第三回 短編『バイトバイトバイト』

## 今作の意図

今作の創作意図としては、


①手持ちのキャラクターを増やすこと

②サブテキストを使って地の文に味付けする


この2つだった。キャラクターについては、キャラが動くみたいな感覚が自分にはなくて、かなり課題だなと思ってきていたので、がっつり新作書くまえにキャラクターのことをここで掴んでおきたいなと思っていた。

反対にサブテキストについては、世の作品からどうやってサブテキストのある文体を作るのか、みたいなのは勉強していて、それを試したいという意図があった。


## 結果

結果として、どちらも不発に終わった。キャラクターは動かなかったし、サブテキストもいつの間にかやるのを忘れていた。


第一稿は探偵主人公型のストーリーで書いていたのだが、途中でストーリーラインが機能しなくなるのを感じて一旦潰した。探偵型の主人公を俺はやりがちなんだけど、今回は探偵みたいなわかりやすい目的がなくて、主人公にとってのストーリーが消え失せてしまった。

ただ、第一稿ではサブテキストのある演出がところどころできていてよかったなとは思う。意味はあったが連らなかった。


第二稿は『NARUTO』第一話を参考に、ストーリーラインが連なることを意識して主人公に課題を与えて対応させたが、主人公が後半成長できず終わってしまった。落ちきっていなかったのが原因な気もする。こういう、机上ではうまく行っていたがストーリーを書いていくとダメだろこれみたいになるケースが非常に多い。書ける人はどうやって書いてるんだろ、そういう時は素直に直して地道にやるだけなんだろうか。

また、第二稿に入ったところで当初思い描いていた演出がだいたい使えず、サブテキストのことも忘れ去られた。

ただ、前半の進め方は結構これはいいなと思うところもあった。課題に入っていくやり方とか。この感じで課題感を出して、あともっと膨らませられれば今回もう少しいい感じだったかも。けど落とし所がないからな。


## 今回の学び

メインの課題だったキャラクターについてがダメダメだったのでなんの意義もない作品に思えてしまうが、学んだことは案外結構あった。

1. キャラクター類型

登場人物の良し悪しを考える時、自分は『工学的ストーリー創作入門』にあったキャラクターの三次元という物差しか持っていなかったんだが、これ以外にも指標があるなと思えた。

例えば、『工学的〜』はストーリーを通じてキャラクターを描くことを言っているんだが、登場した瞬間に魅力的なキャラクターというのは存在する。そういうキャラクターはおそらく、自分の持っているキャラクター類型にアクセスしているから一瞬でキャラを掴めるんだと思う。なので、そういうポイントを考えられる。

1. アクションと会話

会話はアクションに含まれるか? ということ。嫌いと言われるより置いていかれる方がずっしりくる。それは何故なのか。意思の表出のさせ方として強いものが、時に会話ではないことがある。

1. キャッチーさ

これはコンセプトについて。やっぱり冒頭とかあらすじに読みたいと思えるものがないとダメだわ。

1. パート3が微妙な時は物語に進展がない

物語が後半に入ってなんだか微妙、という時はストーリーに進展がないことがある。そのためにパート2で前振りをやっておいたり、敵対者の動きを入れたり、色々と対策ができる。

1. 外的問題

主人公の目的がないとまじで話が詰むので、何をやっているのかはっきりさせろということ。仕事とかでもいいから。

1. 予想させないと意外な展開はない

読者が次の展開を予想するからこそそこから離れた時に意外だと思える。これ7年前くらいにも同じこと思ってた。けど忘れてた。


こんな感じ。


## 次回に向けて

現在やりたいのは、


・ジャンルをある程度しぼる

・コンセプトを決める

・すべてのシーンに進展を入れる


・手持ちのキャラクター増やす

・キャラクターの関係性によるドラマ

・文体(サブテクスト)のマスター


上3つはある程度できそうだなという感じ。けど後半は苦手。

次回は得意なキャラクターを使いつつ、サブテキストをもう一度やろうかなという感じ。文体とか演出の技法に最近興味がある。


以上!

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