檻の中の銅像をさすってあっためて生き物にする

忙しくて死んでます。

疲れた…。

でも、波を越えました。

ちょっとだけ休んで、「雲神様の箱」の続きも準備しますね。

待ってくださっている方がいらっしゃったら、もうしばらくお待ちください。


バタバタしているあいだに、もうすぐ新刊の発売日です。

もう発売の十日前だって。ビックリです。


わたしにとっての新刊の発売日って、コロッセオの闘技会みたいなものです。

コロッセオ? どうしたん、いきなり…

って、なりますよね。わかります。

でもこの前、ふっと浮かんだんです。

「あ、わたし今、コロッセオに運ばれてる…」って。

コロッセオといえば、古代ローマの剣闘士たちが命がけで戦うのを観衆がワーワー盛り上がって見守る見世物の会場です。

「なるほどー! コロッセオ=新刊発売日!」と自分では思うのですが、まあ、いつもの突拍子もないたとえです。


コロッセオの剣闘士たちって、客席にいる大勢の人から見下ろされて、きっと緊張するじゃないですか。

逃げ場はないし、戦う相手はみんな強そうだし、勝っても負けてもたぶんめっちゃ痛いし、最悪死ぬし…。

闘技会(新刊発売日)って、こんな感じでものすごく緊張します。

でも今回は光栄なことにゲラを7月から公開してもらっていたので、闘技会に前乗りさせてもらった感じです。

(そのぶん7月には「コロッセオや…」ってビクビクしてましたが)


そのあいだに、著者校正といって、出版前の原稿のチェックをしました。

何十回も読み返した原稿ですが「ちゃんと生き物っぽくなってる…」と、ちょっとホッとしました。

時々書いてるんですが、作品がモンスターに見えることが自分の中のOKラインみたいです。


なんで生き物なんやろ??

と、ふと思って、本棚の『雲神様』をぱらぱらとめくってみました。

生き物な感じはまったくしなかったです。

生き物が主役の話でもないですし、生き物の絵も描かれてないです。

どこのページをめくっても、文ですわ。


ただ、読み返しても赤字を入れたい衝動にかられなかったので、ちょっとホッとしました。

当時のわたしなりに手を尽くしたんだと思いますが、ある程度はまとまってるのかなって。


考えてみると、生き物って、人間も動物も植物もですが、生きて、自力で動いて、食べたり栄養を摂取したりして、大きくなって、子孫を残していくっていうすごい存在なんですよね。

精密機械と呼ばれるパソコンとかスマホ以上に精密で、よくできています。

そういう意味合いで、よくまとまってる状態を「生き物っぽい」と自分では思ってるのかな~と、ふと思いました。


最近まで書いていた話も「生き物になーれ」と作業していたんですが、途中の段階で、生き物どころか、檻に入った小さな銅像に感じてしまったことがありました。

20cmくらいの手乗りサイズで、冷たくて、動く気配がまったくないのです。

「生き物をつくってたはずなのに、銅像……」とガーンとなって、必死に檻から出して、さすってあっためて、「生き物になーれ、生き物になーれ!!」と、我が子よ生き返って、死なないで…!!!くらいの悲壮な感じで改稿をしました。


…ついてきていますか?

創作の話です。

いいんですよ、ついてこられなくても。

脳内をそのまま書くとこうなるんですが、ちょっとぶっ飛んでます。

ただもう、なんていうか、改稿が大事です。

目を瞑っても書けるような方々がたくさんおられる世界(※イメージ)に足をつっこんでいるので、書けるのは当然としてどこまで仕上げられるか、みたいな。

わたしが一発で生き物にしてあげられればいいんですが、できないので、モンスターを素材からちまちま育てています。

愛着が湧きます。


疲れてぶっ飛び気味の独り言でした。

それにしても、ひどいですね…

後で消すかもです(笑

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