真実
私たちはユリが最後に過ごしたところに行った。そこは【学校】だ。
いつも通りに教室へ行き、席につく。
ユリの机には花が飾ってある。
アユムはユリの席に座ると涙を流し、花瓶を撫でた。
マナとリサはある人を探していた、それは担任の鈴木だ!
鈴木先生はストーカーの疑いがあった。証拠としてユリが教えてくれた。
昨夜、マナ、リサ、アユムは同じ夢を見ていた。
鈴木先生はユリに
『俺は入学した時から神埼のことが好きだ!大野とは別れろ!卒業したらブライダルで働きたいんだろ?いい学校を推薦で推してやるから、悪い話じゃないだろ?』
ユリは憧れの鈴木先生にそう言われると天にも昇る気持ちだったらしい。
そしてリサにも大野くんと別れたいと言っていた。
憧れの先生に憧れの学校を推薦してもらえたら嬉しいけど、こんなことはやっぱりダメだ!大野くんとちゃんと話し合ってから決めなきゃ!禁断の恋愛なんてしたくない!
それから鋭い視線がユリに向けられる日々が続いていた。
ストーカー・・・その5文字が浮かんだ。
大野くんに相談して家まで送ってもらうようになったが、視線が止むことはなかった。
しまいには、ユリの携帯電話にまでいたずら電話がされるようになる。
そこでユリは鈴木に会いに学校に行き屋上で話し合いたいと持ちかける。
『本当に愛してるのに何故わかってくれない!?』鈴木の言葉が耳に残る。
『何故、僕の愛に応えてくれない?!』
言い合いになり、揉み合ううちにユリが屋上の低いフェンスを越えてしまい、誤って落ちてしまう。
そこで夢は終わった。
「憧れの先生に殺されたの?ユリ・・・」
アユムがポツンと言うと携帯電話にメッセージが入る。
『ずっと憧れていたの。入学した頃から好きだった。好きになっちゃいけない相手だから。大野くんにも話したわ、彼怒ってた!当然よね。卒業したら結婚しようとまで考えていたけど夢も捨てたくなかった。浅はかな考えで人を傷つけてしまった』
読み終わると文字が消えていく。
この真実を伝えなければ・・・。
マナとリサに連絡しようとしたらメッセージで『今、ユリの夢を見たの。屋上でのこと全部見たの』と2人から来ている。
それなら話が早い、鈴木先生に会わなければならない。
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