第14話

 「いよいよだね。リモちゃん」

 暗がりの中ザイログの声がする。声が震えている。

 (大丈夫。きっとうまくいきます。それにこの雨は我々に味方してくれます)

 「リモちゃんを信じた自分を信じるさ。みんなの避難は完了したかな?」

 (もう完了している頃です。確認します。オールドマンさん! 避難は完了していますか? 完了していたらやぶら弾を上げてください)

 しばらくしてから遠くでヒューという甲高い音が聞こえた。

 (OKですね)

 「ひとまず安心だ」

 (あとは騎士団にお任せください。そうだろ? モントーネ)

 「陛下、騎士団の保有する大砲の配備は全て完了しています。あとは撃つだけです」

 「頼むぜ。モントリオール団長」

 「陛下、モントーネです」

 (モントーネ。こっちから先に砲撃しないよう命令してある?)

 「ああ、お前に言われた通りだ。相手の弾着を確認してから砲撃するよう部下どもには、しっかりと言い含めてある。それにだ、オレの事は団長と呼べ。陛下の前だからって調子に乗ってんじゃねェぞ」

 (じゃあ僕の事は大臣と呼んでね)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る