第896話 「紹介Ⅲ-Ⅴ」
グリゴリ
グリゴリのトップにして彼等の中では最強クラスの天使。 浮遊する無数の武具を振るい、中~近距離ではその手数も相まって非常に強力な戦闘能力を誇る。
これと言った目立った固有の能力は持たなかったが、外の世界への干渉能力に関しては突出していた為、それを用いてエルフを唆し、自らの配下として従え、操って来た。
彼等グリゴリの目的は恒常的に世界に干渉する事にある。
天使達は超越した上位者ではあるが、世界の外から振るえる力にはかなり厳しい制限がかかる為、その問題を解決する事を主目的としていた。
第一段階としてはエルフなどの操り易い種族を取り込む事により、分かり易い形での干渉。 それと並行して世界の存続。
これは最低限、何らかの形で直接干渉しなければならないので、肉体がない状態では話にならないからだ。 ちなみに過去に巨大な魔物を封印して回っていたのは後者の理由。 手段に関しては憑依できる依り代を確保出来次第となっていたので、個体ごとに撃破時期がかなり異なる。
第二に魔力源の確保。
完全、不完全を問わず、自分達の存在を世界で維持する為にはエネルギー源となる魔力の安定供給は必須だからだ。 加えて、彼等は非常に燃費が悪いので、それを維持できる物となると自然と聖剣と魔剣と言った結論に落ち着く。
第三――つまりは最終的な目標である自分達の存在を受け入れられる器を手に入れる事。
それこそが完全なる神の子にして器――
本来ならエルフやその他の種族を気長に品種改良して自分達専用のネフィリムとして作り替えるつもりではあったが、目途すら立っていない気長な作業を瞬時に解決してくれる存在――混沌と呼称される存在を発見。 それにより目の色を変える。
それもその筈で、基本的に彼等の行動は第一段階の時点で足踏み状態であり、第三段階には手が届く目途すら立っていなかったからだ。
それに聖剣魔剣の入手が非常に難しいので、今回のように合計四本も入手できたのはかなりの幸運が味方をした結果と言える。
それでもローという存在さえ現れなければ、彼等は気長に世界が滅ぶまでエルフを弄繰り回すだけで終わっていただろう。
だが、混沌の出現、聖剣の入手と言った二つの条件が揃った事によりグリゴリは大きく動き出す事となる。 結果、各地に出没して猛威を振るう事となった。
だが、上位者故の傲慢と魔剣の怒りを軽視した為、ローの極伝使用を誘発。 それが敗北の決定打となった。
ちなみにアザゼルは第四の領域――ドゥナスグワンドへの戦いに参戦し、ブロスダンと共に第四の英雄と死闘を繰り広げ、辛うじてではあるがこれを撃破。 魔剣の中身を破壊して自らの魔力源として使用していた。
敗北後は仲間達と交代で延々とオラトリアムに強制召喚されて素材を剥ぎ取られ続ける日々を送り、少しずつ目減りしていく自分の身体に呆然としている。 脱落。
グリゴリのトップの一体。 アザゼルとは対照的に複数の杖を用いた魔法攻撃を得意とする。
中~遠距離戦では聖剣使いですら手が出せない程の攻撃密度を誇り、高い戦闘能力を誇る。
対辺獄戦では第七の領域ナーオンガヒード戦に参加。 アリョーナと共に英雄と戦い撃破した。
続くユルシュルでの戦いは聖女とクリステラと言った二人の聖剣使い相手にも優勢に事を運び、勝利は目前と言った所で本拠の襲撃とシムシエルの消失、アリョーナの離脱と一気に戦力が抜けた事で戦況が一変。 一気に形勢不利となったので、取り込んだ魔剣の能力で戦いの舞台を辺獄へ変える。
強化された魔剣からの魔力供給でゴリ押すつもりだったが、味方の全滅と突如現れた聖剣アドナイ・ツァバオトによる妨害の前では逃げる事すら許されずに敗北。
ちなみにアリョーナに憑依して戦闘能力を爆発的に上げる切り札があったが、肝心のアリョーナが消えたので使えなかった。 脱落。
魔剣ザラク・バアル――辺獄の領域ナーオンガヒードに存在した第七の魔剣。
シェムハザが魔力源として使用していた。
固有能力は効果範囲内の存在の認識を狂わせるといった物で、敵を味方に、味方を敵に誤認させたり、何もない所に何かがいるように見せる強力な能力だった。 ちなみにローとの相性はそこそこ良い。
グリゴリが入手した際に中身がほぼ破壊されているので、現在は使用不可。 シェムハザから解放された後は最後の力を振り絞って仲間の下へと向かった。
グリゴリのトップの一体。 本編未登場。
魔眼とその上位である邪眼、邪視と言った、様々な効果を付与する固有能力を扱えた個体。
支援寄りの能力だが、間合いを選ばない攻撃手段も相まってアザゼル、シェムハザと同格の高い戦闘能力を誇る。
ドゥナスグワンド戦に参加し、その能力で英雄を追い詰めたが最後の最後で道連れにされた。 脱落。
大型天使の一体。 本編未登場。
敵の魔力や魔法を無効化、逆に味方の攻撃を増幅すると言った支援を得意としていた。
ナーオンガヒード戦に参加。 敵の英雄との相性も良く、優勢に事を進めては居たが処理能力を超える飽和攻撃を受けて撃破された。 脱落。
大型天使の一体。 本編未登場。
ごくごく狭い範囲ではあるが、未来予知を行う。 要は聖剣エロヒム・ザフキの下位互換。
それにより攻撃を回避したり逆に敵の出鼻を挫くと言った戦いを得意としていた。
ドゥナスグワンド戦に参加。
得意の予知で優勢に戦況を運ぼうとしたが、予知が間に合わない速度の攻撃――神速の
大型天使の一体。 本編未登場。
味方の潜在能力を強引に引き出して強化を行う支援特化。 代償として強化対象の肉体が崩壊するが、その強化は権能すら越える。 ただ、代償が重いので天使兵などの雑兵の強化がメイン。
ナーオンガヒード戦に参加。
厄介な能力だったので真っ先に潰された。 脱落。
大型天使の一体。
強力な光線攻撃がメインの砲台。 威力はあるが攻撃と移動を同時にできない欠点がある。
シンプルな能力ではあるが、それ故に嵌まれば強い。
ナーオンガヒード戦に参加。
英雄相手に奮戦し生き残ったが、小さくない損傷を負った。
続くオラトリアム戦ではヴェルテクスを追い詰め、サイコウォードを撃破すると言った戦果を上げたが、目的の聖剣は入手できずに撤退。
最終戦ではユルシュルからユトナナリボへと撤退し、強化されたヴェルテクス達に歯が立たずに撃破された。 脱落。
大型天使の一体。
影を用いた攻防を行う。 影は実体がないにもかかわらず一方的に物理的な干渉を行えるので、非常に強力。 ただ、出せる量が自分の影と同量と言う制限があるので、完全な闇に放り込まれると無力と言った欠点がある。
ナーオンガヒード戦に参加。
英雄の攻撃を影で無力化し勝利に貢献。
他と比べればマシではあったが、無傷とは行かなかった。
オラトリアム戦ではアスピザル相手に終始優勢だったが、攻めきれずに撤退。
続く最終戦ではバササエル達と共にユトナナリボに撤退、再戦を挑んで来たアスピザルの切り札の前に敗北した。 脱落。
大型天使の一体。
威力は他と比べて劣るが、誘導性能のある光線に味方の強化、陽炎を用いた防御や分身と非常にバランスが良く、器用な能力を持った天使。 日光を吸収して強化すると言った自己強化能力を持っている為、夜間だと目に見えて能力が落ちる。
ドゥナスグワンド戦に参加。
その能力で味方を支援し、戦況を有利に持って行き、英雄の攻撃を受けて死にかけたが運よく生き残った。
続くセンテゴリフンクス戦ではシャリエルと共に魔剣とローを手に入れようと戦闘。
巧みな連携で追い詰めはしたが、逃走を許してしまう。
最終戦では転移魔石でユルシュルから強引にユトナナリボに戻され、待ち受けていた弘原海と聖剣アドナイ・メレクの前に撃破された。 脱落。
大型天使の一体。
両腕に巻き付いた鎖による近接攻撃と背の光輪から放たれる光で相手の動きを封じると言ったやや変則的な能力を持った天使。 こちらはシムシエルと対照的に月光を吸収して自己強化する能力を持っていたので、夜だともっと強かった。
ドゥナスグワンド戦に参加。
悪夢のような強さの英雄相手に奮戦し、何とか生き残った。
センテゴリフンクス戦ではシムシエルと共にローを追い詰めたが、逃走されてしまう。
その後の最終戦ではユトナナリボの防衛兼ガドリエルの護衛についていたが、襲撃を受けて迎撃に出たが待ち受けていたニコラス達に取り囲まれた上、集中攻撃を受けて撃破された。 脱落。
大型天使の一体。
両肩と胸の水晶から大量の雷を発生させて、広範囲を焼き払うと言った広域殲滅を得意としている。
ナーオンガヒード戦に参加。
英雄の凄まじい猛攻に立ち向かい、生き残った。
その後は王都ウルスラグナで聖剣と魔剣の回収に向かい、アリョーナと共に聖女を追い詰めたが、バラキエルとバササエルの負傷を受けて撤退。
ユルシュルでの戦いでは王都同様の展開で聖女相手に優勢に事を運んでいたが、アリョーナの離脱と共に状況が逆転。 そのまま聖剣エロヒム・ツァバオトの前に斃れた。 脱落。
大型天使の一体。 本編未登場。
瞬間的に身体能力を爆発的に高める事が出来、瞬発力に優れた接近戦主体の天使。
ドゥナスグワンド戦に参加。
得意の接近戦で英雄に挑んだが、間合いに入る前に撃破された。 脱落。
大型天使の一体。 本編未登場。
無数の巨岩を生み出して大砲のように撃ちだす能力を持った天使。
ナーオンガヒード戦に参加。
かなりの攻撃密度を誇ってはいたのだが、英雄の攻撃を越える事は出来ずに撃ち負けた。 脱落。
大型天使の一体。 本編未登場。
全身から高熱と閃光を放ち、敵の視界と身体を焼き尽くす範囲攻撃を得意としていた。
ドゥナスグワンド戦に参加。
一応、攻撃はそれなりに効きはしたが仕留めるには至らずに撃破された。 脱落。
大型天使の一体。 本編未登場。
自分と視界内にある物体を入れ替えると言った短距離転移を得意としていた。
ナーオンガヒード戦に参加。
飽和攻撃には相性が悪く特に活躍せずに撃破された。 脱落。
大型天使の一体。 本編未登場。
指揮能力に特化しており、あまり的確な作戦行動を取れない天使兵の統率などに長けている。
それにより配下のエルフや天使兵を率いて弘原海の故郷を滅ぼした。
ナーオンガヒード戦に参加。
指揮能力を駆使した用兵で勝利に尽力。 後方に下がっていた事もあり何とか生き残ったが、疲弊した所を弘原海に奇襲されて撃破された。 脱落。
大型天使の一体。 本編未登場。
大地に干渉し、地震や地割れ、地面を隆起させる事で地形を変化させる能力を持った天使。
ドゥナスグワンド戦に参加。
色々やったが特に効果が出ずにあっさりやられた。 脱落。
ファティマの玩具――ではなく大型天使の一体。
天使兵や武具の生産に長けているが、広く浅くなので特化した者に比べれば質はやや落ちる器用貧乏。
生産特化なので戦闘能力は低い。
ナーオンガヒード戦に参加。 後方支援に徹して生き残った。
だが、続くユトナナリボ戦で怒り狂ったファティマのサンドバッグになって文字通り叩き潰された。 脱落。
大型天使の一体。 本編未登場。
天使兵の生産に特化した天使。 特化しているだけあって、ガドリエルが作った物よりも性能が高い。
ガドリエル同様、生産特化なので戦闘能力は低い。
ドゥナスグワンド戦に参加。
戦闘能力が低い事を早々に見抜かれて開始二秒でやられた。 脱落。
大型天使の一体。
空中に文字を描き、様々な現象を発生させる。 これは所謂、ルーン文字に近い物で、描いた文字に対応した様々な効果を発揮する。 その為、支援役としては非常に応用が利く。 ちなみに本来の固有能力は行使した魔法の増幅なので文字は固有能力とは別物。
ドゥナスグワンド戦に参加。
次々と味方が撃破される悪夢の中、抜けた後衛の穴を必死に埋めた勝利の功労者。
続く王都ウルスラグナでの戦いはブロスダンと組んでクリステラと激戦を繰り広げた。
ユルシュルでの決戦時はシェムハザと共に最後まで生き残ったが、前衛を欠いた状態だったのであっさりとクリステラにやられてしまった。 脱落。
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