復讐
学校に着くとアユムは教室へ、マナとリサは職員室へ向かう。
ガラガラとドアが開く音がした。
「大野くん!?」
アユムは思いがけない人物に出会ってしまった。
「神埼こそ、どうしたの?今日は学校休みでしょ?俺は朝練があってね」
大野はバスケのキャプテンで休みの日は自主練習か試合に出る。
ふと、大野の手に目がいく。
「手、ケガしてない?血がついてるよ」アユムがユリの席から立ち上がろうとすると、「さっき指を切っただけだよ」とタオルで急いで拭う。
「今日はさ、ユリの四十九日だろ?なんとなく学校に居たくてね」
「優しいね、相変わらず。ユリが羨ましい」
アユムは心からそう思う。
その時、上から悲鳴が聞こえた!
「えっ?屋上から?!」
アユムはマナとリサに何かあったのかと思い、急いで屋上に向かった。
こんな時間に生徒は来ていない。
アユムはマナとリサの名前を呼びながら階段を昇った。
屋上に着き、扉を開けると血だらけになってる鈴木と座り込んだマナとリサがいる。
「マナ!リサ!どうしたの?」
アユムは2人のもとに急いで駆け寄る。
「鈴木先生を探していたら階段に血がついててそれをたどっていったら、鈴木先生が倒れているの!」
そういえば、血がついていた気がする。気が動転してて特に気にしなかった。
「鈴木先生!!聞こえますか?」
アユムが近寄ると鈴木は小さくうなずく。
「一体、誰に・・・?」
鈴木はアユムの方を指さしたが、実際にはアユムの後ろにいる人物を指してた・・・・。
アユムが振り返ると、そこには大野が立っていた。
「大野くん!?救急車呼んで!」
手にはナイフを持っている!!
「なんでそいつを庇うんだよ。ユリはソイツに殺されたんだ!!」
大野はナイフを振りかざし、鈴木に向かう。
「ダメだよ、大野くん!」
「離せ!離せよ!」
マナとリサとアユムは一生懸命、大野を羽交い締めにする。
その瞬間、眩しい光が鈴木の前に現れる。
『大野くん、ダメだよ、鈴木先生は悪くない。私が誤って落ちただけなの』
ユリだった・・・。
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