キャラクター造形のこと

取り組んでいるものがいろいろあって、考えることもいろいろあって、頭の中が渋滞中です。


気分転換も兼ねてぼーっとこちらを読み直しつつ、あれ?と思ったんですが…。

自分のことをおかしい奴だなと思ってたけど、結構ストイックなところもある、かも…?


たぶん、これが一番ストイックな経験だったんじゃないかなと思うのが、キャラクター造形についてです。


キャラクターを作るのって、難しいですよね。

架空の人間をそこにいるように感じさせなくちゃいけないんですものね。

しかも、小説の場合は使える武器が文字だけなので、便利な面もあれば、難しさを感じる時もあります。


架空の設定ばかりだと造形が甘くなるので、友人など、周りにいる実在の人物をモデルにさせてもらうのも手です。

でも、私はそれはやるもんかと思っていて。

いい役ならいいけど、悪い役だったら、もしもその人が「これ、俺?」って気づいたら申し訳ないです。

「ばれたらどうしよう」とビクビクしながらお話を書く…とか、想像しただけでもう無理です。

チキンなので。


いい役のモデルにさせてもらうとしても、リアルな人間は大変奥深いので、絶対にその人よりも薄っぺらく書いてしまうことになるので、それはそれで過小評価をするみたいでいやだなぁと。

本当にチキンです。


でも、一人だけ、なにをやっても許される人がいます。

自分です。

キャラクターがうまく書けないなぁ~と悩んでいた時があって、なら自分をモデルにした物語を一度書いてみようと、書くことにしました。

自分がモデルなので、まぁ、ちやほやされたり、いい思いをする話は書きにくいです。

というわけで、自分をモデルにした主人公がひどい目にあう話を書きました。

主人公の欠点から事件を起こして、中傷されて、その通りだと自分を追い込んで、自殺する話です。

面白くもくそもないですね。

いいんです。練習用です。


ストーリーを書きながら自分の嫌いなところを書き出すわけだから、つらいです。

知りたくもなかった自分の嫌なところを掘り下げて明文化しました。

つらかった。

そしてその欠点を、物語の中の他人に責めさせました。

つらかった。

さらに、最後には精神を病ませた状態にして、自殺させました。

殺しちゃったよ。


泣きながら書きました。

でも、それを書き上げた後、スコーンと何かが抜けました。

「あ、こいつ、自分じゃないんだ」と思いました。

物語の中で殺しちゃった主人公は自分がモデルだけど、べつに私は死んでないし。

自分が生み出したキャラクターとはいえ、書いたキャラクターはすべて他人で、自分じゃないんだな、と。


この「自分じゃない」って気づいたのが大きかったなって思います。

この後は、すべてのキャラクターを自分から切り離して考えられるようになりました。


自分で生み出したキャラクターたちを尊敬できるようにもなりました。

他人なので。

私とはまったく違う人たちが生まれはじめました。

考え方もみんなバラバラ。

自分じゃないから、似てるわけもないんです。

意見が違うのでよく喧嘩もして、うるさいです。



あくまで、前よりはキャラクター造形で悩まなくなった、というだけで、すべきことは他にたくさんあるわけですが…。

課題もまだまだ多いし。

いまは、知識や経験を増やすように努力しています。

もっと魅力的に人を書けるようになりたいです。

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