第35話 面談の日
面談の日、主人にも同行してもらって、3人で行った。
広い部屋にいくつかのおもちゃと、大型遊具(すべり台)。
その近くに、小さな机。。
私と主人は、少し年配の女性の先生ともう1人少し若い女性のスタッフの2人と話す。
そして、その間にもう1人の先生が息子と一緒に遊んでくれていた。
息子と、その先生のやり取りが気になりつつ、私たちは、質問されることに答え、またこれまでの事、様子を伝えた。
おそらく、大まかなことは、すでにセンターから情報として聞いていると思われる。
聞けば、この先生方は以前センターで保育士として働いておられたり、あるいは長年発達障害児と関わるお仕事をされていた方たちで、なかなかの経験者だった。
以前はこの町に、たまにセンターから支援の出張のようなものできていたが、ここがあまりにも児童の発達支援が遅れていて、この町の親子を放っておけないという強い気持ちから、正式に委託を受けて今は少しずつ支援に力を入れているところなんだそうだ。
さて、息子は……あれこれあるおもちゃに手を出し、次から次へと遊びに集中していた。
そして、側にいる先生は……そんな息子に何とかして関わろうとあれこれ声を掛けてくれていた。
ひと通り遊んで、息子についていた先生がこちらに加わられた。
そして、、息子をみた感想を教えてくれた。
息子くんは、やはり自閉症特有の動きがみられますね。。
まるで、横に誰もいないかのように遊んでますね。。
ただ、1番気になったのは、人が近づくとスーッと離れていってしまうところです。
人が近くにいるととてもイヤなようですね。
逃げていってしまいます。。
常に、周りの人と一定距離をおいて動いていて、人がいない所へ行こうとします。
人との関わりを作っていくところが課題のひとつだと思います。。
…そのような事を言われた記憶がある。
そういえば……自分からは私の所に来ることがあっても、こちらが近寄ったり、ハグしようとしたら スーッと離れていた。。
そして、もらったアドバイスの中に、1日にテレビや、ビデオを見ていることが多いということで、出来ればテレビは無い方が良いとのこと。
あるのに、見てはいけないと言うのは難しいので、思い切って無くす!という方法はどうかと言うものがあった。
また、逆に 息子を見て良いと思ったところは。。
絵本を読んでいる時には、じっと座って集中して絵本を見ているところだったらしい。
絵本は、息子と人とを繋ぐ大事な橋になるだろうと。
そこが関係を築いていく1つのきっかけになれると。
なので、たくさん良い本を読んであげて欲しいと言われた。
いくつか推薦絵本を紹介して頂き、それを書き留め…私たちは、来月からの療育支援教室、うさぎ教室にいれてもらえることになった。
帰り道、本屋へ行き紹介された絵本を何冊か購入した。
家へ着いて、まず私たちはたち夫婦はリビングの部屋からテレビとビデオデッキを2階の小さな和室の部屋へと一気に移動させた。
こういうことは、言われたその時にやっといた方が良い。
またいつか…は、ほとんどやらない確率が高いもの。。
今まで当たり前のように聞こえていたテレビの音が、その日から聞こえなくなった。。
部屋にテレビが無い事を 不便だと感じたのは最初のうちで、見たい人は「テレビの部屋」にいって見るので、それで結果的には家族みんなにとっても良かった気がした。
簡単にテレビのスイッチをつけないし。
息子にとって良い……ということは、普通に長男や三男にとっても良いことで、生活がシンプルになることで関わりも自然に増える。
我が家にとっては良いことづくしと言う感じかな。。
うん、まぁ…そういうことにしておこう。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます