第9話 教団と赤い花

僕が目を覚ますと二人の女は隣で寝息を立てていた。


どれくらい寝ていたのかはわからないけれど、疲れが完全に取れていたので深い眠りに落ちていたみたいだった。


「あんたねぇ、私の事忘れてるんじゃないの? それに、そろそろ魔王を倒してくれないと困るんだけどさ」


目の前に突然現れたリンネは僕の前でクルクル回るとそのまま消えてしまった。


「今のって妖精ですか?」


クロハがいきなり話しかけてきたので驚いていたのだけれど、隣で寝ている女の人達は目を覚ます様子が無かった。


「あ、俺の姿が見えるのはお前くらいだと思うけどさ、お前が一人で喋ってたら変に思われそうだし、時間の流れを変えてみたんだよね。幽霊なら誰でもできるみたいだって、さっき教えてもらったんだよね」


「ちょっと、あんた達何してるのか知らないけれど、転生者じゃないなら違うって先に言いなさいよね。てか、あんた気配なさすぎなんだけど、本当に幽霊なの?」


「俺は殺されてから幽霊になったんだけど、殺されなくても死んだら幽霊になるのかな?」


「私が知るわけないじゃない。こっちの世界の事を正確に把握していないんだし、あんたの知ってる事教えなさいよ」


クロハとリンネが僕を無視してお話をしているみたいなので、ゆっくり聞いてみようと思った。


僕は水差しの中に入っているよくわからない薄紅色の液体をグラスに注ぐと、それを一口飲んでみた。


意外と美味だったので、それを飲みながら二人の話を聞いていく事にした。


「ちょっと、私が何がわからないかわからないから適当に教えなさいよ」


「じゃあ、この教団の事は知ってると思うんで、この世界の三大国の事を簡単に教えとくよ。

三大国は帝国と法国と連合国の三つだな。

帝国を支配しているのは何とかって名前の皇帝で、こいつは戦闘系のスキルを使えるらしいんだけど、詳しい事は知らないな。兵士たちも皇帝に対して絶対の忠誠を誓っているんだけど、それもスキルのせいなんじゃないかって噂されているぞ。

続いて、法国なんだけど、ここは法王を中心とする魔法使いの国みたいだな。魔法使いなんであんまり他国に攻めたりはしないんだけど、絶対的な防御力で難攻不落の要塞と化しているみたいだぞ。ここを攻めたのは帝国軍の一部なんだけど、何も出来ずに敗走したらしいな。

最後に連合国か。ここは帝国の首都から離れた極東の国が中心となって組まれている、対帝国の同盟国みたいな感じだな。参加している国の数が三桁近いらしいんだけど、戦力はそこまででもないので、真正面から戦うのではなくゲリラ的な戦いが多いみたいだな。

ま、俺も生きている時の記憶がだんだん抜け落ちているみたいで、肝心なことは思い出せたいないかもな」


クロハが豪快に笑っていると、リンネは何か気になる事があったようだった。


「あのさ、法国って魔法使いばっかりなんだったら遠距離魔法とか使って帝国を滅ぼしちゃえばいいんじゃないの?」


「それは無理だと思うな。帝国にもそれなりに強い防御魔法がかかっていて、それを突破するには法国の防衛戦力を攻撃に回さないと無理だと思うんだよね。そんなことしてしまったら、漁夫の利で連合国が全て攫っていくんじゃないかな」


「その三つの国が争いをやめて仲良くすることは無いの?」


「もともと帝国と法国は同じ国同士だったんだけど、先代の法王が皇帝に処刑された時に完全に袂を分かったらしいんだよね。

そんなわけで、法国に追従する国や、もともと帝国と敵対していた国なんかが法国と同盟を結んでいたらしいよ。

もっとも、法国の人達は魔法使い以外は対帝国用の駒としてしか見ていなかったみたいで、それを感じ取っていた国々が集まって作ったのが連合だったかな?

現皇帝も即位して四百年くらい経つみたいだし、現法王も三百年くらい法王を続けているって噂なんだよね」


「この世界の人ってそんなに長生きなの?」


「まさか、そんなわけないでしょ。あの二人は人間の限界を超えた化け物だって噂もあるくらいだし、もしかしたらお前の仲間なのかもな」


クロハはそう言いながら豪快に笑っていたけれど、リンネは変わらず何か思うところがあるみたいで、珍しく真剣な表情で何かを考えていた。


僕はその様子を薄紅色の液体を飲みながら見ていた。


リンネが何かを思いついたのかわからないけれど、その場でくるりと回ると消えてしまった。


「妖精って急に出たり消えたりするんだね。俺は自分の意志で出たり消えたり出来ないんで羨ましいかも」


「僕にはクロハが好きな時に現れているのかと思っていたよ」


「基本的には日の光があるところは出られないっぽいんだよね。そんなわけで、こういう日の当たらない空間か夜間だけだね」


そんな話をしていると、リンネが突然現れていた。


「ちょっとちょっと、気になって調べてきたんだけど、皇帝も法王も転生者ではないみたいよ。でも、転生者の特徴を持っているみたいなのよね」


「それってどういうこと?」


「よくわからないんだけど、この世界の住人にもスキルを使える人がいるのは知っていると思うんだけど、何らかの方法でスキルやら能力やらを奪っているのかもしれないわね」


「そんなことが出来たとして、どうしてそれがわかるの?」


「私のところにも何人かいたんだけど、死ぬ前にスキルを失ってしまった転生者がいたのよ。その人達は再び転生することが出来なくなってしまって、そのままあっちの世界で過ごしているのよね」


「あっちの世界ってどんなとこなの?」


「あんたには関係ない世界だから気にしなくていいわよ」


「そんなこと言われたって俺も知りたいよ」


「あんたは気にしなくていいのよ。それに、知ったところであんたには行く方法がないんだしね」


クロハは寂しそうな顔で遠くを見ているようだったけれど、僕の前に急に移動してきていた。


「なあ、あんたはこっちとあっちとやらを自由に行き来出来るのか?」


「僕は死んだ時だけあっちに行くんだけど、こっちの世界に来るときは場所を選べないんだよね」


「それは難儀だね。でも、俺と違って死んでも先があるのはうらやましいかも」


「ちょっと、あんたの行き先ってスキルを選らんだ時点で決まっているのよ。選んだスキルを活用出来るような場所じゃないと意味ないと思わない? それに、今までだって選んだスキルが活躍するような場所に行っていたでしょ」


「そう言えばそうかも。選んだスキルが無駄にならないように上手く選ばれているんだね」


「当り前じゃない、今回だって魔王を倒そうとしてないのはダメだけど、こうやってスキルの熟練度を上げているのはいい事だと思うわ」


「そろそろ女の人達の時間を操作するのも限界に近いし、俺はいったん隠れておくよ」


そう言うとクロハはクローゼットと壁の隙間へと吸い込まれていった。


「あの人達が目を覚ましても私の姿が見えないんだけど、他にも転生者がいたら面倒なんで私も消えておくわ」


クロハに続いてリンネも空中に消えていった。


僕が飲んでいた薄紅色の液体もいつの間にか空になっていた。


そんな時にノックする音が聞こえて扉を開けると、そこには老人が一人で立っていた。


「少しはお休みになられましたかな?」


先ほどより元気になっている僕を見て安心したのか、老人は部屋の中を軽く一瞥するとそのままもと来た道を戻って行った。


「ああ、私達もいつのまにか寝ていたようですわね。何のお世話もせずに申し訳ないですけれど、いったんお暇させていただきますわね」


先ほどまで寝ていた女性がそう言うと、もう一人の女性も軽く着ているものを直して出ていった。


「よくわからないけれど、外に出てもいいってことだよな」


誰に言うでもない独り言を言った僕の前にいかにも『武闘派ですよ』と言った感じの男が立ちはだかった。


「他の人から何も聞いてないと思うんすけど、俺っちが指導者様の身の安全を守るように言われたっす。でも、指導者様って強いらしいから必要なさそうですね」


そう言って豪快に笑っている男が僕の前を歩いていた。


どういう仕組みなのかわからないけれど、僕が曲がろうとする道を一度も間違えずに先導していたのは不思議だった。


「あの、どうして僕が進みたい方向に行ってるんですか?」


「えっと、俺っちもスキル持ちなんすよ。二秒先の未来を予測できるってスキルなんすけど、だいたい当てられるって程度で外れることもあるんすよね。今日は調子いいみたいっす」


「大体わかるなら戦っても負けなそうだね」


「タイマンだったらほとんど負けないっすけど、ほんとの戦争とかになったら役に立たないと思うっすよね。二秒前に気付いたって避けられない攻撃たくさんありそうっすから」


これはフラグっぽいなと思っていたけど、きっと大丈夫だろう。


これもフラグになるのかな?


自然と案内される形になって入った部屋の中は、今まで見たこともないような装飾品が施された家具とも美術品とも言い難い何かが大量に設置されていた。


中には杖を掲げた老人の像や羽の付いた半裸の女性像や巨大な生物が描かれている絵画などが無造作に展示されていたのだけれど、その中の一つに見覚えのある彫刻があった。


「あの、この部屋って美術室とかそんな部屋なんですか?」


「えっと、俺っちもよくわからないんだけど、これから老師が来るんで少しだけ待っててもらえますか?」


そう言われると待つしかないのだけれど、展示されている中でも見覚えのある女性の彫刻が気になって仕方ない。


どこかで見たような気がしているけれど、はっきりとは思い出せないようなもやもやした感覚が頭の中を駆け巡っていた。


壊れないように慎重に触ってみたのだけれど、どうしても思い出せないのはなぜだろう。


色々思い出そうとしていて、彫刻の胸を何となく触った時に懐かしい感じがした。


この硬い胸板を触っている感触は経験したことは無いのだけれど、胸を触るような格好で顔を見上げている体勢は記憶にあった。


「あの、いったい何をしておるんですか?」


いつの間にか老人が入室していたらしく、若干気まずい空気が流れてしまった。


僕は何とかごまかそうと思って、言葉を選んでいた。


時間をかければかけるほど気まずくなりそうなので、早めに答えに辿り着かなくてはいけない。


「あ、え、えっと、この彫刻が、知り合いに似ていたもんで確かめてました」


答えとしては間違っているんだろうけど、老人の反応は僕の予想とは違うものだった。


「なんと、その彫刻のモデルをご存じなのか? それは指導者様たちをここに導いてくれた女性の像であります」


なぜ忘れていたのか思い出せないけれど、その言葉を聞いて僕は光の柱に包まれてここに転生させられる前の情景を思い出していた。


声と雰囲気は思い出せるのだけれど、どうしても顔は思い出せない。


彫刻の顔を確認してみると、そこにも表情は無かった。


「あの、この彫刻って顔ないんですか?」


「ええ、指導者様も何とか姿は思い出せたらしいのですが、顔までは思い出せなかったようです」


「僕もなぜか顔だけ思い出せないんですよね」


「何とも不思議な事ですな」


そんな会話を交わしていると、武闘派の男が僕たち二人を突き飛ばした。


「何するんだよ……」


そう言って僕が顔を上げると、天井を突き破って来たのか、無数の槍が男の体を貫いていた。


「ああ、何という事じゃ。わしらが考えているよりも事態は急速に動いているようじゃ」


僕は何が何だかわからないけれど、ここにいては危険だと思い、どこかへ隠れようとあたりを見回してみた。


どこも安全そうだけど、どこに行っても危険なような気がしている。


この建物は普通の建物よりも壁も天井も厚そうなのに、無数の槍が天井を突き破って襲ってくるようでは逃げ場もないだろう。


しかし、天井を見ると穴は一つも空いていなかった。


あれだけの数の槍がどうやって天井を突き破らずに人の体に刺さるのだろうか?


気になってどうしようもなくなった僕は、槍を確認しようと思って近づいてみた。


「なんで? 槍が消えている」


どのような槍か覚えていないのだけれど、確かに男の体を無数の槍が貫いていたはずだ。


その証拠に、床に横たわる男の死体は無数の穴が開いていて、原形をほとんどとどめていなかったのだ。


「これはまずいですぞ。わしらにはどうする事も出来ません。こうなった以上、指導者様だけでもお逃げください」


「待ってください、意味が分からないです。いったい何が起こっているんですか?」


「おそらくですが、帝国軍の一部がここに攻めてきているのだと思います。あの槍はおそらく次元転移の魔法を用いられたのだと思いますが、それを感知できるものはここにはおりません。どうやって指導者様の位置を特定したのかはわかりませんが、一か所にとどまっていては危険だと思います」


そう言いながらも僕の手を引く老人に連れられて地下へと降りていった。


地下は地上の部屋と違ってひんやりとした空気に包まれていた。


「地上までは一本道なので安心してください。途中に赤い花が群生していると思うのですが、その花を一輪持って行ってくれれば後は何とかなると思いますので」


そう言うと、老人は来た道を引き返して行った。


薄暗い明かりを頼りに進んでいると、後方から大きな爆発音が聞こえてきた。


何があったのだろうと振り返ると、突風が僕の体を通り抜けていった。


その衝撃でランタンの火が消えてしまったので何も見えなくなってしまった。


何とか手探りで壁を見つけたので、壁伝いに道を進むしかなさそうだった。


「何だかわからないけど、あんたも大変ね」


リンネが突然現れて僕の持っているランタンに入っていった。


何をしているんだろうと思って見ていると、だんだんとリンネの体が発光し始めて、先ほどまで使っていたランタンよりも明るくなっていた。


「出口が見えるまでは助けてあげるわよ。こんなところで死なれたりしたら、私も恥ずかしくなっちゃうんだし」


リンネの助けを借りて道沿いに進んでいると、赤い花が咲き乱れる水場に辿り着いた。


「この花って何か知ってる?」


「詳しくは知らないけれど、あの教団が育ててるのは間違いないんじゃないかな」


突然出てきたクロハの存在に少し驚きつつも、僕は言われた通り花を一輪だけ取っていった。


喉も乾いていたので壁の隙間から湧き出ている水を飲もうと手を伸ばすと、冷たい水が気持ちよかった。


喉を潤して先へ進んでいると、遠くの方が明るくなっていた。


「ここまでくればもう大丈夫よね。今日は少ししかいられなかったけど、今までで一番疲れたわ。じゃあ、またあとで会いましょうね」


そう言ってリンネがランタンから飛び出ると、そのまま消えていった。


「俺もこれ以上先へ行くと明かりで消えちゃいそうだし、向こうに戻る事にするわ。こっちに来る機会があったら挨拶に行くよ」


クロハもそのまま消えてしまった。


若干の薄暗さは感じていたのだけれど、全く見えないほどではなかったので先へ進むことにした。


閉塞感のある地下空間から開放的な地上へと進めることが嬉しくなった僕は、思いのほか駆け足になっていたようで、いつの間にか移動速度が早くなっていたようだ。


あっという間に外に出たのだけれど、太陽の光が眩しすぎて目を開けることが出来なかった。


「あれ? 洞窟から誰か知らないやつが出てきたぞ。お前はあの教団の関係者か?」


「いやいやいや、先輩。こんなとこ通るのって関係者しかいないですよ。とりあえず捕まえましょうよ」


「そうだな、もし違ったら解放すればいいだけの話だもんな」


明るさに慣れてきて目を開けることが出来るようになると、目の前に軽装ではあるが鎧を身に着けた男が二人立っていた。


「すいません。あなたはあの教団の関係者ですか?」


僕は何と言えば切り抜けられるか考えていたのだけれど、しばらく黙っていると右手が熱くなっているのを感じた。


「返事がないってことは関係者って事でいいんですよね?」


男たちが何をしたいのかはわからないけれど、異常に熱さを感じていた右手が今はものすごく寒く感じている。


あまりの寒さに指の感覚が無くなっていたのだけれど、右手を確認すると手首から先が無くなっていた。


「すいません。返事がないんで切り落としちゃいました」


そう言って笑みを浮かべる男が怖くなって、僕は全力で逃げることにした。


どっちに逃げればいいのかわからないのだけれど、今体が向いている方向に全力で走ることにしよう。


限界まで走ればこの二人もついてこられないとは思うのだけれど、動けるくらいの体力は残しておいた方がよさそうだな。


そう思って全力で駆けだしたのだけれど、僕は盛大に転んでしまった。


「先輩、やっぱこいつ怪しいっすよ。普通はこんなに慌てて逃げないでしょ?」


「そうだな、何だか怪しいけれど、とりあえず動けないようにしちゃおう」


このままではまずいと思って立ち上がって駆けだそうとするのだけれど、どうしても体が右の方向へ倒れてしまう。


たった右手の先が無いだけで、こんなにバランスを取るのが難しくなるような繊細なスキルなのかと思っていたのだが、僕の右足の膝から先が男たちの足元に落ちているだけだった。


「お前さ、右手と右足を切り落としたら死んじゃうんじゃないか?」


「そうかもしれないですけど、切り落とさなかったら逃げられてましたよ」


「俺らって追いかけるの苦手だから仕方ないけど、盾でぶん殴ればよかったんじゃないか?」


「先輩ってバカなんですか? 盾は守るもので攻撃するものじゃないですよ」


笑いながら近づいてくる二人の男の盾には見覚えのある紋章が刻まれていた。


クロハに教えてもらった帝国の紋章がこんな感じだったような気がする。


「今更聞くのもなんだけれど、あんたは教団の関係者か?」


僕は関係者ではないけどお世話になったことを伝えた。


信じていたのか信じていなかったのかはわからないけれど、持っていた一輪の赤い花を差し出すと二人の疑いの目は晴れたようだった。


「この花を持ってるってことは、お兄さんは転生者なんだね」


「花と転生者に何の関係があるのですか?」


「そっか、お兄さんは何も知らされずに巻き込まれちゃったんだね」


「先輩、あんまり余計なこと言わない方がいいですよ」


男が僕から花を奪い取ると、その花を太陽にかざして観察していた。


「俺も本物を見たことは無いんだけど、聞いてた通りの花だぞ」


その花を渡された男も太陽の光にかざしていた。


「うわぁ、本当に青くなるんですね。僕のお母さんが育ててる花でやっても変化しなかったのに」


そう言って嬉しそうにはしゃいでいる男を見ると、僕は助かったのだと気付いた。


「お兄さんを今から助けるんで、出来れば次は帝国の味方になってくれると助かるな」


「ええ、助けていただけるなら帝国の力になりますとも」


「絶対の約束だよ」


二人に向かって頷くと、二人とも安心したような顔で僕を見つめていた。


「じゃあ、次に転生するときは帝国の役に立ってもらうからね」


僕の手と足を斬り落とした男が僕の首に刃を当てていた。


「え? どういうこと?」


「だって、お兄さんは転生者なんだからまた転生できるでしょ? 手足が無いんじゃ役に立たないんで、ちゃんと戦える状態で戻ってきてね」


僕が言葉を発する前に刃は首を斬り落としていた。


あまりにも鮮やかな剣捌きだからなのか、僕は自分の体がゆっくりと前のめりに倒れていく様子を見ることが出来た。


「じゃあ、次に転生するときは味方でよろしくね」

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