第二章 凍心病

彼女の口から、心が凍ったといった。俺は心が凍ったと聞いて驚いた。俺の友達も心が凍った事があり、助けを求めていたが誰もが冗談だと思い、その人を助けずその人は心が凍った事に耐え切れず自殺した。俺は心が凍るのは自分の身内に何か原因があると思っていた。だが、その人が死んでから2年後、ある研究員が心が凍り思いのまましゃべれず、いずれ死ぬ病気だと発表した。その名も凍心病だとなずけた。ネーミングセンスがなさすぎだろと俺は思った。そして凍心病になったその人はいつ死ぬかわからないそうだ。この病気を気づくことができるのが本人だけだそうだ。凍心病は日常のことは話せるが自分の思いを伝えることができない。いや、しようとしても頭痛や腹痛、吐き気がするそうだ。とても現実的なものではない。でも、現在は治す方法が出てきたそうだ。それは心が凍ってしっまた原因を解けば治ることができるそうだ。彼女が助けを求めているなら、俺は彼女を助けようと決めた。

俺は彼女に問いかけた。

「その病気から助けるのを手伝おうか?」

彼女はこっちを見て泣きそうな顔でうなずいた。彼女が助けを求めているなら、俺は絶対彼女を助けて見せる。もう彼みたいにさせたくない。まず原因から聞いてみることにした。

「話せる範囲でいいから、答えてな。まず、いつから心が凍ったの?」

彼女少し考えて、左指で4、右指で1を立てた。いわゆる、14歳からということだ。それから彼女が両手を使って8を表した。この8は意味が分からなかったが次の数字で分かった。それは左指で5、右指で1を表してから彼女は首を傾げた。俺は彼女が何を言おうととしていたかやっと解った。それは彼女が14歳の8月15日ごろに心が凍った、ということだ。日付まで大体分かっていたら原因がわかるかもしれない。俺は彼女に聞いてみた。

「その日、もしくはその日の当たりに心が凍ってしまう原因となる出来事が何かなかった?」

彼女は少し考えていたが落ち込んだ表情で横に頭を振った。原因不明の凍心病。原因がわからないと凍心病が治らない。早く原因を見つけて、彼女を助けないと。さもないと彼女が・・・死ぬ。俺はもう少し彼女のことと凍心病の原因の手がかりを聞いてみた、がやはり何もわからなかった。時間はないことが彼女の様子を見る限りわかる。とりあえず俺のスマホのメアドを教えて今日は帰ることにした。いったん整理をしないと。俺も彼女も一緒に帰ることにした、俺は彼女のペースに合わして歩きちょうどいいタイミングで電車が来た。どうやら俺も彼女も同じ町だった。電車がついてから、また歩き始めた。俺は思った。いくら凍心病だからって無言はよくないと思った。だが俺は今彼女の凍心病の原因を考えるのに精いっぱいだった。俺は彼女が心配だから家まで送ることにした。だが不思議なことに俺は彼女の家に向かっているはずなのになぜか俺の家のほうに向かっているのだ。

―—もしかして近所なのか——。

少し心配になったので、俺は

「家のまで送るつもりだけど、方向あってますか?」

彼女は真顔でうなずいた。俺は少し寒気がしてきたような気がした。そして彼女の家に着いた。俺は唖然とした。なぜ、なぜ彼女の家が、家が

「なんで、俺の家の隣なんだ⁉」

と大声で叫んでしまった。俺は慌てて口を押えた。なんで彼女の家が俺の隣なんだ。いつから俺の横に住んでいるか。今まで誰も住んでなかったのに。気になり

「ここにいつから住んでいるの?」

彼女はスマホを取り出して何かを打ち始めた。そしたら俺のスマホに通知が来た。見てみると、 

—今年の春から。お父さんの仕事の事情で帰っていた。

今年からか。それなら気づかなくて当然だ。でも帰ってきたということに気になった。帰ってきたということはもともとこの辺りに住んでいたことになる。でも俺の記憶の中で誰かが引っ越というのは聞いたことがない。


もしかして—

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