最初の恐怖

家に着くと母親の手紙があった。

「マナへ

今日はパパとデートなので先にごはん食べて寝てください。夕食は冷蔵庫にあるよ。」

今日は結婚記念日だったかな?なんだったかなー?

プレゼント買い忘れたけど、明日でいいか。


夕食はハンバーグだった。

レンジでチンして食べていたら着信があった。

リサからだった!

グループ通話の参加を押すと繋がった。

「マナ?ご飯中??」とリサ。

「今ね、夕食食べてるよ」モグモグと食べながら話す。

「アユム?聞こえる?」

「聞こえてるよー」といつものアユムだった。

さっさとご飯を食べ終わらせて自分の部屋で話そうと思った。

「ちょっとだけ待っててね、ご飯食べたの?」

「私は食べたよー。」とアユム。

「あたしは食欲ないの」とリサ。

「大丈夫なのー?食べなくて!?倒れるよ!」

元々スレンダーなのに食べなければガリガリになるのではないかと心配してしまう。

「それより、ユリのことなんだけど・・・。」リサが言う。

そうだった、それが今日の本題だった。

「ユリ、以前に話してくれたことあったんだけど、それがちょっと複雑で・・・・。

好きな人ができたって言っててさ。」

え?でも、大野くんという彼氏がいるはずじゃない?

「大野くんと別れようとしてたんだよね」

えー!?初耳!あの二人は卒業したら結婚の約束までしていたはずなのに。

考え込んでると、いきなりアユムが叫んだ。

「どうしたの?!」と、問いかけると

「今、ユリの顔が携帯の液晶に映ったの!!」

アユムは本気で怯えていた。

「アユム!?アユム??ねー、聞こえる?」

叫び声から反応がなくなってしまった。

「リサ、アユムが反応しないよ!!」

戸惑いつつもリサと一緒にアユムを呼び続けていた。

それから、アユムの応答はなかった。

家が近所なのでアユムの家にリサと合流しようと言った。

急いで着替えて自転車で飛ばせば5分くらいで着くだろう。

自転車で飛ばしてアユムの家に行くと1台の救急車が停まっていた。

「おばさん!!アユムは?」

息を切らしながら駆け寄るとアユムの母親は泣き崩れた。

「アユムがー!!」

何があったの?アユムに何があったの?

「お母さん、搬送しますのでご同行お願いします」と救急隊員が泣き崩れるアユムの母親を促す。

アユムの母親の側で父親が立っていた。

「おじさん、何があったんですか?」

少し遅れて来たリサが父親に詰め寄る。

「いきなり叫び声をあげたから部屋に入ってみたら、泡を吹いてて・・・。」

そんな・・・。

アユム、助かるよね?

リサと手を取って搬送先に向かおうとアユムの父親に頼んだ。

「お願いします!アユムの所に行ってください!!」

我に返った父親がタクシーに電話を掛けていた。

何が起こったの?!









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