電子だけじゃなくて紙でも。質感や色、匂い、重みなんかを感じてみてほしいです。本の「物」としての存在感を知ってほしい、というどうしようもなく利己的な希望ですね。

 こんな風に考えるのは、沢山の本を手にとらせてもらったからだと思います。幼少期から今に至るまで本当に沢山の本を買ってもらいました。引っ越しの度にいくらか売ってはいるのですが、買い足すので減りません。常に沢山の本が家にあります。両親には感謝しなければなりません。



☆ 周辺問題への視線も忘れず、バックアップやサポートもぬかりなく ☆


 図書館・図書室業界でも、会計年度雇用・非正規雇用の方々がいらっしゃいます。少しでも働きやすい環境や制度になるようにできることはないだろうか、と思っています。制度を考える部分と現場とを繋ぐ役割を担えたらいいな。

 また、自分が勤務する所・自分の仕事に尽力する一方で、他館や他地域、同地域の他施設の状況まで気を配れるようになりたいです。必要ならサポートを、余裕があれば連携したイベントなどをできると楽しんでもらえるでしょうか。夢が膨らみますね。



 ……と、まあ、いろいろ書きましたが、どれもこれも本好きの視点からの意見です。本好きではない方に、娯楽としてどれだけ本を活用してもらえるのか、どうしたら活用してもらえるのか。また、インターネットで何でも調べられる時代に、知識探求のためにどれだけ本を活用してもらえるのか。そもそも、AIがあるから司書は要らない、という意見も見受けられる時代に、どれだけ司書という存在の意義や価値を示せるのか。何が、できるんだろう。

 まだまだ知識もスキルも経験も乏しいことを、働いてもないのに痛感します。けれど、もし本当に、司書として図書館あるいは図書室に勤務することになったときには、ここに書いたことのひとつでもふたつでもみっつでも叶えられるように精進したいと思います。精進、します。

 たいへんだ、宣言しちゃった。頑張れ。未来の私。



2021.2.11



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