鍛冶弟子3兄弟  この村やべーーー

 鍛冶弟子3人組は半信半疑でこの村にやってきた



 始め商人から話を聞いたときはすぐに二つ返事で答えてしまった



 ただ詳しく話をきいていくと、大山の奥地に縫いぐるみの村があってそこで働くのだということだった、その話を聞いたときは喜んでいた感情が一気に疑心暗鬼に変化した




 ただ引き受けた理由としては、もう親方のもとを離れなくてはいけない年齢15に間もなくなることと、この商人は最近国で流行している質の良い服を卸している商人だった。その商人がぶっちゃけて話してくれたのがこの服を卸しているのがこのモフ村という事だった。その実績が決めてであった


 しかしだからと言って不安がなかったわけではない、最悪はその村を見てから逃亡も考えていた、だがモフ村について3人は圧倒された、縫いぐるみがせっせと仕事をし、本当に村ができていた、そしてその村はとてもよく3人には見えた



「本当に村があったんだな」



 ぼそっと呟くと他の2人の鍛冶職人と驚き顔を見合わせた、だが村があったところで働く条件が悪ければ話にならない、その辺をこのコン太という縫いぐるみの案内についていく



 そして炉が設置される予定の建物へ案内された、それは鍛冶師の職場としては大きな建物で10人ぐらいは働けそうな広さだった




「おおすげーー、これが俺たちの職場かー」


「新品の工場だぜ!いい感じじゃないか」


「おおおおでけええええ」



 3人はそれぞれ興奮していた



 新しい職場は新築でとてもよく見えた



「じゃあ炉はこの建物に建ててコン!どういった風にするかは鍛冶3人組と後日相談してほしいコン!そして炉職人さんはマッチョ商人さんと宿に泊まって、他の鍛冶3人組は家に案内するコン!」



 そして鍛冶3人組が案内されたのは



「えっ!!この一軒まるまる俺の家!!!??」



 驚いたことに3人にはそれぞれ1家ずつ持ち家が与えられた、どこかの部屋に3人おしこまれるのかと思っていたらなんとまるまる1家プレゼントという大判ふるまい


しかも5人ぐらいで住めそうな家である



「マジでええええええ!」


「ひゃほおおおおおおい家だーーー」


「うおおおおおお実家よりいい家だああああ」



 3人は大喜びだ、それもそのはずどの時代でも持ち家を持つには大金が必要で、それは一般庶民からした数十年働いてやっと買えるレベルである



「喜んでくれたコン?」


「当たり前だろ!こんなすぐに家がもらえるなんてありえないよ!最高だよ」



「それは良かったコン、じゃあ家には簡単なキッチンとトイレはあるけど、お風呂はみんなで入る大浴場と、食事は食堂があるからそっちを案内するコン」


 そうして着いたのは大浴場と呼ばれる建物だった、その建物に入ると始めに受付のような所にモフ達が座っていた



「いらっしゃいませカピ」


「男はこっちカピ」


 入った瞬間いきなりカピパラモフに案内される、単語でしか話せない一般モフ特有の対応だ


「おっおう」


 そう言って3人とコン太は男湯のほうへ案内され、服を所定の位置で脱ぎ大浴場への扉へ手をかける



「すげーーーここも広いぜ!30人は入れそうな風呂だ!」


「まじでここが24時間入れるってか!?」


「毎日風呂が入れるって最高かよ」



 3人は叫び風呂に入ろうとする


「体を洗うカピ」



 そんな声が聞こえそちらをふりむくと、そこには複数のモフ達が垢すりを持っていた



「大浴場では先に体を洗ってから湯船につかるコン、体はモフ達が洗ってくれるからそっちに座ってコン」



 ついてきたコン太がいい、3人は言われるがままそれぞれ座る



「ああああ、いい感じだ、こりゃ貴族様になったきぶんだ」



 モフ村の風呂に入った人間はみんなこのセリフを言う、よっぽど体を洗ってもらうという事に贅沢感を感じるのであろう、そうして3人は石鹸をつけられモコモコと洗われていった、そして洗い終わると湯船につかる



「おおおお気持ちいいいい!久しぶりの風呂はすげーーーいいな」



「ほんとにこんなこと毎日やっていいのか?気持ちよすぎる」



「ああああああああああああああああああああああああああああ」



 ちなみに人間に清潔にしてもらうのは女王の意向だ、それは日本で育った彼女ならではの感性であった


 そして充分に風呂を堪能した3人を連れコン太は食堂へ向かう


「!?まじでこれ、どれでも、どんだけでも食べていいのか!?!?」



「こんなにいっぱい食えるなんて俺初めてだよ!!」


「うおおおおおおおおおおおおおお」



 3人は今日一番での驚き感動したようだ、中には泣いて喜んで食べてる子もいた



「うめええうめええよ、俺こんなうまい飯いっぱい食ったの俺はじめてだ」



「これマジで毎日しかも24時間食べ放題!!??本当にいいのか!!??」



「肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉」


 3人はがっつき食べまくった、もう何日も飯を食べてない子のように



 そして食べ終わったあと落ち着いたところで


「モフ村は気に入ってもらえたコン?」



「もちろんだ!こんな夢のような村どこにもないぜ!俺仕事頑張るぜ!モフ村に貢献できるよう精いっぱい努力するよ!」



 そう言って鍛冶3人組は感動しきっきりである


「でも家が一人じゃでかすぎるぜ!まあ最高だけど」




 そう笑いながら一人が言う



「そう思ったなら、嫁さんをもらうといいコン!応援してるコン!」



「いいのか?そうするとモフ村にとってもいろいろ食費やらいろいろかかっちゃうんじゃねえのか?」



「大丈夫コン!モフ村はこれからもどんどん大きくなっていくコン、そしてどんどん人も増やしていくコン、来てくれた奥さんには宿屋や食堂の受付をやってもらいたいコン」


 それを聞き3人は苦笑いをする、たしかに大浴場や食堂は最高だったが、受付がシンプルすぎた、ああいった所はやはり人間同士の対応が良いと思った



「モフ村はモフ村に貢献してくれれば生活の保障はするコン、もちろん子供や老人にも優しい村を作っていくつもりだからその辺もモフ村を見て行ってほしいコン、そしてこれからモフ村をよろしくコン」



 そう言って案内は終わった

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る