モフ村のヒツヅ飼い
僕はヒツヅ飼いの6男坊 みんなからはヒツヅ飼い小僧って呼ばれてる
ヒツヅは魔物だけど愛情を持って育ててやれば、毛を刈らせてくれる人間にとって有用な魔物だ、家畜型とはいえ流石魔物、繁殖力と毛が生えてくるスピードが動物の羊とは段違いに早い
そしてそんなヒツヅとこれからも一緒に暮らしていけると思ったんだけど、どうやら実家の牧場ではこれ以上ヒツヅを増やせなくて、6男坊である僕は家をでていかないといけない。
んだけども自立して一人でやっていくっていっても僕にはヒツヅの世話をすることしかできないし……
そう思っていたら、いつもヒツヅの毛を購入してくれる商人の一人のマッチョ商人に、モフ村という村でヒツヅ牧場を立ち上げる話をもらった
マッチョ商人曰く、そこはモフと呼ばれる縫いぐるみが住む町で、そこでヒツヅ牧場をする前提だが、衣食住は全てタダらしい
そんなうまい話があるわけ……
そう思っていた時期が僕にもありました……
モフ村に来てみると本当に縫いぐるみの村だった、そしてマッチョ商人の言っていた通り衣食住は全てタダだった……
しかも家までもらってしまった、ヤバすぎる。こんな待遇を受けてしまったら昔の暮らしに戻れない
では、仕事がきついかと言えばそうでもなかった、確かに一人で管理するには多すぎるヒツヅの数だった。 一人 でやるには厳しかったが、ここにはモフが何百といたため、ヒツヅの世話もモフが手伝ってくれている、ちょうどあんな感じで
「こっちにゃーーーー」
ペチペチペチペチ
「ここに入るニャーーー」
ペチペチペチペチ
ヒツヅ1頭につき 一般モフ達が4~5モフ ヒツヅの背中に乗っている、乗っているというよりもヒツヅの毛の中に入って顔をだしている
あるモフは 方向の誘導、 あるモフは目的地への案内 あるモフはペチペチする係など、それぞれに役割をもったモフ達が4~5モフがヒツヅの背に乗っていた
「草食え!」
あるモフはヒツヅの毛の中からひょっこり顔を出して指示をだす、今までずっと毛の中に潜んでいたようだ
こんな感じでヒツヅ達の世話もモフ達が手伝ってくれる、だから僕はヒツヅを世話するというより管理がメインの仕事になっている
そしてヒツヅの数が増えても、ヒツヅの毛でモフ達も作られているらしく、どれだけ増えても大丈夫らしい、モフ村マジはんぱねえ……
おそらくこの村はすごい速さで発展していくだろう、その発展のためにはこのヒツヅの毛の生産が不可欠だ、僕は今まではなんとなくヒツヅの世話をして暮らしていたけど、僕の仕事がモフの生産に直結し、モフが増えることによって、このモフ村が発展していく
本当にやりがいのある仕事に就けたと思う、僕はこれからこの受けた恩をモフ村の発展に尽力していこうと思った
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