第36話 「間」という恐怖
センターでの療育を終えて、地元の支援が受けれるようになるまで少し間が空いた。
怖かった。
それまで週一のリズムで親子して療育支援を受けてきたのに……。
日にちにすると、何ヶ月も空いた訳ではないのに。
少しの間で、今までの積み重ねた努力がゼロになってしまう気がして、本当に恐怖だった。
また息子は振り出しに戻るんじゃないだろうか。
また1から何もかも頑張らないといけないんじゃないだろうか。
少しの間は、私には恐怖でしかなかった。
結論から言うならば、当たり前だが…それまで積み重ねてきた経験や身についた事は、きちんと身となり、息子の成長を助けてくれている。
何もかもゼロになるわけがない。
今考えると ちゃんと分かるのに……
あの頃は本気でその恐怖と戦っていた。
私にとって、すでに療育支援というものがなくてはならないものになっていた。
今の時代、色々な研究も進み 療育に対しても賛否両論ある。
どういう支援を受けて育てていくか……
それは色々な選択肢から、結局は親が決めていかなくてはならない。
何が正解で何が間違いなのか、未だにそれが分からないから 色々な形の自閉症児への支援が次々と考え出されていき、常に新しい考え方に親は惹かれていく。
自閉症とひとことで言っても、本当に十人十色。
どの方法が我が子に合っているのか……
やって見なくちゃ分からない。
ただ言えることは、早期発見、早期支援。
躊躇してしまうが、、育てていく中で、あれ?と思ったらまずはとにかく発達相談をしてみること。
思い過ごしなら全然それで良い。
そうできる親の勇気ひとつが大事なカギになっている気がする。
その時には何も分からず、ただ無我夢中だけど……
息子が20歳になった今だからこそ、私は そんなことも考え、思えられるのだろうと思う。
さぁ、そして いよいよ地元での療育教室が始まることになる。
やはり1つの教室の定員は10人。
地元の教室は、2つの教室からなっていた。
その1つ、うさぎ教室が息子の通うことになる新しい教室の名前だ。
新しいスタート!ドキドキ不安だったけど、とりあえず「間」の恐怖からは解放された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます