キーワード“介護”

 謝罪相手宅にいる人物は謝罪相手との関係は掴めていないものの介護というワードに関係がある人であるということが分かった。そのためこのあとの計画を考えるために村崎は一度事務所に戻って小西、佐鳥と話し合いをしてから次の行動に移ることを決めた。依頼人と話をする必要があるのか、という点だが少なくとも一度三人で情報整理をしてその中で必要があれば依頼人を交えることもあると思われる。

 村崎が事務所のドアを開けたときには既に話し合いをする状態が作られていた。この話し合いの主役は小西や佐鳥ではなく村崎であるため、いつもよりも良い席が空けられている。

 村崎と佐鳥が収集した情報から導き出した介護という言葉が関係あるということは小西に既に伝わっており、彼自身がこの話し合いをすると決めたその人である。

 話し合いの始まる前の現段階では村崎にも小西にも佐鳥にも“介護”ということからどのように今後の対応をしていくのかということについてこれといった意見は持っておらず、今まで通り粘ってインターホンを押し続けていくことを続けていくという可能性もあるし、また別のやり方をしていくという可能性もある。本当に話し合い次第でどちらにも転ぶ重要なものになる。

 話し合いが始まると三人の中の雰囲気的には今の状況よりも新たなものを生み出した方が良いのではないかという方向性を持っていた。やはり三人の中に今のやり方では到底先が見えないということが分かっていて何か打開策を見出ださないといけないという思いがあって色々調べていたというのもあるためにここで何かをしないと意味がないというのは否定できない。

 介護関係者に扮して家に乗り込むという手段もなくはないけれどもやはりそこにいる女性との間柄を調べないことにはその先に進むのは困難なのである。これを調べるというのが次に調べなくてはならないことであることは確かである。

 そこで調べが終わるまでに一度何通りかの対応の候補を出しておいてその調べた結果をもとに対応していくということで話が纏まった。

 謝罪相手宅の若い女性のことについては誰が調べるかという話だが、この代理謝罪の担当である村崎は何らかの調査をすることは絶対である。三人で話をした上で村崎は今まで通り謝罪相手宅の前に張っていて分かった情報を事務所に送る役割、小西と佐鳥はその他の情報をネットなどから集めて整理することと入った情報をもとに考える役割をすることに決まった。

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