PVや評価への違和感のこと
小説を書くには時間もかかるし、取材や資料が必要ならお金もかかるし、なにより気力が要ります。
とても大変な作業なので、書きあげたら多くの人に見て欲しいと思う感情は当然です。
特にいまは、編集者さんの目にとまればお仕事につながる場合もあります。
そのために努力をするのは、たとえばお笑い芸人や役者志望の方々が、夢の舞台に立つために精一杯努力をされているのと同じです。
努力家、すごい!と、思います。
それは正しいと理解していますので、それはそれ、これはこれ、という話です。
わたし自身だけで考えると、読まれるための営業的な努力は、やや苦手です。
わたしが小説を公開しはじめたのは、公募に送った落選作の供養のためでした。
せっかく頑張って書いたから、もう一人くらいに読んで欲しいなぁ~と。
公開して、はじめてPVが付いた時は大喜びでした。
はじめて感想をいただけた時は本当に嬉しくて、その方がまた読みにきてくれるかもしれないと、まだ見ぬその方のために更新を続けたのを、今でも覚えています。
だんだん読んでくれる方が増えていくと、ちょっと麻痺しました。
といっても、PV1だったのが50に増えるくらいです。
周りの人気作のPVは5桁も6桁もあったので、わたしが書いた話は人気がないな~、人気作の作者さんはすごいな~、いいな~と、嫉妬にもならないくらいの残念な気持ちを感じたことがありました。
その時、はっと気づきました。
PV数が少ないからと落ち込むということは、せっかく読んでくださる方に対して「これだけか…」って思うことだと思うんですよ。
楽しみに読みに来てくださる方が、PVが10ついたなら10人いるかもしれないし、PV1でも、1人いてくださるんですよ。
ありがたいです。
人気作でもないし、へたくそな素人作品なのに読みに来てくれる、本当にありがたい読者様。
その方に対して「これだけか…」って感じたのかと思うと、とんでもない罪悪感にさいなまれました。
評価もそうですが、数を求め始めると際限がないんです。
だからわたしは、一人でもお付き合いくださったらそれ以上は求めない、ということにしています。
はじめて感想をくださった方に対して更新を続けた初期の頃と同じように、その方のために書き続けます。
その人を最後まで楽しませることを目標にします。
なので、その時から今まで、「一人でも続きを読みたいと言ってくれたら必ず完結させる」というマイルールを課してきました。
いま連載中の話を完結させたら、そのルールを守り続けていることになるのですが、それだけはひそかな自慢です。
あと、いま思えば…ですが。
たった一人を退屈させないことを目標にして書き続けていたせいで、はじめよりはだんだん面白いものが作れるようになったんじゃないかなと思います。つねに必死だから(笑)
カクヨムトップクラスの人気作のようにはいかないですが、PV1だった頃を思えば、今では多くの方が読みにきてくださいます。
でも今も、たとえばPV100だったら、「PV100」さんが1人、じゃなくて、「PV1」さんが100人いるつもりで更新しています。
読みにきてくださるどの方にも感謝です。
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