コンテストでもらった講評シートのこと

「カクヨムコンのこと」でも触れましたが、前は公募にトライしていました。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891934508/episodes/1177354054891941208


そちらでも書いたけど、わたしがよく応募していたのは、一次選考、二次選考、三次選考、四次選考と、選考に残る作品が少しずつ絞られていく形式のコンテストで、一つでも残るとすっごく嬉しくて、試合気分で楽しんでいました。


楽しかった理由の一つが、講評シートがもらえること!

講評シートっていうのは、カクヨムでもやっている「カクヨムコン歴代応募作品講評会」みたいなもので、オリジナリティや文章力、構成、表現力、キャラクターなど、項目は賞によってまちまちだったけど、ようは、応募作に対しての通信簿です。


講評シートがもらえるかどうかはコンテストによるんだけど、わたしはほぼ講評目当てで応募先を選んでいました。

それで、何度かその講評シートをもらううちに、気づいたことがありました。


1次選考落ちの作品についての講評シートでは「上手に書けていますね」と褒められます。じゃあなんで落とされたの?ってくらい褒められるんです。

1次選考は、噂ですが、プロの編集さんではなくて下読みさんが審査をするそうで、もらえるのは一般的な感想だけで、落とされた原因をあまり指摘してもらえないんです。指摘される場合もあったけど、曖昧だったりで、あまり参考にならなかったです。


2次選考、3次選考くらいまで進むと、もらえる講評の内容がだんだん厳しくなります。

そこまで進んでいるのに、表現力が最低ランクのCだとか、語彙が少ないとか、斬新さがないとか、この人物の行動がおかしいとか、同レベルの作品と比べた上での細かな点を指摘してもらえます。これが本当に的確で、ありがたかった。

わたしはよく文章力と表現力の低さを指摘されてました。「そ、そうか…」と思って「次こそは!」ってすぐに次の応募の準備をしたりね。


さらに4次選考、最終選考あたりまで進むと、また少し講評の内容が変わります。

わたしがそのあたりまで残ったのはほんの数回だけなので感覚ですが、「売れるかどうか」を見られた印象でした。

例えば、2次選考、3次選考での総括コメントが「構成が甘いからもう一回練って書き直してみたら?」みたいな内容だったのに対して、最終選考やそれに近い選考では「このキャラクターでは読者の共感は得られにくい」とか、読者視点がメインになってくるんです。

受賞するのは、読者が好む作品、つまり、売れそうな作品というわけです。


と、そういうことに気づいてから、わたしは公募から遠ざかって、ネットの片隅でほそぼそと公開するようになったのでした。


カクヨム内でも、人気が出るためには売れ筋をチェックしなきゃだめですよね。

そういうのも関係なく、好きな物語を好きなように書いていたかったんです。


前にも書きましたが、大通りから外れた路地裏にひっそりとオープンしている味のある雑貨屋さんみたいなお話をつくりたかったんです。

「売る気ないのね~、でも、好きなことやってるのね~」みたいな。

つまり、頑固者なのです。

「こういうお話が書きたいんです」というこだわりの強いわがままな書き手なのです。

だって、趣味だもの。一番読ませたい読者は、自分なのです。



さて、なぜこういうことを書いているかというと、つまり、そういうことです。


そんなこと言ってられるか!!!???


という状況になったからです。


書籍になるということは売れなきゃだめなんですよね。

せめて「大失敗だった~~」とは、お世話になった編集さまに思わせたくないです…。

(一応ですが、そのようなお話をされたことはないです。これまでもらった講評シートの内容から、わたしが勝手に思っています)


わたしはかなり自己満足型の書き手だけど、自己満足万歳型創作を返上して、力の限り物語をつくりなおしてきました。


これまでもこだわりがあって、「100人が読んだらその100人の頭の中で同じように物語が展開しますように!」と、自分なりには読み手の目を意識してきたつもりだったんだけど、そこに、「その100人のうちのできるだけ多くの方がこの物語を好きになってくださいますように!」っていう観点が加わる…というのかな??


――と、いまは冷静に淡々と書いてるけど、改稿に取り組んでいる時は無我夢中で、「どうすればいいんだろう!?!? わかんない!わかんない!!!」と、悩むたびに髪を掻きむしりそうになっていました。


プロ作家の皆様、カクヨムでも人気作の作家の皆様はそういうことをいつもされているはずだから、すごいなぁ~、マジで勇者で魔導士だなぁ…と、いまじゃ、書店に並ぶ本が聖書に見えたりするし…。


でも、それってすごく大事なことですよね。

わたしは自己満足が過ぎて見ようともしてこなかったけど……。


ほんと、刺激は時々つらいけど、結局楽しいです。

勉強になるなぁ。

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