大精霊の森の調査とあれやこれや編 《三日目》
第26話 大精霊が住まう森 1
やぁ私は魔術師のリア、ただいま夜明け前の暗い森を一人で走ってるんだー!!
えっ、なんでかって?
それはね、夜中に突然思い付いたからだよー。
そうだ、森に行こう!! ってね……。
うん、ワケ分からないよね~
正直私自身、あの時の自分が自分でよく分からないかな!!
あははは…………うん。
―――――――――――――――――――――――――――……
もう数時間は前になる。図書室で食事を終えた私は食器や本の片付けをしようとしたところ、片付けはコチラがやるからいいと断られたためにすることが無くなってしまった。
ならば寝る前に部屋で読みたいからと許可を得て、
食事前にお願いした地図も簡単に見つかったので、それも一緒に渡してもらえた。
最終的に残した本の数は11冊。数はたいぶ減ったものの、それでもそのまま持ち運ぶのは手間になるため収納系の魔術道具を使って運ばせてもらった。
図書室を出る際にアルフォンス様から「あまり根を詰めないでくれ」と声を掛けられ、分かりました的な返事をしたことを覚えている。
そして部屋に戻り、まずは
んん、なんの調査記録なのかって?
それはもちろん貴重な研究サンプル……もとい大精霊様の呪い調査記録ですよ。
状況を
しっかりと記録を付けたところで、持ってきた本も読むことにした。最初はほどほどにして寝ようと思っていたのにいつの間にか全部読むことになっており、ついでに内容の要約メモも書き上がっていた。
えーっと……気付いたらそうなっていただけで、根は詰めてないし嘘を付いたことにはならないね!! ならないよね……?
ここまで来たらもう地図にも目を通して置こうと決めて地図も読み始めることにした。
大体の地形を
まず身体検査を納得するまでしてから呪いの
今仕入れたのは
もっと専門的な書物を探す?
いや、大精霊関連の本はざっとだけど全て確認はした。その中にめぼしい情報など無いに等しかった。あの
そもそも単純な精霊についての知識水準なら圧倒的にウチの方が高い。見るべきものがないわけではないけど、今優先するほどの事柄じゃない。
例の大戦後のいざこざで、この国だとまず人前に姿を現す機会が少なくなった大精霊様を含めた精霊についての記録は最近のものが少ない、自然と新しく書かれた書物は古い記録を参考にした焼き直し……というのは言い方が悪いが、古い記録を参考にしたうえでの考察がほとんどのようだった。
いや、今現在も存在している生物なのだから、もうちょっとなんとかして欲しいんだけど……魔術知識の少なさを考えると無茶か。
……まてよ、人間がダメなら他に聞けばいい。
精霊のことなら精霊に、大精霊様のことも精霊に聞けばいいのでは!?と閃いてしまった訳です。
精霊は呼び出すにしても召喚獣のように一方的に呼びつけるのは難しく、ある程度彼らが
精霊を呼び出す手段ならばある。あとは話を聞くための状況を整えるだけ……あれ、そういえば一般的に精霊の活動が活発なのは夜明け前から明け方の時間帯じゃなかったけ?
今の時間を考えると…………。
先程まで読み込んでいた地図を思い起こしてみたところ、今から行けばその時間までに間に合うな……よし行こう!!
そうして私は念のために簡単な書き置きだけを部屋に残し、荷物を持って古城を出たのだった。
―――――――――――――――――――――――――――……
はい、これが深夜のテンションの恐ろしいところですねー!!
その時は今から行けば間に合う! とか思ってたけど、別に日を改めてもよかったわけなんですよ。むしろ確実に一旦休んだ方がよかったと現在の私は思ってます。
更に言うと森への距離が半分を切った辺りから自分は何してるんだろうと疑問に思い始めて、森への距離が残りわずかになった今現在の私は本格的に後悔している真っ最中でございます!!
いやー馬鹿っ!!深夜の自分って馬鹿ー!!
しかしここまで来てしまうともうこのまま帰るのも嫌なので、目的を達成してから戻ることは決めましたー!!
正直な話、半ばヤケになってるよー!!
あはは、よーしやるぞ!!
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