凍った関係Ⅱ

「俺たちの関係は凍らされていたんだ」

俺はそう言った。

「小池さんはは心が凍らされ、俺は記憶を凍らせれた。だが今さっき渡辺さんの言葉で俺は、俺たちは凍ったものにひびが入り今さっき俺はそのことを思い出した」

渡辺さんはもう涙が出ていた。

「俺と小池さんは今も凍ったものを壊そうとしている。それを邪魔をするなら俺は許さない!」

彼女は歯ぎしりを立てた。

「小林君、その女は凍心病なんだ。なら私が小林君が私のことを思ってくれるまでその女を傷つけるけど、いい?」

完璧な脅しだ。女子って怖い奴だと改めて思った。でも、

「そんなことはさせない。渡辺さんが傷つける前に俺が小池さんを先に守る」

「小池さんを守る。かっこいいね。でも誰も一人でなんて言ってない」

「その時は俺が守ってやるよ」

そこに来たのは山田だった。山田を味方につけると大変なことになりそうだ。

「俺は中学の時、30対、俺一人で勝ったから、複数で襲ってきても俺が相手してやるよ」

山田はほんとにいいやつだな。でも今思えば、そんなことがあったな。山田が部活でもめて、野球部の8割とサッカー部の山田一人で相手して野球部をぼこぼこにした。そのおかげで問題は解決したそうだ。よくもまぁ、暴力を振っておいて教師に怒られなかったなぁ。でも助かる友達だよ山田は。

「あ、でも俺一人じゃないから、沢田もいるから俺たち楽しみにしてるよ。翔太大丈夫か。行こうぜ。飯の時間が無くなってしまう。小池さんも大丈夫かい?翔太に守ってもらってよかったな」

彼女は顔を赤くしてうつむいた。そして少しだけうなずいた。俺でよかったのか。

「変なこと言うな。こっちまで恥ずくなるわ」

「そういっときながら、ずっと小池さんを抱えたままじゃん。やっぱり付き合ってんの?」

俺は今気づいた。彼女をかばってからずっとこの体勢だということを。俺は彼女を抱えて立って、彼女を下ろしながら。

「大丈夫か。立てるか」

彼女はうなずいた。そして

「言っとくけど、俺は本気だから。これ以上、涼音に手を出したらただじゃ、すまないからな。行こう」

俺はそれだけ言って、渡辺さんから離れた。そして渡辺さんが「なんでこうなっちゃうの!」と言っていた。今頃、後悔しても遅いって。

「なぁ翔太。ほんとに付き合ってないの?」

俺ははっきりと

「付き合ってないよ」

「その割にはさっき、小池さんの事、涼音って言ってたぞ。それはどういう進展?」

確かに俺はさっき涼音って言ったような。俺は今思い出して顔を赤くした。

「小池さんは翔太の事どう思ってる?」

彼女はうつ向いて

「翔太君のことは・・・好き・・だよ」

え⁉ 今彼女はなんていった?好きと言った?マジで?俺の聞き間違い?いやでも確かに今好きって言った。友達としてか。友達として俺が好きなのかそれならちゃんと友達をつけないと、また誤解される。

「異性として、翔太君が・・・好き。優しいし、かっこいいし、翔太君と一緒にいると楽しい」

マジかー。これは告白になってるよな。告白だよな。まて、さっきから彼女はしゃべってないか、確か彼女は凍心病で心が凍ったはず、

「小池さん、大丈夫?さっきからしゃべっているけど」

彼女はうなずいて

「渡辺さんに押されて翔太君がかばってくれたあと、何かがひびが入る音がしたの。それから、少しだけ話せるようになった」

彼女もあの音が聞こえたんだ。もしかして俺たちの関係に原因があったのか。

「あのぉ、翔太さん。さっき、小池さんが告白したけどその件に関してはどうするつもりですか」

突然。山田が割り込んできた。確かに俺は彼女に告白され・・・

わすれてたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。

どうしよう。何を言えばいいのかわからない。

「翔太、付き合っちゃいなよ。翔太も小池さんの事好きなんだろ」

と俺の耳元にささやいた。俺は腹をくくって、言った。

「俺は涼音のことが好きです。俺と付き合ってください」

言った。言ってしまった。もう、後戻りはできない。鼓動が速くなっていくのがわかる。俺は彼女のほうを見た。彼女は少し泣きながら、

「私なんか良ければ、・・・」

よかった。これで振られたら俺自殺しようと思っていたから。その瞬間「ぱりっ」とまた何かが割れそうな音がした。これは彼女にも聞こえたみたいだ。

「緊急報告、緊急報告、ただいまカップル成立」

いつの間にか、山田が教室で叫んでいた。やっちまった。それから約1時間ほど話に盛り上がっていた。俺と彼女は苦痛の時間でしかなかった。しかも、委員長の近くで。委員長ごめんなさい。俺はそれだけ思った。

だが、彼女は心が溶けてきている。俺の記憶も。

でも、あの夢の続きさえ見ることができたら、俺は確実に記憶を取り戻すだろ。あの夢のをもう一度最後まで見たい。彼女を助けたい。いや、絶対に助ける。

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