心のデトックス
年に2回くらい、占いに行きます。
心が疲れてくるとむしょうに行きたくなって、ちょうどいまは作業が詰まっていない時期だったのもあって、近くにないかなーと検索して、「この方が気になるなぁ」という占い師さんを見つけて、予約の電話をかけたのでした。
「今日は予約が詰まってて、45分後なら……来られる?」
「(電話を切った後でダッシュで玄関を出れば)いけます!」
初めてお伺いする占い師さんだったんですけど、電話をしながら「あ、この人好き。運命」と思ったので、即玄関に向かったのでした。
タロットカードが得意な方を探したんだけど、その方は四柱推命での占いがメインだそうで、まずは四柱推命での鑑定結果を教えてもらいました。
「最強ね…こんな人めったにいないわ。男性的な強さよ。経営者に向いてるわね」
はい、知ってます。
いつも言われるんですが、わりに強い星のもとに生まれたらしいです。
でも、四柱推命は生年月日とか、もって生まれたものから占うので、親がそういうふうに生んでくれただけで、わたしのものじゃないんです。
実際ものすごく悩んでいて、最強どころか最弱だと思っているから来てるわけだし。
「手相を見せて」と言われて手を見せると、「強いわね…」と。
知ってます。
手相も強いらしくて、生命線は2本ずつあるし、マスカケ線も仏眼も神秘十字もあります。
知ってるから、タロットカード占いをお願いできる方を探していたわけですよ。
四柱推命と手相だと必ず褒めてもらえてしまうので。
どこが弱いかを教えて欲しいんです。
と思いつつ、30分ほど話してきたんですが、とても楽しかったです。
「あなた最強よ? 何を悩むことがあるの!」
と、その占い師さんがものすごくパワフルで、賢くて、包容力があって、わたしとは比べ物にならないくらい強い方だったんです。
「でも、悩んでるんですよー」と話すわたしの声も、だんだん元気になっていきました。
「あ、そう! でも、あなたは強いから1人でどうにかなるわよ。弱音を吐かない。疲れたら休んで、怖気づかないでいればうまくいくから」
とても素敵な方でした。
言葉じゃない部分で励ましてもらったというか。
「あなたは強い星のもとに生まれているから大丈夫!」と励まされるのは苦手なんですが(だってそれ、わたしが何かやったわけじゃないし、根拠は生年月日だけだし)、悩んでいるようだけれど、どう言葉をかけてあげようかしら……みたいに気遣う感じが一切なくて、本能で喋ってくださる感じがとても好きでした。
強いパワーをもつ方って、周りにパワーを分けてくれるんでしょうね。
タロットカード占いもしっかりしていただいて、「当たってます…」とうなずいて帰ってきました。
わたしの弱点をたくさん教えてもらいました。
これです、これ。伸びしろをゲットです。
たぶん、疲れていたんだと思います。
いまは初稿を…というか、そこに行きつくための下書き、草稿に取り掛かったところなんですが、ものすごく力を使う作業だと思っています。
物語の世界を、これから目の前にひろがる荒地に組み立てていくとすると、草稿の段階っていうのは、物語の軸になるでっかい鉄骨を荒地の中のちょうどいい場所にぶん投げていく作業…と、わたしは思っています。
(意味がわからなくても大丈夫です! 感覚的な話です)
何もない荒れ地の、このあたりに華やかな場所ができて、このあたりにジェットコースターができるかしら?みたいなポイントをめがけて、うりゃあ!うりゃあ…!!って、世界最強のマッチョな大男ばりに物語世界の骨をぶん投げるんですよ。
だんだん作業が進むと、その鉄骨は位置を微調整されたり、そのまま骨組みになったりして整地されて、周りに建物が立てられて、庭ができて、もしかしたら道も山も川もできて、登場人物が駆けまわりはじめて、風が吹くかもしれないです。
読んでくださる方を「どうぞー!」とお呼びするのは、その世界が完成した後ですが、作っているほうは、荒れ地をどうやって夢の国に変えるか…みたいな、大工さんみたいな計算もします。
ものすごい力仕事で、しんどいんですよ。
目の前にあるのはまだ荒れ地なので、本当にここを夢の国にできるんだろうか…と、まだいまは屋根ひとつない不毛の大地を前に自信を喪失したりしながら、来る日も来る日も鉄骨を投げるんです。
あ、だからかーー。
それは疲れるわ。鉄骨ぶん投げてるんだもん。
疲れてOK。
と、いま書きながら、いいのかーとなりました。
何が毒かがわかれば、どう解毒すればいいかわかりますもんね。
占いに行ってよかったです。
「疲れてるんですよ」と吐きだせて、心のデトックスができました。
草稿は世に出ないものなので、それも疲れるのかな。
わたしは文や情報にベクトルを感じるほうなんですが、どの要素がどの向きの力を持っていて、どこに置いたら共鳴しあえるか? みたいなのを調べるための作業が草稿です。
初稿完成までに3回書き直すんですが、その1回目で、これをやらなきゃ次にいけないけど、地味で、完成形が見えない状態でもがくので、苦しい作業のひとつです。
でも、だんだん仕上がっていって、「そろそろお客様をお呼びできるかも!」とわくわくしていくのが、ものすごく楽しいんですよ。
その日のために荒れ地の整備を頑張らないとです。
占い師さんからも言われました。
「だって、やりたいんでしょ?」
はい。やりたいですね。
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