「しかし」

　とルフレルは言葉を続けた。

「まず最初に魂紋を採取してこの機械に読み込ませなければ、そもそも、彼らを認識することができないため、魂紋の判明していない、ラファエル、ガブリエル、ウリエルを確実に追い詰めたとは言えないのです。残念なことに。

　324年前、彼らが火星に送り込まれ、最初に取得した肉体のデータは、彼らの先祖が建造した、地下ドーム都市に完璧な状態で保存されていました。しかし、あれから324年経った今、何度も人間の子供として生まれ変わった彼らは、全く別の身体を取得している可能性が高い。

　ですから、そのデータの解析にあまり意味はありませんでした。

　私たちが取れる手段は二つ。

　メモリーリーダーでミカエルの記憶を読み取り、残りの三人の手掛かりを得る。もしくは、火星人の記憶を片っ端から調べる。

　です。

　後者は既に実施されている部分もありますが、どちらかというとイピテルさんを探し出す色合いが強かったプロジェクトでした。本来その緊急性からすれば、残党の捜査にこそ、このプロジェクトを最大限活用するべきです」

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