モフの娼館2 ようこそ新しい世界へ
そこはモフ国の表通りからはずれた場所にあった、商店街通りの裏通りのようなその場所を知らないものではたどり着けないような所だ
「さあ着きましたぞ、ここがモフ国唯一の娼館です」
「おお、なかなか派手な外観ですなあ」
場所は裏通りにあるが、その場所まで行ってみると派手な看板に、色っぽいモフ達の絵が描かれていた、後ろを振り返るモフが妖艶な目でこちらを見つめるような
「ゴクリ モフ達の娼館と聞いて話のネタになればと遊び気分できましたが、意外と雰囲気は出てるものですなあ」
そう言って二人の商人は娼館の入り口に入ると、そこはろうそくで照らされた、少し薄暗い雰囲気を醸し出している、だが全体的にピンク色の室内はどこか艶めかしい雰囲気をうまくだしていた
受付にいるのはどうやら人間の女性のようだ
「いらっしゃいませ、モフの娼館へようこそ」
そう言って受付を行うのは、娼館では似つかわしくないような普通の事務をするような格好をした20代くらいの年齢の女性だ、娼館と言えば肌の露出が多い服を着た女の子が一般的だが、どうやらここでは普通の受付として雇われているのであろう
「2時間ほどお願いしたいのだが、部屋は空いているかね?それと君は指名できるのかな?」
商人はニヤリとした明らかに冗談ととれるような軽い言い方で受付嬢に問う
「それぞれ個室で2時間でよろしかったですね?大丈夫です空いております、それと私なんかよりもモフ達のサービスのほうが格段に良いですよ」
受付嬢はニコリとした営業スマイルでなんなく受け流す、おそらくみな娼館ということで、そんなことをよく言われるのであろう、慣れた返しをするが
「ほうほう、そんなにもモフ達のサービスは良いのですな、期待しますよ?」
ここへは始めてくる連れの商人はそんな彼女の言葉を少し疑うように問うてみる
「ええ、ご安心ください、たとえばほらあそこにお見えになられる方をご覧ください」
そこにはサービスを受けた後であろうモヒカンの肩パッドにトゲを付けた世紀末剣士がいた、世紀末剣士は頬を上気させ蕩けるようなあられもない顔で、堂々と正面入り口から出て行こうとしていた
こういう娼館では人と出会わないように裏口が設置されているのだが、そんなことも考えられないくらいのトロンとしたヤバい顔をしながら千鳥足で出て行った
「なんとまあとんでもない顔をしておりましたな」
世紀末剣士を見ながら商人は、普通の娼館であそこまでの顔にはならん、そんなやつは見たことがない、これは期待が出来るかもしれん、それにさっきの世紀末剣士は格好はあれだが女であろう、モフの娼館侮れんな
そんな事を考えながら受付嬢からの説明を受けて金を払う、モフ国では衣食住が無料の所も多いが、こういう贅沢品は有料だ
一人ひとつずつカギを渡され、連れの商人と分かれて自分の番号の書かれた部屋のカギを開けて部屋に入ると……
「おお、なんとこれは」
一番に目につくのは数多くの看板でみた艶やかな顔立ちをしたモフ達があふれていた、種類もいろとりどりネコ型もいれば犬型キツネ型などなど、一見すると女性風な顔立ちかと思うが見様によっては美少年といったふうな雰囲気も感じる
また部屋の作りはシンプルにネコ足のバスタブと大きなキングサイズのベッドがある、店の受付部分などと同じようにろうそくで明かりをとっているため薄暗くピンクの壁に反射して妖艶な雰囲気となっている、そして受付と違うとすれば
「これは香を炊いているのか、なかなか贅沢だな」
甘くどこか果実のようなすっぱさも混じる香りに、リラックスした心地にさせられる。どうも娼館というといきり勃ちブチ込むという認識であったがどうもここは違うようだ
そうしていると、モフ達が無言で近づいてくる、大勢でやってきて体にくっついてきてあれよあれよという間に服を脱がされてしまった
裸一貫となった私をモフが手招きしてバスタブに入るよう促してくる
バスタブに入るとちょうどよい塩梅の湯加減に湯にもなにかを入れているようで青みがかって、柑橘系の香りがする
そしてモフ達が石鹸で自身を泡だらけにすると私のからだをくまなくモフ達が覆い尽くして体をあらってくれる
「あああ いい気分だ」
この全自動で洗ってくれる感覚、モフ国に来ていろいろ体験したがやはりこれはいいものだ、頭や足の裏まで全てがモフ達が文字通り体を張って洗ってくれる、かゆい所に手が届くどころではない、この全てが全自動で行われる感じ、こんな感情をことばで表すことは不可能だ
そうして風呂を堪能していると、バスタブの水を抜いて体中をきれいにふき取ってもらう、これはもちろん別の乾いたモフ達がこれまた大勢でおこなってくれた
ぼんやりと呆けたような感覚に陥りながらベッドに横になると、モフ達が群がってくる、頭のさきから足の裏まで隙間なく体にくっつき口を開けてぺろぺろとなめだす
妖艶なモフ達がこちらを見ながら全身あますところなくモフられる
はあ、なんだか自分の体の境界線が無くなり溶け出すような感覚、感じるのは甘い匂いとモフ達との触覚のみ……もう自分が自分でなくなるような……
「またのご利用をお待ちしております」
裏口からではなく連れの商人と一緒に表からでる、あのあとはいつの間にか眠ってしまった、2時間後に目覚めた時にはベッドはひどいありさまだった、俺の中のいろいろな体液が出て小便までもらしてしまっていて驚いた、どうやらあまりにも気持ちが良すぎて記憶が飛んでしまっているようだ
連れの商人と帰り道を歩く、お互いに言葉は不要だった、ただ一つだけ交わすとすれば
「ありがとう」
その後我々は足しげくモフ国に通い仕事をこなすのであった
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