小説を書こうとしたことが無い
小説を執筆しています――じゃなくて、「お話を書いています」「創作しています」みたいな書き方をしています。
古い時代を舞台にすることが多いので、「小説を執筆」よりも「男もすなる日記といふものを女もしてみむとするなり」っぽい言い回しのほうがしっくりくる、という理由もあります。
「小説」も「執筆」も『雲神様』系の話には出てこない単語なので、なんかちょっと、使おうとすると躊躇ってしまって。
もうひとつ理由があって、実は、小説を書こうとしたことがないのです。
すくなくとも『雲神様』は、「小説は書かない」と決めてWEB連載をはじめました。
じゃあ何を書いているのかというと、体感型RPGを文章でプログラムしている感覚です。
どうやったらそばで起きていることのように感じてもらえるか、っていうのだけを真剣に考えてました。
伝わるか、疑似体験しやすいか、というのが最優先で、文章の良し悪しは一切無視、という方針でした。
受賞後、書籍化作業というものをした時にはじめて「あ、小説っぽい」と感じました。
WEBと紙の本とでは、インストールしやすい…というか、入っていきやすい(と自分で感じた)文章のリズムがちょっと違っていたので、紙っぽくあわせるとすこし「っぽく」なったなぁと。
さっそく『杜ノ国の神隠し』を読んでくださった方が「没入感読書のお好きな方におすすめします」と書いてくださいました。
これが、ものすごく嬉しくて。
没入してほしくて、ずっと書き続けてきたので。
何度か書いているんですが、文章のライバルは、絵でも動画でもなくVRだと思っています。
そういうものを作りたいなら、古い時代の和風ファンタジー世界が舞台である必要がないな、というのも「雲神様」を書いていた頃から感じていて。
古風な和風ファンタジー世界で書くことが多いのは、たんにわたしが好きだからと、書き慣れているからで、やりたいことを追い求めるなら現実に近い世界のほうがいいのではないかな、と。
思う存分書かせてもらったので、次に書く新作は新しいことにチャレンジしたいなと思ってます。
たぶん来月くらいから?
お仕事が一区切りついて、『雲神様』の準備をきりのいいところまで終えたらやるぞーと、小刻みなお休みのたびに本を読んだり、プロットの手前の素材作りを楽しんだりしています。
世界も人物ももう見えていて、パーツがあと1つ2つ足りないなぁというところで、ガガっと書き出す手前のマグマだまりが溜まっていくのを実感しているというか、あぁこれこれ、みたいな。
楽しいね🙂
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