分岐点



~4ヶ月前~


「私、やっぱり倫也くんのメインヒロインにはなれないよ」

そう彼に告げ、1人でワンマン列車に乗り込み、

「酷いよ、倫也くん。」

と呟いた私の瞳からは涙が溢れていた。

その涙は、とても悲しい味がした。


「出海ちゃんや美智留ちゃんに酷い事言っちゃったなぁそれに私自身にも嘘、ついちゃったな」

その晩、暗い廊下に座り込んで恵は、そう呟いた

「倫也くん、酷いよ、鈍感で女の子の気持ちなんてこれっぽっちも理解してなくて、強引で我儘で、人使い荒くてそれでもやっぱり愛おしくて、頑張って頑張って倫也くんのメインヒロインになってもやっぱり他の女の子の所に行っちゃって、、、、

誕生日、祝って欲しかったな、

私の誕生日は、9/24じゃ無いんだよ、倫也くん。」

そう言いながら私はまるで子供のように声を上げて泣いていた。最低の主人公の事を想いながら。

そして枕を濡らしながら、寝てしまった

「あはは、寝ちゃったんだ。何やってるんだろ私。

よし!あの最低プロデューサーなんか居なくても出来るんだって証明してやる!」

と、決意した。


実際、倫也くんのいないサークル活動は、

みんななんだかぎこち無く、活気も無いつまらないものだった。

活動を重ねる毎に私は、倫也くんのいた頃と比較して

過去を惜しんでいた。直ぐに元通りになると知っていながら、

そして、フィーズクロニクルのマスターアップを終えた次の日私は倫也くんを視聴覚室呼び出した。


「恵、遅いなぁ何してるんだろう」

その日俺は恵に話があるから視聴覚室に来てと呼び出され視聴覚室にいた。

「恵、怒ってるかなぁ俺が2週間もblessing softwareを放置して、、」

俺はそう呟き、静かに彼女が来るのを待っていた。

数分後、ぎこちない笑みを浮かべながら彼女は、

視聴覚室のドアを開けた。

「ごめんね安芸くん私から呼び出しておいて遅れちゃって、」

「大丈夫だよ恵。それで話って?」

「ごめんね安芸くん。私は君が望むヒロインにはなれないよ。絶対に。」

彼女は泣きながら僕にそう告げると。

「安芸くんが悪いんだよ私を放っておいて!」

そう叫びながらスカートのポケットから何かを出しそれを僕の脇腹に刺した。

焼けるような痛みと共に僕の血が吹き出した。

彼女は、顔を真っ青にして、走り去ってしまった。

俺の叫びを聞きつけた教師が救急車を呼び、

俺は2ヶ月の入院を余儀なくされた。

そして彼女は、殺人未遂で懲役2年4ヶ月を言い渡されたのだった

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