第4話 所持品確認

 気を取り直してストレージになにが入っているか確認する事にした。

「”クローゼット”に予備の衣類、”アーセナル”に杖、魔導書、”研究室”には魔道具、魔道カッター、錬金術器具一式に集積魔方陣刻印具……?」

 ガイドブックのページをめくるごとに見出し文が変わる。どうやらカテゴリ別に整理されているらしい。

 

 武器の類いがないのが痛いな。魔物とかに襲われたらどうするんだ。

「”素材庫”には凝血石が沢山……」

 これは角とか内臓とか、魔獣の部位を赤い石にしたような研究室の消耗品とある。多分冒険者ギルド、とかでやりとりするんだろう。


「”ダイニングキッチン”に生活用品一式、”薬棚”には小回復ポーションがダース単位……」


 ダイニングキッチン? いやそれより、ポーションはあるんだな。


「”金庫”には十万ディナ金貨で二十枚。ディナは円とほぼ同じ貨幣価値か。結構至れり尽くせりだな」

 檜の棒一本で送り出されるより大分優遇されている。


「”アーカイブ”は世界地図か」

 アーカイブはすべてこのガイドブックのページに直接現れるらしい。


「今世界はどうなっているんだ?」

 地図はウェブでお世話になっていたあの地図の仕様そのままだ。


 世界地図を表示すると太った日本みたいな島が表示された。融合の結果か。

 ピンチインしてみると現在地と表示されたピンがたっていた。

 ここは世界が融合した時に居た場所とそう離れていない、俺がすんでいた関東の地方都市だ。


 なんか赤い区画が都市を中心にパラパラある。これが新世界の街で都城というらしい。

 壁っぽいモノの外側にある程度広がっているから城壁の中というわけでもないんだな。


「あ、書き込みできる」

 地元、と書いてみたらメモができた。シキ優秀ー。


 じゃなくて、赤い区画の他は市街地や山があるけれど、大半が灰色で、所どころ白く抜けている。どういう違いがあるんだ?

「灰色はダンジョン——ダンジョン!?」

 ダンジョンといったら洞窟を思い浮かべるので意外な気がした。

 でもフィールド型ダンジョンとかも無いわけではないし。あり得るか。どっちにしても灰色は魔獣がでる場所で、白色は人間種しか入れない場所、らしい。


「お、日本の外側もみれられるのか……ってなんだこれ!?」

 どんどんピンチアウトしていき周辺が表示されると同時に驚愕の事実が判明した。





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・器用貧乏な罠師は逃亡中でも趣味に走ることをやめない

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