加藤恵の邂逅
安芸倫也さんへ
倫也くん、じゃなくて安芸くん
あれからもう4ヶ月経つんだね。
私が言うのも変な話だけど、
体、大丈夫ですか?
あの時の私は、
はっきり言って安芸くんの事好きだった。
大好きで大好きででも自分の気持ちを上手く伝えられなくて、、、やっと澤村さんや、霞ヶ丘先輩から
安芸くんを奪えたと思っていたのに、
安芸くんは、2人がピンチになったら、
私達いや私を放ったらかしにして2人の元に
行っちゃったのが何故か許せなくて、、
安芸くんがblessing softwareに戻ってくるその日も
本当はとっても嬉しい筈なのに、
なんだかなぁって、感じで
素直に喜べなくって、許せないって気持ちが
どんどん大きくなって、
安芸くんを大好きなはずの安芸くんの事を
無意識のうちに刺してしまっていました。
本当にごめんなさい。
安芸くんにはどんなに謝っても謝りきれません。
こんなこと言っちゃダメだとは思うけど、
もし安芸くんが私なんかと会ってくれるなら、
面会に来て欲しいです。
加藤恵より。
「はぁ、私何でこんな手紙書いてるんだろう、自分の事を刺した女の子からの手紙何て安芸くんが欲しがる訳ないよね、、、」
と、呟くと私はその手紙を破り捨てた。
刑務所の狭い小部屋の中、
格子の隙間から覗き込む桜を眺めながら
青春を共にした彼に想いを馳せながら
静かに涙を流していた。
届かぬ想いだと知りながら。
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